SNSで話題沸騰! 共感度MAX!
300歳超の魔女が主人公のおひとりさまコメディを徹底解剖!
あなたの近くにもいるかもしれない――。
黒川御影(くろかわ・みかげ)、300歳。一見、地味めなアラサー女性。でも本当は、300回目の誕生日を迎えたばかりの三百路(みおじ)の魔女――!!≪おひとり様≫を極めた彼女の毎日は妬み嫉み辛みに僻み…縛るものなど何も無い究極楽しいひとり暮らし♪
自分の不幸も蜜の味!300歳独身魔女の冒涜的日常コメディ!!!
魔女は三百路から
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一見地味なOLだが、その正体は御年300歳の魔女。独身。
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御影の会社の新入社員。前世は高杉晋作で御影との出会いはその頃。
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御影の後輩魔女。19世紀生まれのギャル。
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280歳アラサー魔女。銀座でクラブを経営するやり手。
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使い魔。御影にはまったく懐かないが、小林には懐いているようすキャラクター。
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いつも2人組で登場。御影の恋愛を裏で操っている…?
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御影の会社のセクハラ上司。いつも御影の魔法で懲らしめられている。
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典型的ダメ男。前世は太宰治で、過去に御影と心中未遂をしている。
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小林の同期で性格よし!育ちよし!の美女。
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邪神。魔女界のスーパースター。御影が昔追っかけをしていた。
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“酒池肉林の宴を繰り広げる冒涜的夜会”と説明がありますが、要するに一人飲み。切り刻まれた血肉を自らの腸に詰め込まれた憐れなる小羊(ソーセージ)や、長時間重き石の下敷きになるという責め苦を受けた罪深き野菜たち(漬物盛り合わせ)などの生贄を肴に、今夜も好きなだけ想いにひたります。
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それは、独り身の三百路魔女にとっては文字通り身を焦がす地獄の業火…。仕事上の付き合いで結婚式に参列した御影は、「ウェディングドレス似合うと思う」という小林くんの言葉にその気になり、ネットでソロウェディングのサービスを目にします。
見学だけ。そのつもりだった御影でしたがついついテンションが上がってしまい、ついには漆黒のドレスに身を包み…。
天使たちの表情がなんとも言えません…! -
魔女としての気合を入れ直すべく夢の国=“ランド”にやってきた御影。友人2人にドタキャンされるも、一人ランドを満喫し家路につこうとしたところ、小林くんと二宮さんがデートしているのを目撃!
「結局お姫様の方がいいわけね…!」
怒りMAXの御影が行なうのは、別れた男の写真を的にしたダーツです。やってることは恐ろしいですが、別れた恋人の写真を保存しているなど、可愛いところもある御影なのでした。
おひとり様を極めた300歳の独身魔女が人間に紛れて暮らしている日常コメディ『魔女は三百路から』。
SNSでも話題となった本作の最新3巻が2019年6月28日に発売。
新刊発売を記念して、作画担当の松本救助先生にebookjapanが独占インタビュー!
作品についてだけでなく連載開始のきっかけにもなった松本先生の日常などもお話しいただき、
終始笑いの絶えなかった楽しいインタビューの様子をお届けいたします。
松本さんの日常を元ネタに作られた“300歳の魔女”
――『魔女は三百路から』はどのような経緯で連載が立ち上がったのでしょうか。
松本救助(以下、松本) もともと前作の『モトヨメ』で打ち合わせをしている中で、担当さんを介して私の日常が原作の原田(重光)さんに伝わっていたんです。その話が面白いとなり「原田さんがすごくいい原作を作ってきたので、これでいきましょう」と渡されたのが“300歳の魔女”という、完全に私をディスってる*1話で…(笑) でも読んでみたら300歳という設定がかなりぶっとんでいるので、そこまで悲しい思いはしないかなと思いなおしました。それにみんなが楽しんで作れるんだったらいいかなと思い、始めることになりました。
*1 ディスる…侮辱する。「ディスリスペクト」からきたネット用語。
――『魔女は三百路から』の原作は『モトヨメ』でもコンビを組んでいた原田重光さんです。一度コンビを組んでいるだけに、やりやすさや信頼感などもあったのでしょうか。
松本 もちろんです。漫画家としても大先輩の作家さんで、私がデビューしてすぐの作画がダメダメだったような時からコンビを組ませていただいて、すごく勉強させていただいている方です。原田さんが私の日常をフィクションとして面白いようにしてくれるなら大丈夫だろうと思いました。私の元ネタが「これ大丈夫かな? これでいいのかな?」というのがあっても、ちょうどいい塩梅にしてくださるので絶対の信頼を置いています。原作のネーム*2に関して私が大きく変えたことはないですね。
*2 ネーム…コマ割りやセリフが描き込まれた、マンガを作るための設計図のようなもの。
――松本さんが提供されているネタがほとんど反映されているのでしょうか?
松本 ほとんどではないですが、小ネタが多いですね。大きいエピソードはそこまで…。「松本さんの男関係のエピソードはしゃれにならん」って原田さんからは言われているので(一同笑) 最近だとカフェオレを爆発させたことをTwitterに書いたのですが、それが採用されたりとか(笑)
――忠実に再現しているというよりは、そこから膨らませているんですね。では御影というキャラクターも松本さんがモデルというわけではなく、あくまでオリジナルなのでしょうか。
松本 たぶん…? (担当編集に向かって)どう思います?
担当編集・高村(以下、高村) 着想は松本さんの日常生活だと思うんですが、キャラクターはかなり原田さんに作っていただいたという認識です。でも松本さんがご自分で御影と似ている点が多くあるのであれば…(笑)
松本 似てるとは思わないかな?「このエピソードは私だな」って思うくらいで。
高村 原田さんも僕も男性なので、男性寄りの視点で作っている感じです。掲載誌が男性寄りなので、あまり女性の生々しさを出して男性に悲しい思いをさせないようには作っています。逆にその生々しさがなさすぎて胸に来るという意見はありましたが…。「(御影は)こんなに楽しんでいていいのだろうか…」と女性読者さんが書いているのをちらっと見たことがありますね(一同笑) 基本的には男性の好きそうなキャラクターにはなっています。
――キャラクターデザインについては原作の原田さんから要望などあったのでしょうか。
松本 ありましたね。「メガネのキレイなお姉さん」って。私がメガネ好きでメガネ物のマンガを描いているのもあって、メガネ女子という要望はありました。あとはキレイ系だけどおっとりもしているような感じというのをリクエストされました。髪形はFGO*3のレオナルド・ダ・ヴィンチちゃんのイメージというのも言われました。でもその打ち合わせをした時に、ちょうど私もこんな髪形だったんですよ。それで原田さんに「松本さんみたいな感じ」って言われて一瞬ドキッとしました(一同笑)
高村 原田さんそういう言い方することありますよね(笑)
*3 FGO…正式名称「Fate/Grand Order」。スマートフォン専用ロールプレイングゲーム。
――御影以外のキャラクターについてはどうでしょうか。
松本 特になかったです。原田さんのネームに絵が入っているので、そのイメージに近くするようにというのと、御影とイメージが被らないように作っていますね。
――イケメンの小林くんにモデルはいるのでしょうか。
松本 今まであまりイケメンを描いたことがなくて…。1話で乙女ゲームのキャラクターに似ている人として登場したので、乙女ゲームに出てくる正統派イケメンっぽく描こうとがんばりました。
高村 松本さんはイケメンを見ると顔が認識できなくて覚えられないんですよ。
――え!?
松本 そう、顔を覚えられないんですよ。私は同人誌のイベントとかにもよく出ているんですが、コアなファンの男性ってキャラが濃かったり、いつも同じものを着けていたり同じ格好をしてくれたりするので、顔を覚えられない者としては大変ありがたいんですが、イケメンだと「あ、イケメンだ」って思ってそれで終わっちゃうんですよね(一同笑) だから同じ人が来てくれても「もしかして前回もいらっしゃってましたか…?」って聞くと「前回も前々回もその前も来てます」と言われて「すみません…」って謝ることがあったり…。
高村 だからなのか、イケメンキャラの小林くんに関しては、松本さんは辛い評価をつけながら描かれていましたね。
松本 「絶対こいつ裏持ってるぞ!」って思ってました(一同笑) 原田さんから「イケメンの相手キャラクターです」とネームが来たんですが、「こいつはいつか絶対何か裏に秘めたものが出てくる…」と思って、“闇堕ち*4”しても大丈夫なようにキャラクターをデザインしたのに一向に闇堕ちしないので「あ、大丈夫だったんだ…」って拍子抜けしました(一同笑)
*4 闇堕ち…味方や善人が悪に手を染めてしまうこと
――闇堕ちした小林くんも見てみたい気がします(笑)
松本 そうなんですよ。「絶対変な性癖持ってるぞ」と思っていたのに一向に出てこないから…。どうしようって…(一同笑)
――御影が恋人がいるように装ってSNSに妄想フォトをアップしたり、自宅で“一人サバト”や応援上映をするエピソードなどが面白いです。原作のネームで、一番面白いと思ったエピソードは何ですか?
松本 一人ジェンガ…?(一同笑) さすがに私もこれはやったことないですね(笑) 一人ボドゲ(ボードゲーム)はやったことあるんですが。
――一人でできるものなのですか…?
松本 ボードゲームを買って、すぐ遊んでみたいけど友達が捕まらなかったりとか、ルールが分からない時に試しにやってみるというか。あ、でもこれは小学生の頃からやっていましたね(笑) あとSNSに妄想フォトはやったことないですが、小中学生の時に「もし好きな男の子とデートしたら」っていう“妄想散歩”はしたことがあったのを今思い出しました(笑) そっちのほうがやばいやつですよね。
高村 それは僕も聞いたことないですね(笑)
――おひとり様がテーマの作品なので御影一人のシーンが多いですが、作画の際に心がけていることなどはありますか?
松本 けっこう顔芸をさせていますね。いろんな表情をさせることで同じ調子にならないように心がけています。
――確かに、御影は美人だけど面白い顔芸をするのが魅力でもありますよね。ですが、いろんなバリエーションがあるのでそれも大変だったりしないでしょうか?
松本 基本的に私が遊ばせたいなと思って、描きたいように描いているので(笑)原田さんからの指定が特にあるわけではないというのもあり。「この構図どこかで見たことある…あ、池上遼一先生じゃん!」と思って池上遼一先生っぽい絵にするという感じで、思い付きで描いているのでけっこう自由に遊んでいますね。
高村 (作画が)怖すぎて原田さんからNGが出たこともありますよね。まだ連載が最初の頃だったので、御影はもっとかわいくしなきゃって(笑)
松本 あ、それ覚えてますよ。大友克洋先生の『AKIRA』っぽい絵を描いたら「怖すぎる」と言われたんです(笑)
高村 最初のほうはもっとかわいくてもいいのではと、僕と原田さんの意見が一致しまして。原田さんから「直せないか一応聞いてみて」と言われました。連載当初はそういうふうにバランスをとっていましたが、今それに近しいことをしてもたぶん原田さんはOK出すと思います(笑)
――御影の自宅に小林くんが来た時、それまでラフなトレーナーだったのにキレイめのトップスに着替えていて浮足立っているのが伝わってきました。他にも御影のキッチンにさりげなくお酒の空き缶が3つ並んでいたり…リアルなアラサー女性っぽさを画面の端々で感じますが、これらは松本さんが独自で描き込んでいるのでしょうか?
松本 基本的にはそうですね。ネームに「キッチン」と書いてあると、「じゃあ空き缶はあるよね…」「洗い物はまだ出しているはず」と思って描いています。
――他にも、第2話で御影が飲んでいるお酒が「眠れる黒猫」でしたが、小物などは松本さんのセンスで描かれているのでしょうか。
松本 小物を考えるのが好きなんです。御影が飲みそうなお酒は何かなとか。部屋着だと、20代前半だったらジェラピケ*5でしょうって思うじゃないですか。でももうアラサーだから人によっては恥ずかしくてジェラピケ着られないよな…って感じで考えました。
*5 ジェラピケ…正式名称「gelato pique (ジェラートピケ)」。ルームウェアを専門とした、若い女性を中心に人気のファッションブランド。
新キャラで400歳の腐女子が登場!
ますます盛り上がる最新刊
――2巻は御影の前に2人目の男・純一が現れるという気になる終わりでしたが、3巻の見どころを教えてください。
松本 なぜか原田さんも高村さんも純一のほうが好きで動かしたがっているんですが、私はそれを必死に止めています(笑) もうちょっと小林くんを出してほしいって言っているのですが…。3巻は恋愛要素もあるし、新キャラとして登場する御影さんの師匠が初登場からとにかくキャラが濃くて、みんなで作っていて楽しかったんですよ。私は少し前に久々に腐女子ジャンルにハマっていて、妙に知識を蓄えたのでそれを元にみんなで作ったキャラクターなのですが「濃いな…(登場するのは)10回に1回ぐらいでいいな」って話をしていましたね(一同笑)
高村 このキャラクターは完全に松本さん発案かもしれないですね。「“腐女子”というワードができたのは300年単位で見るとすごく最近だ」という話をしていたのがきっかけです(笑)
(インタビュアーが師匠の部屋にあるBLマンガのタイトルを当てたのを受けて)すごい…分かるんですね。
松本 分かる人には分かるように描いてるんですよ~。アシスタントさんにも「ここにある雑誌はこれで」と細かい指定を入れました(笑)
高村 マンガの書影が伝わったのは僕も感動しました(笑)
松本 今の腐女子の人は「壁になりたい」とか、無機質なものになりたいと思っている人が多い印象ですが、ひと昔前の腐女子って「寮母になりたい」って言っていたのを思い出して。じゃあ夢をかなえてあげようと思って作ったのが師匠です。
高村 僕はその話を聞いて面白いと思って原田さんに話したら、このキャラクターができてきました。さらに今風のネタが落とし込まれてできあがったので、かなり特徴的な1話になりましたね(笑)
松本 みんな楽しんで作ってましたよね。
高村 かなりいろいろ手を入れましたね(笑)
――3巻の要注目キャラクターですね! この話の扉絵もアニメグッズっぽいイラストで内容に合っていますよね。『魔女は三百路から』は毎回の扉絵もすごくかわいいです。
松本 扉絵はその時描きたいものを描いていますね(笑) 扉絵は原田さんからの指定もなくお任せなので、内容に沿っているものもあればただその時描きたい絵だったりとか。本当に困った時はTwitterでアンケートをとったりもします(笑)
――Twitterといえば、ご自身のアカウントで1話を公開されて話題になっていました。どのくらい反響がありましたか。
松本 すごく反響ありましたね。まさかここまでとは思わなかったです。一方で、一人で楽しむことが好きな人が多いのかなと思ったりはしました。困るのは、よく「御影=私」だと誤解されるんです。「松本さんはきっと結婚できますよ。大丈夫ですよ」ってメッセージが来たり…(笑) 私は別にそんなに悩んでいるわけじゃないのに…。それに何も返事を返せなくて…。どう返しても強がっているように見えるんじゃないかと思ってしまって(一同笑) でも作品の認知度が上がってよかったです。当時は出版社のアカウントが公開していることが多かった気がするのですが出版社や作品の公式アカウントよりは自分のアカウントで流そうかなと思ってやりました。あとはどういうタイトルを付けたら見たくなるかなと考えて、ネット掲示板のタイトルみたいにしてみました(笑)
高村 僕もいろいろ販促をやりましたが、一番効果がありましたね…(寂しそうに)。
漫画家になったきっかけは現実逃避!?
――ここからは松本さんご自身についてお聞かせください。まずは、漫画家になったきっかけを教えていただけますでしょうか。
松本 もともと絵を描くことが好きで、小学生の時は自由帳にマンガを描いているような子だったので、いずれはなりたいなと思っていました。ただ最初の投稿のきっかけは現実逃避でした。中学2年生の時に、受験が辛すぎて投稿したのが最初です。美術系の高校を目指していたので実績として書けるくらいの小さい賞は取ったりしていました。でも高校に行ったらまったくマンガを描かなくなっちゃって。美術科の学生あるあるなんですが、授業でやるので個人では描かなくなるんですよ。そうやって高校で学んでいって、卒業後の進路を考えた時にまた現実逃避でマンガを描くんです。高校の3年間で美術を学んでまた大学の4年間で似たようなことを学ぶくらいだったら経験を積んだほうがいいなと思い、アルバイトをしながらアシスタントをやりました。その時は少女マンガでのデビューを目指してがんばっていたんですが、致命的な欠点があったんですよ…。
――何ですか?
松本 女の子が惚れる男の子が描けない(笑) もちろん作画が未熟というのはあったのですが、女の子が惚れる男像がまったく分からなくて。そんな時に「女の子はすごくかわいく描けているから男性向けのほうにいったら?」と言われて男性誌のほうで描き始めたら一発でデビューできたんです。そこからずっとヤングアニマルさんでお世話になっています。
――では普段から少女マンガは読んでいるんですか?
松本 ……少女マンガは読めなくなっちゃって(笑) デビューした時はまだ少女マンガの文法で描いてしまうというか、青年マンガらしく描けないから青年マンガばっかり読んでいたことはあるんですが、それを抜きにしても趣味でも読めなくなっちゃって…。「君は俺が守る!」って言われても「何から…? まだ親のすねをかじってる学生なのに、何から守るんだ? 暴力とか?」というふうに思うようになっちゃって(笑)
高村 それを聞いて思い出したんですが、松本さんが描いた『魔女は三百路から』のこのシーン(4巻収録予定)、「アラサー女性が言われて微妙な言葉ランキング」の1位が「君を守りたい」なんですよ(一同笑) こういうのが松本さんっぽいですね(笑)
松本 アシスタントに行っていた現場の先生もそういう感じの人でした。「少女マンガのセリフがときめかなくなったわ」「わかる~」みたいな(笑)
――では、今好きなマンガは何ですか?
松本 人が不幸になるマンガ(一同笑) この前打ち合わせで「最近なんのマンガ読んでますか?」って聞かれて、自分が買ったマンガを見ていたらレディース系の人が不幸になるマンガしか読んでないって気づいてしまって(笑) 少女マンガも年に何作品かは読むんですが、当て馬が出てきたりとかヒヤヒヤする作品が読めなくなっちゃって。どうせメインの2人がくっつくっていうのは分かるんですけど…。
高村 でもドキドキしちゃうんですよね(笑)
松本 「なんでこういうこと言うの!?」って思っちゃって(笑)
――松本さんは「マンガリッツァ豚」(ハンガリーの国宝)のマンガをきっかけに、ハンガリーに国賓として招待されたことがあるそうですね。
松本 もともと豚が好きで、たまたま夕方のニュースで「マンガリッツァ豚」というのを知って、「マンガ」って入っているのがいいなと思い使いました。少し調べた時に「食べられる国宝」と言われていることは知ったのですが、本当に国宝だとは思わなかったんです。キャッチコピー的な感じかと思っていたんですが、マジの国宝だったっていう(笑) 当時そのことをちゃんと知っていたら使わなかったかもしれないですね。でもそのおかげで度量の広いハンガリー政府に招待していただけましたね。
――現在もハンガリーとは何かお仕事をされているのでしょうか。
松本 仕事はしていないですが、たまに在ハンガリー大使館の大使の方からイベントに呼んでいただくことはありますね。そういえば、当時ブログのプロフィールの睡眠時間のところに調子に乗って「3時間」と書いていたら、ハンガリーに行く際に本当に睡眠時間3時間のスケジュールを組まれてしまいましたね(笑) 8時間とか書いとけばよかったなぁ…。
――いろんなことに興味を持たれている印象ですが、最近気になることやはまっていることはなんですか?
松本 キャンプですかね。最近友達とキャンプに行って、原始人みたいなサバイバルキャンプをしたんです。本当はグランピングにしようと思っていたら予約が取れなくてサバイバルキャンプになりました。その後にテレビで若乃花のバーベキューを見たんですが、ちゃんと食材を仕込んで持ってきて、本当においしそうなお料理を作っていて…。私たちなんてただ切って焼いてソースとかしょうゆとか塩をかけただけで、原始人みたいだ…ってへこみました(笑) そこからツールにも興味が出てきて、キャンプいいな~って思ってるんです。冬ぐらいにしてみたいな。あとはコミックエッセイを描いている漫画家の卯野たまご先生が開いている「直感でみる手相」という教室を見に行ったりもしました。いろいろ気になったら行ってみるのですが、続くかは分からないです(笑)
――普段からいろいろとアンテナを張っていたりするんですか?
松本 他の漫画家さんだとアニメとかをよく見ていたりするんですが、私はアニメのほうが気になっちゃうので作業中に見ることがあまりできなくて。作画中は家にいなくちゃいけないので、なるべく外に出る用事を作るようにはしています。
――ここまでありがとうございました。最後に、読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
松本 御影さんの日常で笑ってもらえたらうれしいです。ありがとうございました!
2011年、「松本とりも」名義で「コミックCawaii!」にて読み切り『メダホルマー・シグマ』でデビュー。2018年より「モトヨメシリーズ」でもコンビを組んでいた原田重光氏が原作を担当している『魔女は三百路から』が「ヤングアニマル嵐」にて連載を開始し、現在は「ヤングアニマル」で連載中。その他の作品に『眼鏡橋華子の見立て』『ブタが好きすぎてハンガリーの国賓になりました』など。