2025年1月15日、第172回芥川賞・直木賞受賞作が発表されました。
最新第172回の受賞作と、過去の受賞作をすべてご紹介します。
第172回 芥川賞 受賞作
- 恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生!
- 安堂ホセ あんどう・ほせ1994年生まれ。2022年「ジャクソンひとり」で第59回文藝賞を受賞しデビュー。同作で第168回芥川賞候補に。
- 高名なゲーテ学者・博把統一は一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出合う。ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求める旅の先に、行き着いた場所は……。若き才能が描く、アカデミック冒険譚!
- 鈴木結生 すずき ゆうい2001年生まれ。24年、西南学院大学卒。24年「人にはどれほどの本がいるか」で第10回林芙美子文学賞佳作を受賞。
第172回 直木賞 受賞作
第172回 芥川賞 候補作
- 乗代雄介 のりしろ ゆうすけ1986年生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒。2015年「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞しデビュー。18年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、21年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞を受賞。22年、同作で第37回坪田譲治文学賞を受賞。23年『それは誠』で第40回織田作之助賞受賞、24年、同作で第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
第172回 直木賞 候補作
- 荻堂顕 おぎどう あきら1994年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2020年、「私たちの擬傷」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。21年1月、新潮社から同作を改題した『擬傷の鳥はつかまらない』を刊行し、デビュー。
- 木下昌輝 きのした まさき1974年生まれ。近畿大学卒。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞。14年、同作品を収録した『宇喜多の捨て嫁』でデビュー。2019年『天下一の軽口男』で第7回大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で第7回野村胡堂文学賞、2020年『まむし三代記』で第9回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞。
- 月村了衛 つきむら りょうえ1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。同シリーズで日本SF大賞・吉川英治文学新人賞を受賞。その他の代表作に『コルトM1851残月』『土漠の花』『欺す衆生』など。
芥川賞・直木賞とは?
芥川賞・直木賞は、いずれも1935(昭和10)年に、作家・菊池寛が主宰していた文藝春秋社が創設した文学賞。菊池寛の盟友だった、芥川龍之介と直木三十五の名を冠した。1945(昭和20)年から一時中断したが、1949(昭和24)年に復活。上半期(7月中旬発表)と下半期(1月中旬発表)の年2回実施されている。
芥川賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、主に無名または新進作家が対象となる。
純文学の新人賞でありながら、第34回受賞作である石原慎太郎『太陽の季節』は、そのセンセーショナルな内容により大きな話題となり、以降、広く一般に知られる賞となった。村上龍『限りなく透明に近いブルー』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、又吉直樹『火花』などの受賞時にも社会的なビッグニュースとして扱われ、いずれもミリオンセラーとなった。
第172回の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一。
直木賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)または単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、当初は無名・新進作家が対象だったが、現在は中堅作家が主な対象となっている。
歴代受賞者は、山崎豊子、司馬遼太郎、五木寛之、宮部みゆき、東野圭吾、池井戸潤など、国民的作家とも言うべき錚々たる顔ぶれである。一方、推理作品、および日本の大衆文芸のなかで比較的歴史の浅いSF・ファンタジー作品の受賞は少なく、綾辻行人、北方謙三、小松左京、島田荘司、筒井康隆、星新一、横山秀夫など、未受賞の大物作家もいる。
第172回の選考委員は、浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・辻村深月・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。