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九城;興生(くじょう おきお)、高校2年生。兄が経営する九城出版で歴史と文化の雑誌、「おのごろ」の雑用係も務めている。ある日、兄に言われて長野に取材に向かった興生だったが、切符を買おうとする興生の前に一人の女の子が急に現れ、強引に一緒に長野行きの切符を買わされる。彼女の名は江馬 環(えま たまき)。あまりに世間知らずで奔放に振る舞う環に振り回されながらも心配でつい世話を焼く興生だったが、どうも環には厄介なお家の事情があるようで、興生もいつの間にかトラブルに巻き込まれてしまう。そんな中、世間知らずながらにしがらみを振り切って一歩を踏み出そうとする環に、興生は彼女の背中を押す事を決意した。そして、そこから二人の旅が始まった…。緻密な鉄道描写も必見! 鉄道での旅を通じて興生と環、そして旅先で出会う人々との心の触れ合いを描いた小山田いくのハートフルストーリー。巻末には当時の単行本には未掲載の「興生と環の20年後」のイラスト&コメントも収録!
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