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日本文学の新たな歴史を切り拓く 芥川賞・直木賞 第171回受賞作発表!!

2024年7月17日、第171回芥川賞・直木賞受賞作が発表されました。
最新第171回の受賞作と、過去の受賞作をすべてご紹介します。

第171回 芥川賞 受賞作

  • サンショウウオの四十九日
    サンショウウオの四十九日
    朝比奈秋
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  • 周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
    朝比奈秋 あさひな・あき1981年生まれ。医師として働きながら、2021年「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞。22年、同作を収録した単行本『私の盲端』でデビュー。
  • バリ山行(さんこう)
    バリ山行(さんこう)
    松永K三蔵
  • 内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
    松永K三蔵 まつなが・けー・さんぞう1980年茨城県生まれ。関西学院大学卒。2021年「カメオ」で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。

第171回 直木賞 受賞作

  • ツミデミック
    ツミデミック
    一穂ミチ
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  • 大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗ったが――「違う羽の鳥」 失業中で家に籠もりがちな恭一。ある日小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人にもらったというそれをたばこ代に使ってしまった恭一だが――「特別縁故者」 鮮烈なる“犯罪”小説全6話
    一穂ミチ いちほ・みち1978年生まれ。関西大学卒。2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。『イエスかノーか半分か』シリーズなどBLジャンルを中心に著作多数。2021年、『スモールワールズ』が直木三十五賞や本屋大賞など多くの文学賞の候補となり、第9回静岡書店大賞・第43回吉川英治文学新人賞を受賞。

第171回 芥川賞 候補作

  • 転(てん)の声
    転(てん)の声
    尾崎世界観
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  • 尾崎世界観 おざき・せかいかん1984年生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。16年、半自伝的な小説『祐介』を書き下ろしで刊行し、小説家としてもデビューした。
  • 海岸通り
    海岸通り
    坂崎かおる
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  • 坂崎かおる さかさき・かおる1984年生まれ。2020年に「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞。22年に「嘘つき姫」で第4回百合文芸小説大賞、「あたう」で第28回三田文学新人賞佳作。
  • いなくなくならなくならないで
    いなくなくならなくならないで
    向坂くじら
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  • 向坂くじら さきさか・くじら1994年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2016年、Gt.クマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニット「Anti-Trench」を結成。22年、詩集『とても小さな理解のための』刊行。初の著書となる。同年、国語専門の個人塾である「国語教室ことぱ舎」を創設。24年文藝夏季号にて初となる小説「いなくなくならなくならないで」を発表。

第171回 直木賞 候補作

  • 地雷グリコ
    地雷グリコ
    青崎有吾
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  • 青崎有吾 あおさき・ゆうご1991年生まれ。明治大学卒。2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2024年、『地雷グリコ』で第24回本格ミステリ大賞、第77回日本推理作家協会賞、第37回山本周五郎賞を受賞。
  • 令和元年の人生ゲーム
    令和元年の人生ゲーム
    麻布競馬場
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  • 麻布競馬場 あざぶけいばじょう1991年生まれ。慶應義塾大学卒。Twitterにツリー形式で小説の投稿をはじめ、話題となる。2022年『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』でデビュー。
  • われは熊楠(くまぐす)
    われは熊楠(くまぐす)
    岩井圭也
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  • 岩井圭也 いわい・けいや1987年生まれ。北海道大学大学院農学院修了。2018年、『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。2023年、『最後の鑑定人』で第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補、『完全なる白銀』で第36回山本周五郎賞候補。
  • あいにくあんたのためじゃない
    あいにくあんたのためじゃない
    柚木麻子
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  • 柚木麻子 ゆずき・あさこ1981年生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。同作を含めた単行本『終点のあの子』でデビュー。17年刊行の『BUTTER』は世界各国で翻訳されている。

芥川賞・直木賞とは?

芥川賞・直木賞は、いずれも1935(昭和10)年に、作家・菊池寛が主宰していた文藝春秋社が創設した文学賞。菊池寛の盟友だった、芥川龍之介と直木三十五の名を冠した。1945(昭和20)年から一時中断したが、1949(昭和24)年に復活。上半期(7月中旬発表)と下半期(1月中旬発表)の年2回実施されている。

芥川賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、主に無名または新進作家が対象となる。

純文学の新人賞でありながら、第34回受賞作である石原慎太郎『太陽の季節』は、そのセンセーショナルな内容により大きな話題となり、以降、広く一般に知られる賞となった。村上龍『限りなく透明に近いブルー』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、又吉直樹『火花』などの受賞時にも社会的なビッグニュースとして扱われ、いずれもミリオンセラーとなった。

第171回の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一。

直木賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)または単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、当初は無名・新進作家が対象だったが、現在は中堅作家が主な対象となっている。

歴代受賞者は、山崎豊子、司馬遼太郎、五木寛之、宮部みゆき、東野圭吾、池井戸潤など、国民的作家とも言うべき錚々たる顔ぶれである。一方、推理作品、および日本の大衆文芸のなかで比較的歴史の浅いSF・ファンタジー作品の受賞は少なく、綾辻行人、北方謙三、小松左京、島田荘司、筒井康隆、星新一、横山秀夫など、未受賞の大物作家もいる。

第171回の選考委員は、浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。

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