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一昨年母親が急逝してから父と一緒に大衆食堂「くすのき亭」を切り盛りする楠了子(くすのきりょうこ)。以前は色々夢もあったような気もするが、今は淡々と店の仕事をこなす毎日… そんな毎日の筈なのだが、彼女の周りにはいつも不思議な出来事がついて回るのだった。ある日、閉店直後に電話が鳴り、了子が受けるとそれはラーメンの注文だった。自分で調理し出前に行った了子だったが、電話をしてきた女性はこの世の者では無かった。そしてその日から了子の元には閉店後のラーメンの注文が入るようになる。了子は何者かに憑かれたように夜の出前を繰り返すが…。 その他、表題作品「くすのき亭の日々」の他、とあるレストランのオーナーが突然家に友人の娘を住まわせたことからそのオーナーと息子の間に起きる出来事を描いた「すぺしゃる料理人」、昔一緒に遊んだ男の子の面影を追って信州、小諸を訪れた女性の一日をほのぼのと綴る「約束」を掲載。小山田いくが大衆食堂「くすのき亭」の日常にからめて、人間の機微を丁寧に描く珠玉のホラーストーリーの決定版!
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