ハーレクインコミックスで大人気のさちみりほ先生がデビュー30周年を迎えられました!
先生の貴重なインタビューや、美麗なカラー原稿作成の様子など動画でお届けします!
これまで読んだハーレクインの中で、 一番印象に残っているものがあれば教えてください。
「道化師は恋の語りべ」でしょうか。読んでる途中からコミカライズの許可申請しなくちゃって、うずうずしてました。「花嫁になる条件」もおもしろかったですね。あとがきにも書きましたが、深夜、外は大嵐の雷雨のなか涙が止まらずに一気に読みきりました。もうひとつは、説明する必要もないくらい有名なリンダ・ハワードの代表作シリーズである「マッケンジーシリーズ」。ウルフにたぎりました。
私は、小説ですと、MIRAの「レッド」ですね。この原作で初めてハーレクインを描かせていただいた小説というのもあるんですが、衝撃的なオープニングで、ぐいぐいともっていかれて、あっという間に読んでしまいました。そして、これ、自分にコミック化できるんだろうか?と呆然とした記憶が(笑)。私にとってはハーレクインをコミックにするという扉を開けてもらった小説でもあり印象深いとともに、かけがえのない物語です。原作者のエリカ・スピンドラーさんにお会いできたのも嬉しい思い出です。
先生方には、これまで多くの作品をコミック化していただきました。本当にありがとうございます。でも、長年にわたりロマンスを描き続けていくのには、いろいろご苦労や大変なこともあると思うのですが、「ハーレクインコミック作家あるある」的な苦労話などありましたら、教えてください。
とにかくハーレクインは大長編読みきりなので、描いても描いても終わらない(笑)。それはネームから然り。ネーム125p描いて、原稿125p描くと、1作品で250p描いた気分に。番町皿屋敷どころの騒ぎじゃない。あでも、〆切迫る中「1枚足りない・・・」てなことになったら阿鼻叫喚(笑)
それは担当編集者も悲鳴をあげますね!
そして、長すぎて描き始めた時と描き終わる時にキャラの髪型が変わってしまうことも。読みきり作品なのに(笑)
この対談を読まれた読者の方は、これからきっと注目されるかもしれませんね(笑)。体力的にはいかがでしょうか。
ペース配分に失敗するとクライマックスの絵を描くときに力尽きて集中力が切れる。そしてたいてい失敗する。1作品描き上げると季節が変わってる。1作品ごとにワープしてる感じです。昔に比べて徹夜ができない体になったし、年齢だけはベテランになってますから(笑)。でも、かえって健康には気をつけるようになってますね。できるだけ元気で描いていきたいので。
私は、いちばんの苦労は「原作選び」でしょうか。ともかく山のように山のように山のようにありますから、どこから始めたらいいのか途方にくれます。担当さんが選んでくれますが、自分でも読むので、決め手がつかめないと迷子になります。
やはり、登場人物が決め手になることが多いですか?
でも、「ひとの話を聞かないヒーロー」には手を焼きます(笑)あと、資料。豪邸の資料が足りません!!!
いろいなご苦労がある中で、それらを乗り越えて、ハーレクインコミックを描き続ける先生方を支えるモチベーションはとは…?
原稿を描き上げたときの達成感。これだけのページ数描き上げた~! えらい! よくやった!と自分で自分を褒め、アシさんたちも褒め、みんなで終わったー!と喜びます。
私は、「ロマンス」というはっきりとしたジャンルの中で、読者に面白く読んでいただけたときは、心の中でガッツポーズです。次もがんばろうと力がわいてきます。
そうですよね。やはり、読んでくださった方からの感想の言葉が何よりの力になります。雑誌に載ったり電子書籍として読者の目にとまり読んでいただいて、面白かった、泣けてしまった、次回作が早く読みたい、などなど嬉しいご感想を聞けると、原稿アップ後にヘロヘロに疲れてゾンビみたいになってても、あっというまに蘇って、よし、次もがんばるぞ~!ってなっちゃう。単純。これはデビューの頃から変わらないですね。
読者の感想やコメントは、作り手にとって何よりの力になりますね! 2019年、ハーレクイン小説日本上陸40周年となりますが、これだけ長い間、読者に支持される理由はどこにあると思いますか。
幸福感。このひと言に尽きるのでは。
本当に。女性の永遠の憧れのロマンスと、必ずハッピーエンドになる幸福な読後感ですよね。読んでいるときはハーレクインの世界に浸って、別世界に旅に行ける。スイーツショップでケーキを選ぶように楽しく選んで甘い世界を味わえる。ジャンルも多岐にわたり、たくさんの本があるから支持も続くんだと思います。
読んでも読んでもつきない幸福感の源、なんですね。これからも50年、60年、100年と続けられるようにしたいです。小説に加えて、ハーレクインコミックも20年ほど前に誕生して、新しいロマンスファンを増やし続けてきました。ハーレクインコミックがここまで女性読者に支持される理由はどこにあると思いますか?
40年、20年、って、ものすごいことですよね。日本にはコミック文化があり自然にコミックが読めて、それがハーレクインとマッチングしたとき、小説にはない、ビジュアルも含めた新たなロマンスの楽しみが生まれたんですよね。
小説の個性と漫画家の個性のコラボレーション…でしょうか。ひとつのジャンルでこれだけ多種多様な面白さを味わえるのはほかにないかもしれませんね。
小説には小説の、原作者の方の、翻訳者の方の微妙なニュアンスにまでこだわった文章があって、それを堪能する楽しみがあり、コミックにはさらに漫画家が、どうやったらもっと読みやすく絵にできるだろう、どうやったらもっと日本人の感覚により添う作品にできるだろう、と、苦労を重ねた絵と物語があります。それを小説と読み比べるのも楽しく、コミックとして純粋に新鮮にロマンス世界を味わっていただくのも、どちらもきっと楽しいのではないでしょうか。ロマンスは永遠に不滅ですから(笑)
「ロマンスは永遠に不滅」名言です! では、最後に、もし先生方が、お互いの担当編集だとしたら、どんなハーレクインコミックを描いてもらいたいと思われますか?
わ~、嬉しくも難しい質問ですね。藤田さんはすごく多彩なジャンル描いてらっしゃるし。そして、どれもハズレがないのが素晴らしいです。そんな藤田先生に描いてほしいもの……。私、藤田さんの「道化師は恋の語りべ」が大好きなんですけど、あれくらいの長編をまたヒストリカルでどど――んと!(笑) たっぷり読んでみたいです。なんて贅沢! あ、単なる読者的願望になっちゃった。あと、タイトルページや雑誌の表紙を飾ったイラストの画集が欲しいです! あ、また読者的願望ですみません……。
ありがとうございます! 私のほうは…小林さんは死角がないから!(笑) ヒストリカルはいかがでしょう? ひょっとしてお描きになってないかも?
それは、ぜひ読んでみたいですね。小林先生、よろしくお願いします! 藤田先生、小林先生、貴重なお時間ありがとうございました。これからもハーレクインをよろしくお願いいたします。
今日はお集りいただきまして、ありがとうございます!岸田先生、秋乃先生は、星合先生のアシスタントをなさっていたとか?
秋乃先生:「暇ならお手伝いどう?」って声をかけていただいて。
すると、デビュー当時からのおつきあい?
星合先生:私はデビューは「少女フレンド」(講談社)。そのあと「少女コミック」(小学館)で、それから秋田書店に行ったんですけれど。
岸田先生:私、星合先生がフレンドで書いていらした頃から知ってます。
星合先生:中学生だった岸田さんのお友達がファンレターをくれたの。そこから芋づる式に。…フフフ。 岸:初めてお会いしたのは漫画好きな人たちが集まる会合のような場だったのですが、星合先生が何を着て、どんな靴を履いてらしたとか、今でもその光景を覚えてます。すごく大人っぽくて華やかで。わーっ、プロの漫画家さんってこうなんだ~! って思いました。 それで数年後、星合先生がアシスタントに呼んでくださったので、「プロの漫画家さんのお手伝いができる~!」って喜んで、帰り際にお給料をいただいて、「ひえ~~こんな楽な商売が~」って(笑)。すごく楽しかったです。ちなみに初めて会ったとき、星合先生が履いていた靴はピンクのロンドンブーツでした。
秋乃先生:私は大学生になってからお仕事させていただきました。
星合先生:その頃、もう秋乃さんは漫画家でしたよね?
岸田先生:秋乃さんは担当がついていらしたのに、それを私たちに言わなかった!(笑)
星合先生:この人なんでもいろんなことを隠してた! 大学の名前も秘密にして(笑)
秋乃先生:そんなことないですよ!
岸田先生:某雑誌の、まんがスクールで佳作か何かに名前が載ってて「あれっ、ここに! なんで言わないの!」みたいな。
秋乃先生:漫研に入ってたので漫画家だと知っている人は知ってましたが。今、「げんしけん」って漫研の生態を描いた漫画がありますが、女子大だったからちょっと違うけど、そんな感じ。
星合先生:世間には、お互いにずいぶん何年も隠してたよね。美容院や何かで職業を聞かれても、違うこと書いて(笑)
秋乃先生:初対面の人に漫画家です、と言うと「ちびまる子ちゃん描いて」とか言われるから。
岸田先生:漫画家あるある(笑)
星合先生:秋乃さんは、自分の漫画も描いてウチにアシに来て、夜中仕事して、徹夜のまま大学に行って学校で寝て(笑)、また仕事場(星合宅)に戻ってくる。すごいなあ、と思ってました(笑)
秋乃先生:若かった。
岸田先生:思い出したんですけど、行く前に、アシスタント料を半分いただいたことがありましたよね? それで私、いただいたその足で服を買いに行った(笑)。それから先生の家に行ったら、「始めにお渡しするのは、万が一に備えてのことなんだから一気に使われちゃ困る」って怒られて…。
星合先生:違う違う、それはお昼に来るはずのふたりが夕方やっと来て、実はブランドもののバーゲンに行ってたっていう…(笑)
岸田先生:ほんと!? ごめんなさい、まったく忘れてます。…あの頃は無責任な若者だったのでございます。
秋乃先生:自分がアシさんを頼むようになって初めて知る、ああ、先生って大変なんだって(笑)
星合先生:でも、そういうのもひっくるめて、若かったから楽しかったよね(笑)
衝撃のデビュー秘話!
星合先生が漫画を描こうと決心されたのはいつ頃ですか?
星合先生:漫画家デビューする、半年前…。
一同:え~~~!
岸田先生:それは…(ゴクリ)?
星合先生:言っちゃいけない気がするんですけど…私、高校が、制服じゃなく私服だったんです。だから高校に毎日違う服を着ていきたくて…。
岸田先生:お、お洋服代が欲しかった!? 確かに先生、昔原稿1枚描き上がるごとに「ブラウス1枚!」「ワンピース1枚!」って…。
星合先生:それは漫画家になってずいぶんたってからの話。
岸田先生:じゃあ、何年もそう思って描いてたってこと…?
星合先生:だって、年齢制限関係なしに漫画賞に出したら賞金が貰えて服が買えるでしょう…。
岸田先生:普通、漫画家になりたい動機は絵が好き、漫画が好きってことですよね。先生はそれまでお好きな漫画はなかったの?
星合先生:大和和紀さんのファンでした。おしゃれで大和さんのものは全部スキ。だから出すとしたらフレンドって。そしたら、下のほうの賞に入って編集部から電話が来て…。
岸田先生:だからって描けるもの? 確かに先生、昔から「なんでそれができるの!?」みたいなことがありましたけれど。すごく具合が悪いのに仕事できるの!?みたいな。
星合先生:私この間、TVの「おしかけスピリチュアル」で、親指のここ(第一関節の部分)が目になってる人は霊力があるって観たんだけど。…私ね、あるんですよ。目が。
一同:(一同、指をチェック。星合先生以外、目はなし)
星合先生:私、幼稚園くらいのとき、その方面の方にスカウトされたって。
秋乃先生:霊能力者みたいな?
岸田先生:そういう星の…生まれ?(絶句)
星合先生:でね、電話で編集部に呼ばれて、渡された賞金をもってそのまま画材屋さんに一緒につれて行かれたの。「これとこれとこれで漫画は描くものですよ」と。
岸田先生:投稿作品は何で描いたんです?
星合先生:ボールペン? 紙はたぶん画用紙。
岸田先生:「漫画入門」とか、雑誌の「漫画の描き方」コーナーなんかも読まなかった?
星合先生:私、取扱説明書とか読むの大嫌いだから(笑)
岸田先生:もともとできちゃうなら、「なぜできないの?」ってみんなのことを思うの?
星合先生:それは思わない。編集さんに「こういうふうにプロットを考えてネームにして、こう描くんですよ」って言われて。何も知らなかったから、「ああ、そうなんですか」と素直に聞けたのかな。なんの抵抗もなかった。今、漫画家をめざす若い方を見ていて、批評されると「でも、自分がやりたいことはそうじゃなく」と、最初から受け入れようとしない人が多いな、とは思います。
岸田先生:先生ってO型でしたっけ? だから?
星合先生:あるがままに受け入れる(笑)
投稿作は恋愛ものだったんです か? 何ページくらいの?
星合先生:32ページくらいで、人が死んで血がいっぱい飛ぶ話(笑)。で、そういうのはだめです、って言われるところから始まった。
岸田先生:じゃあ、担当さんは「この子、投稿作は血みどろだったけど、うまく導けば大丈夫」って思ったのかな。
そんなに熱心な担当さんにつきながら、なぜ雑誌を移ったんですか?
星合先生:…まじめじゃなかったから(笑)
一同:(笑)
星合先生:こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃいけないって言われることが、いっぱいあったのね。たとえば、「主人公はいい子じゃなきゃいけない」とか。でも、私はそうは思わない…と思ってしまって。あと、やっぱり年齢。周りも自分も、まだ全然働く年じゃなかったので、仕事に対する自覚もなく。そんななかでこうじゃなきゃ、こうしなさいっていう打ち合わせを続けることがイヤになっちゃった…。
秋乃先生:出版社を移っても、打ち合わせはありますよね?
星合先生:でも経験済みだと違います。この人だから気があわないのかなと思ってたことが、他社でも同じようなことを言われて、「ああ、言葉は違っても言わんとすることは同じね」って。一番大事なのは、読者にわかってもらえるように描くこと、そのために技術もしっかり磨くべきって。言われてることに気づくのに、何年もかかった。
岸田先生:自分は自分の読者になれないから、人にわかるように描かなきゃいけないって、気づくまで私も時間がかかりました。
秋乃先生:私は、子供の頃に突き放された漫画…行間を読まなきゃいけないような漫画に出会って、「自分で考えなきゃいけない」と思ったことが、自分で描こうと思ったきっかけかもしれないです。
星合先生:秋乃さん、漫画家志望だったの?
秋乃先生:そうですね。何が描きたいっていうよりも、漫画家になりたかった。どんな話を描くかは、あとからついてきた。
星合先生:職業としての憧れ?
秋乃先生:だと思います。こういうことをみんなに言いたいんだ! というパッションはなかった(笑)。先生のお洋服とは違うけど。
星合先生:でもでもでも!だったらなんでバーゲン行って帰ってこないの!?(笑)
岸田先生:勘弁してください…。みんな子供だったんですよ。
秋乃先生:私は当時オタク系で、ファッションにも興味なかったですが、先生たちと出会ってファッションに敏感な人たちもいるんだなあ、と学びました。
岸田先生:要するにバーゲンは私がつれて行ったんです!ごめんなさい(笑)
きれい、は嬉しい。
岸田先生:先生は、美しいものが好きですよね。ハーレクインはもちろん、ほかの漫画にも生かされてる。 ―星合先生は、本当に作品の資料写真を見せていただいても、趣味がいい。ドレスを着てただ佇んでいるだけの写真は世の中に掃いて捨てるほどあるのに、これぞ、という1枚を選んでくる
秋乃先生:審美眼がすごい!眼福っていう言葉がありますが、眼福を幸せに感じられる回路になってるんじゃないですか。
星合先生:それをなかなか漫画にできない…。
岸田先生:先生の漫画を読んだ読者さんの感想って、きらきらしてるとか、華々しいとか、きれい、ですよね。そういう世界は読者さん、見ていて楽しいし愛されると思います。
星合先生:秋乃さんも、着物の柄とかきれいに描けると嬉しい?
秋乃先生:ですね。
星合先生:そうよね、単純に、「きれいに描けたら嬉しい」ってことなんだけど。見たものを、すごくすてき、こんなふうにしたいと思う。でもそれを描くのはなかなか…。もっとこうしたかったのにってことはいつも。
岸田先生:それって、きちんと1本1本大事に、上を見て仕事してるってことですよね。
星合先生:岸田さんだって。ほら、ロマンスが生き甲斐って。
岸田先生:はい、私はロマンス漫画を死ぬまで描き続けます!
星合先生:それがすごい!(笑)
秋乃先生:私はロマンスない(笑)。致命的欠陥(笑)
星合先生:私、ロマンス好きというよりロマンス難しいなと。毎回ぶつかってます。
岸田先生:それはやはり、理想が高いからでは?
星合先生:なのかなあ?
怒濤の質問コーナー
秋乃先生:ところでハーレクインのヒーローのタイプで、こういうのが好き、ってありますか?
星合先生:私どっちかっていうと女の子のほうが好き(笑)
秋乃先生:ヒロインに感情移入できるんだー(羨)
岸田先生:だってヒロインの目を通してヒーローが見えてるわけだから。
星合先生:だからヒロインの気持ちに入れるかどうかは重要よね。ヒーローのタイプはへたれが好き。傲慢でも堅い人でもどこかに可愛げがあって、ヒロインがその可愛げに気づいてくれると、ヒロインの気持ちにすうっと入れる。
岸田先生:ハーレクインをコミック化するときは、ページ数の関係で改変せざるを得ないわけですが、ルールはありますか?それとも原作どおり描くほう?
星合先生:作品全体から端折っていくよりは、何かひとつ描きたいものを決めて、そこに係わらないものを削るほうです。あと自分としては、設定を美化したくない。それをしちゃうとハッピーエンドにたどりつくのが簡単になっちゃうと思って。だってもともとすてきな人だったわけで。美化すると、読んだ人は嫌な思いはしないまでも、漫画としてのハラハラはなくなるかな、と。
好きな原作者さんを教えてください。
星合先生:ハーレクインって言ったらやっぱり…ダイアナ・パーマー、リン・グレアム、ミランダ・リー、デボラ・シモンズ…。
王道ですね!
星合先生:でしょ!あまりにダーリンがひどくてひいてしまう話も多いんですけれど、これすごくいいじゃん!って思ったときのその「よさ」はすごい。
岸田先生:傲慢だった人がだんだん子犬のようになるところがたまらない、とか?
星合先生:私にとっての魅力は、「ここまで貫いた説得力」。ちょっとした誤解を広げていくんじゃなくて、それは無理もないっていうところに仕上げてくる。そのうえで、「どうしても好きだったんだ!」というオチへ向かう説得力はすごいと思っています。
岸田先生:たやすく誤解はとけない。
星合先生:イージーじゃないの
ひと言言えば終わる、とよくハーレクインは言われますが。
星合先生:早く言えよ、みたいな(笑)?
岸田先生:積みかさねられた何かの結果、ひどいことを相手にしてしまった、それでも好きっていう、そこが魅力なんですね。
星合先生:その「好き」ってところまでも、ふたりの努力でやっと来ましたっていう。それはシリアスな感じではダイアナ・パーマーさんとリン・グレアムさんでしか出会ったことがない。ミランダ・リーは明るく軽い話が好き? 徹底的に脳天気でいいですよね。
岸田先生:原作って1作が結構長いから、気に入らなかった場合、それを最後まで読むのって難しいですけど…。
星合先生:私そのへんはマゾだから大丈夫(笑)
最後になりますが、40年間漫画家を続けてこられた秘訣は?
星合先生:たぶん、一番大変だったのは最初の10年。やる気も仕事もそこまで続くのかってことですけれど。10年続けられたのは、若さかな。そこから先は、締め切りがあるから続けざるを得なかった…(笑)。そのあと1度漫画家をやめたときは…(※1)
岸田先生:療養でしょう?おやめになったの?
星合先生:だって仕事も全部ひきあげて、道具もほとんど処分したから。そこから2年はまったく描きませんでした。
秋乃先生:その間にむくむくと「描きたい!」って気持ちは?
星合先生:ん~(悩)。その間はまったく体力的に描けなかった。だから、小説のイラスト(※2)でだんだんと。絵を描くことをそれこそ一から始めて。そしたらやっぱり楽しいなあと思いましたね。
岸田先生:そばにいて、星合先生の活動をずっと見ていて思うのが、具合が悪くてもとにかく気持ちは前向きで、いじけたりひがんだりとか、「私なんか」とか、そんなのいっさいないんですよ。
秋乃先生:そこは本当にすごいと思います。
星合先生:ん、だから単純に絵を描くのが楽しいんですね。1本キレイに線が描けたら嬉しい、気持ちいいっていうのが、もしかしたら続けてこれた秘訣かもしれません。
秋乃先生:ひとつひとつ達成感もあると思いますが、気持ちよさを大事にしてきたということですか?
星合先生:はい。あと同じ仕事をする人が周りにいる、知りあえるって大切だと思います。
岸田先生:漫画描くの楽しいですよね。
星合先生:「ちびまる子描いてください」っていう、その説明からのスタートではなく関係を築いていけるから、やっぱり漫画家であることは楽しいな、と。続けるというより、続いてしまった自分、って気がしますね。
秋乃先生:漫画を描くって、生活に関係ない。そこに40年間もかまけてられる、かまけてこられたって幸せですよね。
ロマンスはつづいてく…
※1:2007年から約2年間お仕事を中断なさっていた。
※2:「仮面の悪魔」小説連載の挿絵をご担当。このお仕事で、漫画家として復帰を果たした。
暗闇の中で自分が誰かすらわからない。けれど一筋の光があれば、心までは暗く塗りつぶされはしない。希望を信じる強いヒロインを、心を込めて描いた作品です。一筋の光とは、きっと愛だと…。ハーレクイン40周年おめでとうございます。
1月3日生/東京都出身/山羊座/O型。デビューは「ジェレミーは誰のもの?」(別冊少女フレンド増刊・講談社刊)。代表作は「ユニコーンの恋人」(秋田書店)、「星合操傑作集全10巻」(宙出版)など。夢の中でも起きていても、素敵な愛の想像に浸っているのが一番のご馳走です。
「王家の定め」「シークの最後の賭」に続く、「砂漠の国で恋に落ちて」シリーズ3作目。学友4人組のひとりカダールがヒーローのお話です。「シークの最後の賭」から3年後のエキゾチックなトルコが舞台。過去と現在が交差する恋の旅、楽しんでいただけましたら幸いです!
1月26日生/北海道出身/水瓶座/O型。デビュー作は『片想いをどうぞ』(別冊マーガレット/集英社)。趣味は、洋裁・カラオケ。ロマンチックで読むとHappyな気分になれる、そんな作品をお届けしたいです。
ハーレクイン・ロマンス40周年おめでとうございます。「七年目の誘惑」はハーレクインコミックにはまってから小説も読んでみようと思い立ち、その時に読んだ中の一冊でした。そして、とても面白いのにコミック化されていないことに気づき担当さんにモーレツアピール!! そして、めでたく描かせていただけることになった作品です。原作ファンも多い作品なので緊張しながら描きましたがこうして40周年の一本に選んでいただきとても嬉しいです。(*^-^*)
HQにどっぷりはまってHQデビューさせていただきました。最初は少女まんがとの描き方の違いにいろいろびっくりしましたが、HQ愛を胸に皆様にお楽しみいただけたらと思っています。
HQ40周年、おめでとうございます。この作品を目にとめてくださりありがとうございます。この作品は私のハーレクイン3作目の作品となります。小説のヒーロー&ヒロインのイメージに合うことを願いつつ描きました。内容につきましはページ数の都合上、原作をかなりアレンジ・カットしておりますので、原作小説とあわせて楽しんでいただけたら嬉しいです。
デビュー作 は『IMAGINE』 芳文社。描いたことのあるジャンルはBL・TL・GL・Ladys・HQ。好きなものは美形・海外ドラマ。特撮(特にヒーローもの)。ベジタリアンで動物が好き。
この「愛ゆえに」が私の初ハーレクインでした。いきなりの155ページ、いきなりの血飛沫で、ロマンスから遠ざかる展開に「さちみさんは血沸き肉踊るハーレで!」と励まされ…。あれから12年、まさかこんなに自分がハーレクインの世界にハマろうとは! ヘターレな私を読者様がこんなに暖かく受け入れてくださろうとは…。大人になった少女達の少女漫画ハーレクイン、ずっと描き続けたいです。40周年おめでとうございます!
4月9日生/和歌山県/牡羊座/O型。小学館『ちゃお』にて「日だまりの階段」でデビュー。代表作は「夢やしきへようこそ」「銀のヴァルキュリアス」。趣味は、読書と赤子ウォッチング♪ ハーレクイン描く楽しさにドンドンハマっています。マイブームはハーレクイン漫画化かも。
私にとって4作目のハーレクイン作品で、初めての傲慢ヒーロー物です。でもハーレクインの傲慢ヒーローは、わがままでオレ様なただの嫌な男ではなく、その裏に必ず愛があります。愛ゆえの強引さであり、それは弱さの裏返しでもあります。弱くて傷付きやすく、またそういう自分に苛立っているのです。そう考えると、このヒーローも急に愛おしくなってきたのでした。これは、そんなヒーローの愛の物語です。
8月10日生/神奈川県出身/獅子座/B型。デビュー作は『Season』(集英社『ぶ~ け』)。猫2匹&犬1匹と海沿いの街で暮らしています。ハーレクインには、子供の頃に大好きだった少女漫画と通じるものを感じ、原点に返った気持ちで執筆 しています。
Q:原作を読んだときの感想は?
長崎(N):古風なお話だと思ったら、けっこう古い作品でした。イギリス的な世界観ですね。ヒストリカルだったら、少し華やかになったかな…。
Q:漫画で苦労された点、アピールポイントは?
N:不満があっても両親には歯向かわない、ひたすら我慢の令嬢ヒロインを、感情的に自立させる必要がありました。包容力半端ない常に冷静なヒーローにも、ちょっと激しい面を持たせて…。メリハリですね。原作とはひと味違う設定とキャラの性格を楽しんでいただけたらと思います。
4月10日生/大阪府出身/牡羊座/B型。「熱くなるまで待って」でデビュー。代表作は「大阪ベイブルース」と「パンドラ」シリーズ。サスペンスを好む。趣味は映画、着物、睡眠、宇宙、特撮(特にヒーローもの)。ベジタリアンで動物が好き。
≪シェルダーナ王国シリーズ≫は、3つ子の兄弟というのは初めての設定でした。兄弟ものでも3つ子となると、年の違う兄弟よりは他のふたりに対してコンプレックスがさらに強くなるのかなと思い、それを意識して3人の性格設定を考えました。本作の次男ニックは、これまで自分の立場より夢を追いかけることを優先して生きてきて、でもそれを負い目にも感じています。兄弟それぞれの生き方と愛する人への想いを感じてもらえたらうれしいです。
6月8日生/兵庫県出身/双子座/A型。デビューは「天上の庭」(ミステリーボニータ・秋田書店刊)。代表作は「Nobleなペテン師」(秋田書店)、「ロイヤルウエディングシリーズ」(宙出版)など。大学在学中に一念発起、中退して働きながら投稿生活に。趣味は、読書、TV・美術鑑賞。
私はけっこう原作通りに描く方なのですが、このお話のヒロインがあまりにも不幸すぎて描いてて辛かったです。リアルに考えたら絶対に許せないヒーローを魅力的に描くのにいつも苦労しています。何されても許せるセクシーな男性キャラって本当に難しいです。まだまだ未熟者ですみません。これからも頑張ります!
3月24日生/愛知県出身/お羊座/O型。少年誌でデビューしましたが、ホラー、TL、コメディー、4コマまで、なんでも描いてます。いつも、ハーレクインを読むたびに乙女の気持ちになれました。今は描く方として、私もそのお手伝いができたら幸いです。
ハーレクインの作品群は、私が作品を描くにあたって守りたいことと共通点がいくつもあります。頑張っている主人公が報われること、人と人との心のつながり、そして鉄則の「ハッピーエンド」です。読み終わって本を閉じて現実世界に戻ったときに、世界がちょっと優しく見えるような、自分もちょっと優しくなれるような、そんなふうに本を閉じてもらえることができたらと思いつつ、日夜原稿と楽しくも厳しく格闘しています!
4月19日生、兵庫県出身。デビュー作は、ヤングジャンプ(集英社)『緑の記憶』。最近ミシンを買って洋裁をはじめました。家庭科の成績はアレでしたが、本気を出せばなんとかなると信じています。