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目につくものの色や名前を、つい片っ端から口にしてしまう。それがモーリの最近のクセだった。事故により視力を失っていたモーリは、角膜移植手術を受け、光を取り戻していた。美しいエメラルドブルーの瞳。しかしそれからというもの《赤い色》を見ると発作に襲われるようになっていた。恐ろしい《残像》と共に…。角膜提供者が最期に見た、網膜に焼きつくほどの恐ろしい《残像=体験》とは一体? そんなある日、モーリが押さえきれない衝動にかられ駆け込んだのは、写真家の故マックス・ヴァインの個展。今は亡き天才写真家はモーリと同じく、美しいエメラルドブルーの瞳の持ち主であった……。生田悠理先生が描く美しくも悲しいミステリー。
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