＜あらすじ＞合唱祭前の音楽の授業中、メガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた同級生の草壁光。佐条は歌なんかくだらないからと思っていたが、ある日の放課後、誰もいない教室でひたむきに歌の練習をする佐条の後ろ姿をみて思わず声をかける…。思春期に揺れる少年たちのスローテンポな恋とじれったくもあまずっぱいドキドキした気持ちを丁寧に描いた、さわやか系ピュア・ラブストーリー！

＜書店員のおすすめコメント＞二人で時間を共有しているうちに、ままならない感情に振り回され、落ちるつもりじゃなかった恋に落ちていく。全く似ていない、違うジャンルの二人が少しずつお互いの「ズレ」を埋めながら、淡い恋心を濃いものに変えていく――いや～～～～～最高です！超王道、だからこそ物語の魅せ方普通の日常を生きる二人のBLです！高校生の二人は自分自身の進路とか感情とか、それだけでいっぱいいっぱいで、それでも何度も相手のために自分の殻を割って手を伸ばすのを目の当たりにすると――とにかく幸せになってくれ頼む～～～！としか思えないのです…！

(合掌/20代)

＜あらすじ＞原学、37歳、男子校教師、独身、「生徒には絶対手を出さない」というポリシーを持つ男。３年間の片想いから脱するために訪れたゲイの集まるクラブで若い男に出会う。後に彼は、原が勤める学校の新入生、ソラノだと分かり…??不器用なオトナ、永遠のアテ馬と呼ばれる原先生に春は来るか!?

＜書店員のおすすめコメント＞佐条と草壁の二人の恋のキューピッドに不本意ながらなってしまったハラセンに染み付いているクセ…「相手の幸せのために自分の身を引く」。そんなハラセンの前に現れた天真爛漫、と呼ぶにはあまりにクセがある生徒・空乃と、だいぶ恋に不器用になってしまったハラセンとのあいだに恋は実るのか――！ハラセンにも幸せになってほしいと思いつつ、個人的に大好きなのが、高校時代のハラセンが思いを寄せていた相手であり、今は同僚となった有坂先生です…枯れた色香と、優しいお顔に背負った影が見え隠れする――ナイスおじさん…！ 中村先生が描く大人の、誠実だからこそどこかカッコ悪いところまで隠せない姿はとにかく素晴らしい…！

(合掌/20代)

＜あらすじ＞『同級生』『卒業生』の草壁と佐条、『空と原』のハラセンとソラノ、その他、コマっちゃんや有坂＆響など、〈同級生シリーズ〉を彩る魅力的なキャラたちの“その後”を描いた待望の続編『O.B.』が、2冊同時で堂々の完結!!描き下ろし短編【ガールズトーク】収録

＜書店員のおすすめコメント＞「同級生」シリーズ、そして「空と原」で描かれた、草壁と佐条、ハラセンとソラノ、有坂先生と響くん。この３組のカップルの「それまで」や「それから」が描かれるのがこちらの短編集です。シリーズの登場人物たちにさらなる魅力や厚みを持たせてくれて、ひとつのエピソードを読み終わるたびに最高に幸福な溜息が出るのです…。

(合掌/20代)

＜あらすじ＞マリリン・モンローになりたかった少年Ｊの物語・ギムナジウム編。父と母を失い、寄宿舎学校で新たな日々を歩み始めたＪだったが、運命の人・ポールとの出逢いが彼の人生を変えてゆく…。真実の愛と自分の姿を求め、彷徨う魂の物語。新鋭の描くBOYMEETSBOYSTORY！

＜書店員のおすすめコメント＞Jはマリリン・モンローになりたかったトランスジェンダーの少年。Jは幼い頃に父親に犯され、母親にその父親を目の前で殺され…という過去から描かれる、非常に重たい作品で、かなり読みごたえがあります。Jは自分の性を女性として生きていくのですが、それに対する理解や同情、様々感情が渦巻きます。誰にも自分を決め付けられずに生きていくことを望み、それが叶わず何度も苦悩する姿は痛ましいのですが、それでも貪欲に自分の生き方を貫くJから目が離せなくなりました。上巻に出てくるポールという優等生のキャラクターは、Jを否定し、型にはめたがるのですが、心の底ではJに惹かれている様が描かれます。Jの気持ちもポールの気持ちもなんとなくわかるからこそ、自分や他人の在り方を再度問われるような作品だと感じました。

(やました/20代)

＜あらすじ＞「わ…わいせつ罪で訴えてやる！」堅物メガネ美人刑事・高千穂巧は、一年間追い続けたイケメンたらし犯・七海洋一をついに離島で逮捕した！このまま手錠に繋いで本庁に連行するはずが、なぜか「蜜月旅行（ハネムーン）」（七海談）になっちゃって!?大幅描き下ろし!!ちょ～受難BLラブコメ決定版!!!犯人×刑事。ぶらり離島逮捕の旅

＜書店員のおすすめコメント＞表題作を含む3編を収録。眼鏡で堅物で美人な刑事、高千穂巧が1年間必死に追いかけ続けた犯人・七海洋一をついに逮捕できた…と思いきや！？あんな手やこんな手であれよという間に服を脱がされ…♥なラブコメ。時に無人島で二人っきりの時間を過ごしたり、手錠でつながれたままになったり…高千穂さん、どうみても七海が好きなのに堅物だから素直になれず、でも体は正直で…！みたいなところがとってもかわいくて楽しく読める1冊です♪ここぞという時のBL的重要ポイントを絶対に外さない所が最高なんですよね。この二人に萌えたぞ！！っていう方は『奈落何処絵巻（通常版）あなたのためならどこまでも　平安調スペシャル』もぜひ読んでみてくださいね！

(やました/20代)

＜あらすじ＞マジメで堅物な都の役人、左近衛将曹・高千穂巧（たかいちほのたくみ）は自分をクドきまくるお騒がせ、エセ陰陽師・七海洋一（ななつみのひろかず）を放っておけず、妖（あやかし）絡みの事件に、首を突っ込むハメになってしまった！ところがスケベな七海は、スキあらばムフフな状況に持ち込もうとして★

＜書店員のおすすめコメント＞美人刑事×イケメンたらし犯だった二人の先祖か前世か…何でも屋陰陽師・七海洋一×堅物役人・高千穂巧の二人が送る平安パロ的な作品です！化け猫（猫耳…しっぽ責め…）や妖、複数プレイなどなど…少し不思議なことが起こる平安時代をギャグと萌えたっぷりで描く1冊。あの二人のいろいろなイチャイチャが読みたい人にはうってつけの作品です♪1話完結の話が数本入っているので、ライトに萌えたい、可愛めのBLが読みたい方におすすめ。明るく自由なBLをぜひお楽しみください♪

(やました/20代)

＜あらすじ＞仮面の下に美しき素顔を隠したピエロ・トリノス。孤高のジャグラー・レオ。少年買いの外交官・オオナギ。トリノスに惹かれてゆく青年・ミシェル…。70年代パリのサーカスを舞台に、そこに集う人々の生き様を官能的タッチで描き出す、エロティック・ストーリー。耽美の極み、官能の坩堝…サーカスに生きる美しき男たちの物語。

＜書店員のおすすめコメント＞トリノスはサーカスで生きるピエロ。嫌々団長に抱かれ、男の客を取らされ…と過酷な運命の中で生きていきます。サーカスの公演中に事故で亡くした弟の幻覚にとらわれるなど上巻はひたすらにつらいシーンが多いのですが、下巻からはまた違った雰囲気の展開に。上下巻一気に読むことをお勧めします。特に下巻は、トリノスの人間らしい部分も描かれ、どんどん物語に引き込まれていきます。グロテスクともいえるような表現と、詩的な文章でサーカスに生きる悲しい人々を描くこの作品は、慎重にページをめくってしまうような緊張感があります。中村明日美子先生の世界観が一際濃く出ている作品なので、耽美と官能に浸りたい方はぜひご一読をおすすめします。

(やました/20代)

＜あらすじ＞義理の兄弟、禁断の愛と確執を描いた衝撃作。『薫りの継承　上』比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。竹蔵は兄に欲情していた。ある晩、竹蔵は正体を偽って兄の寝室に忍んだ。義姉の香水を身につけ、兄の目を覆い隠す。そして、己の欲望の猛るままに兄の体を貫いた……。／『薫りの継承　下』兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。あれから何度も何度も交わっている。兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。義理の兄である忍との関係を、露ほども疑っていない義姉から女性を紹介される。竹蔵は彼女に対しすげない態度を取ってしまい、そして……。その晩の出来事は、兄弟の運命を大きく変えてゆくのだった。

＜書店員のおすすめコメント＞跡取りで子供もいる兄と、連れ子で家を出た弟。兄は弟に対して冷たく突き放した態度で険悪な関係が続いていたが、弟は兄に対して好意をいただいており、ませた兄の息子は弟に禁断の関係の手引きを持ちかける。2人の情事は目隠しをしている時だけ、外せば元の関係に戻る秘密の関係。兄弟の情事を当然の権利として見学する息子。SEXシーンは官能的で2人の関係性を含め読むだけで見てはいけないものを見ているドキドキ感があります。

(S.S/30代)

＜あらすじ＞『女を殺した――』電話の向こうから聞こえてきた高飛車な声は、高校時代の同級生・市川光央だった。同じ名前を持つ男・壱河光夫の胸中に、かつての隠微な記憶が蘇る。忘れていた過去が、再び光夫を熱情の中に引き戻す。共犯者として再会を果たした二人の主従関係は、少しずつ新しい形へと姿を変えてゆく……。

＜書店員のおすすめコメント＞学生時代に初めて読んだ中村明日美子先生の作品がこの1冊でした。同姓同名、ふたりの「いちかわみつお」。高校の同級生だったある日殺人事件の共犯者になり…。高校時代虐められていた過去を持ちながらも、みつおに執着してしまうミツオと、マウントを取っているようで、どこかミツオを手放せないみつお。読めば読むほど引き込まれる、変化していく二人の関係に夢中になりました…。暴力表現の残酷さ、凄惨さは苦手な方には要注意ですが、ＳＭ的な要素と共に恋や愛情の様なものとは別のところで繋がっている二人を描く上での重要なスパイスになっています。片側だけでは不完全で、二人が揃ってはじめて一つの魂なのだと、心酔しきる姿はいっそ清々しいとさえ感じます。クライマックスの数ページで本当に好きな作品になりました。マイベスト中村明日美子作品です！

(やました/20代)

＜あらすじ＞卒業式で告白されて５年。飲み会で再会したアイツの薬指には指輪があった。「てかお前、俺のこと好きとか言ってなかったっけ」俺の言葉にアイツの表情は揺らぎ……。心が震えるほどの感動と痛み、青春の輝きと影を描いた、十代の恋にまつわる６編のオムニバス。

＜書店員のおすすめコメント＞制服を着ている時間は、一瞬だ。その一瞬の時間の濃密さと、制服の時代の少年たちのあやうさと、その相乗効果が素晴らしい、心がしんどくなるくらいにつらくて美しくて最高な短編集です…！　せつなさとエロスとあたたかさ、BLのすべてがここにとじこめられているのでは…？　必読です。

(合掌/20代)

＜あらすじ＞車内、駅前、駅構内、情景模型───…鉄道周辺のあれこれを舞台に展開する5本の作品を中心にwebにて発表した短編1本＆描きおろし10Pを含めた作品集。カラーイラストもカバー他描きおろし多数。

＜書店員のおすすめコメント＞1巻にあたる『鉄道少女漫画』は7つ短編集で構成されています。男女のいざこざや百合など幅広く、読むとスッキリまたはじんわりする読後感のよい話ばかりです。 その中の『木曜日のサバラン』に登場するセーラー服少女が主役のストーリーが2巻以降の『君曜日』。 『君曜日』はセーラー服のアコちゃんの初恋物語とでもいいましょうか、中学生らしい甘酸っぱく、キュンキュンするストーリです。

(S.S/30代)

＜あらすじ＞中村明日美子初のサイコ・サスペンス、戦慄の第１巻！謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。そして事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間を蠢く謎は深まるばかり――。顔のない死体とひとつの小説をめぐる、謎の物語。★描きおろしイラストストーリー収録

＜書店員のおすすめコメント＞小説家の元に女性の死亡の知らせの電話がかかり、遺体確認の現場で双子の妹を名乗る美しい女性が現れる。死んだ女性もその妹も正体は不明。警察は双子の姉妹の正体をさぐる。スランプの小説家は双子の死んだ女性が残した小説を盗作し、自分の作品として発表。双子の正体は一体!?複雑に絡み合うストーリーは必見。映画を見たような感覚の上質ミステリーです。

(S.S/30代)