＜あらすじ＞第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞!!男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは…!?

＜書店員のおすすめコメント＞江戸時代に男児が死ぬ奇病が流行り、男子人口が女の1/4になってしまった世界で、男女が逆転してしまった大奥を描く名作。男性ばかりの大奥で繰り広げられる嫉妬や出世、将軍と正妻や側室との愛憎関係など見どころたくさん。 フィクションと史実をうまく交えることで、本当に男女が逆転していたのかも？と思える説得力がある。月代のあるマゲ頭でも美しく、色気のある姿は見事。

（S.S／30代／女）

＜あらすじ＞料理上手で几帳面・倹約家な弁護士・筧史朗（通称・シロさん）と、美容師・矢吹賢二（通称・ケンジ）のカップルが2LDKのアパートで暮らす毎日を、様々なレシピとともに展開していく物語。鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのことがんもとこんにゃくの煮物、栗ごはん、トマトとツナのぶっかけそうめんetc.……キャッチフレーズは「2LDK　男2人暮らし　食費、月3万円也。－ちょっと増えました－

＜書店員のおすすめコメント＞料理上手な弁護士シロさんと同棲相手・美容師ケンジの「おうちごはん」を切り口に展開する物語。登場する料理は、味はもちろんのこと、余った食材を使い切ることまで考えられている実用的なレシピばかりです。手間をかけて食事を作るシロさんに、ケンジは感謝の言葉を忘れない（ホント、料理する人冥利に尽きる言葉ばかり）。ゲイだとかは関係なく他人と長く暮らしていくには思いやりの積み重ねしかないんだなぁ……。魅力的な二人のキャラクターとおいしいごはん……ぜひ実写版で見てみたい！！

（C.M／30代／女）

＜あらすじ＞住宅街で、深夜にひっそりと営業する洋菓子店『アンティーク』。そこで働く無精ひげのオーナー・橘（たちばな）と天才パティシエの小野（おの）にはある過去があった。それは、高校時代、告白してきた小野を橘がこっぴどく振ったということ。しかも『魔性のゲイ』に成長した小野に再び迫られて…?　　『アンティーク』を舞台に巻き起こる人間模様を鮮やかに切り取った、よしながふみの珠玉のレシピ！

＜書店員のおすすめコメント＞それぞれ秘密やトラウマを抱えている4人が織りなす、洋菓子店『アンティーク』での日々。店を訪れる様々な人達をめぐるストーリーも、どこか自分の人生と重ね合わせてしまう……よしながふみの描く人物像の普遍的な魅力は、さすがとしか言いようがありません。そして、どんなに大きな悩みや後ろ暗い過去があっても、おいしいスイーツを前にした瞬間、みな平等に幸せになる！これは真理です。

（C.M／30代／女）

＜あらすじ＞法学部三年の田宮が、純粋な学問への興味から選んだゼミは超楽勝ゼミで知られる通称・龍三研究会（たつさぶゼミ）！ 田宮以外は、付属高校出身のお気楽な金持ち連中ばかりの中で、ひと際ケーハクそうな代議士の息子・藤堂に、ほのかな友情を抱き始める田宮。一方、藤堂は田宮に自分と同じゲイの匂いを感じているのだが…。良家の子女が集う名門大学を舞台に繰り広げられる、一風変わったキャンパス・ラブ・ストーリー！

＜書店員のおすすめコメント＞舞台は、「付属高校出身」の【超】金持ちグループの中で、ひと際目立つ代議士の息子・藤堂と、「外部進学組」の真面目かつ優秀な田宮を取り巻く法学部キャンパス。「親の金と力」に寄りかかって生きている「付属高校出身」組の描写が非常にリアリティを感じさせる一方、平凡な「大学生あるある」も共感させてくれる、このバランス加減が秀逸。 …という日常生活と連動して二人の恋の模様が心地よく進行していく中では、藤堂の際立つエロさにも注目です。BL作品には珍しく「寺田さん」という才色兼備な女性キャラの人気が高い点もポイント。

（ひょっこりはん／20代／女）

＜あらすじ＞革命期フランスの動乱の中、名門貴族に仕える切れ者執事・クロードと、贅沢に慣れきった美しい主人・アントワーヌの甘く密やかな恋愛劇。身分違いの、それ故に熱く切ない二人のロマンス。

＜書店員のおすすめコメント＞フランス革命の少し前の時代、売春宿の孤児を教育してみたら、すごーくデキる執事ができました。放蕩貴族を絵に描いたようなぼっちゃまは、母上の呪いか男性しか愛せない。イジをはっていたら、革命が起こり何だかんだで想いを打ち明け、2人は幸せにくらしましたとさ。 キッチリ執事×甘ったれ坊ちゃまの意地のはり合いがたまらないんです。坊ちゃまあまり勉強できるほうではないので執事の手のひらで踊りまくり。執事の愛が献身的かつ不変的なので、安心して浸れる1品です。

（S.S／30代／女）

＜あらすじ＞フランス革命前夜のパリを舞台に、没落貴族の少年ジャックと、三文小説家の平民ジェラールの「一度目は街娼、二度目は息子、三度目は恋人」の如き愛の変遷を描く、大河歴史ロマン。

＜書店員のおすすめコメント＞隻眼男色作家×落ちぶれて売られた貴族の少年。フランス革命の数年前。少年は作家の家に下男として雇われ、純真なので、自慰もしらぬまま成長し思いが爆発してついに想いを遂げます。風刺作家だったので、兵隊に追われたりとドラマティックなストーリーです。成長後のジャック少年は20歳くらいなんですが、誰からも性処理を教わらなかったらしく、反応が純真で可愛らしい。『執事の分際』と同じ時代設定なので、是非合わせて読んでください！

（S.S／30代／女）

＜あらすじ＞ソルフェージュとは音楽家の基礎教育。読譜・聴音…付け焼刃では効かない、本物への険しい道を目指す少年・吾妻と、彼の登場で教師として目覚める青年・久我山。表題シリーズ5章＋読み切り4本を収録。

＜書店員のおすすめコメント＞小学校で音楽・合唱を教えているゲイの教師・久我山と、音楽学校を目指す吾妻。久我山は、音楽学校教師の使命を果たすべく、音を聞いて楽譜に書き取る聴音などの「ソルフェージュ」の指導をするなかで、芽生える愛と飢える愛。どちらも苦しく、そしてせつなく描かれています。「音楽教師が元生徒と恋に落ちる」なんて、ありきたりな言葉では到底表現できない「よしながふみワールド」。ぜひ天才の世界観をご堪能ください。

（ひょっこりはん／20代／女）

＜あらすじ＞よしながふみが贈る珠玉の短編集！毒舌家の青年医師、甘えんぼのプー太郎、性欲満開のお坊ちゃま、美貌のセクサロイド……など、いいオトコ盛りだくさん!!傑作ロマンティック＆エロティック・ラブ・ストーリーズ５編。

＜書店員のおすすめコメント＞BLから一般作まで幅広く取り入れたこの一冊。ダメダメな男を面倒をみてしまう男の話や、アンドロイドや世界に2人しかいなくなってしまった世界など、様々な世界観の作品が楽しめます！特に私が好きな短編が『ピアニスト』。一時は天才と称されたが、堕落してしまったピアニストが自分に向き合うまでの話なのですが…。よしながふみ先生の描く人間像の愛しいこと…。最後にはほっとできるような1冊。良質な読み切りが読みたいときにおすすめです！

（やました／20代／女）

＜あらすじ＞白血病治療のため、1年1ヶ月遅れで高1になった春太郎。オカマにしか見えない教師や優しいぽっちゃり少年などのバラエティ豊かな人々に囲まれ、どこにでもあるようでどこにもない学園生活が始まる！

＜書店員のおすすめコメント＞白血病を完治させて1年とひと月遅れで入学してきた主人公、花園くんと三国くんの友情をメインに、様々な人間模様がオムニバス形式で描かれるこの作品。賑やかな作品ではありますが、人間らしい葛藤もあり、とっても胸に刺さります。また登場人物がみんなとってもいい子で…！読んでいてあたたかい気持ちになれます。 私はこの作品を読むと必ず自分の学生時代を思い出します。仲がよかった友達と些細なことで気まずくなったり、ちょっとした共感がずっと忘れられないくらい嬉しかったり…、そんな学生時代の空気が胸に広がる作品です。名作です！

（やました／20代／女）

＜あらすじ＞現代の日本と中世の異国。遠く離れた二つの舞台で「家族」をテーマに描いた、よしながふみの傑作短編集。

＜書店員のおすすめコメント＞母親を亡くした中学生の息子と、男で一つで息子を育てる父親を取り巻く人間模様を描いた前半と、異国を舞台にした1話完結の4篇が収録された1冊。特に『こどもの体温』は、学生の頃に読んでやけに記憶に残っているのを覚えています。中学生の息子から、「クラスの子を妊娠させたかもしれない」と報告をうけ、ひとしきり叱った後に彼女に付き添って産婦人科に…。ただ道を歩いてるシーン一つとっても、空気感がリアルです。どの話も日常を切り取ったような、それでいて感動できる。ここで綴られるようなことがが積み重なって人生になっていくんだな、と思わせられます。何度も読み返した1冊。

（やました／20代／女）

＜あらすじ＞こんなに食べてすいません……!!美味しい料理に群がるちょっとヘンテコな愛すべき面々の食欲全開ライフを描いた、よしながふみの初グルメ・ショートショート。「エロティクスF」連載当初から「夜中に読むと空腹が刺激されて危険…」と話題を読んだ人気シリーズ全13話に加え、描きおろし２話収録、よしながふみオススメの東京うまい店ガイド＆MAPつきの豪華版。この本片手に紹介されたお店をたずねるもよし、読んでも見ても楽しい１冊です。

＜書店員のおすすめコメント＞漫画家の“Yなが”と、アシスタントの“S原”が実際のお店で美味しい料理をたらふく食べるグルメコミックです！登場するお店はどこも本当に魅力的！実際に食べに行った方も多いのではないでしょうか？ （ちなみに中野のイタリアンと池袋の飲茶のお店は実際に食べに行きました…べらぼうに美味しかったです！） こちらのコミック、グルメ要素以外にも注目して頂きたいのが、とっても個性的で微妙な伏字の登場人物のやりとり！ 彼らのモデルは本人なのか、フィクションなのか!?…とっても気になります！（是非実在していてほしい！） 個人的に＃14に登場するマンガ家のY田さんがやま●な●とさんだと確信しているのですが、皆様いかがでしょうか？

（きくえもん／30代／女）