遠藤達哉先生の全4作品を掲載!
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遠藤達哉の原点がここに
【掲載誌】「週刊少年ジャンプ」ほか
【あらすじ】
暗く荒んだ砂の大地で賞金稼ぎになると決めた少女は!? 本当の強さの意味を知る物語「西部遊戯」等、己の信じる道を突き進む少女たちの生き様は、力強く美しい。珠玉の読切4作品を収録した待望の短編集登場!! 【収録作品】西部遊戯/月華美刃/WITCH CRAZE/PMG-0
【書店員のおすすめコメント】
20年。もう20年である。遠藤達哉と私が初めて出会ったのは、本短編集に掲載されている『月華美刃』を週刊少年ジャンプの読切で読んだことがきっかけ。改めて読みなおして掲載年度をみたら2000年。20年が経とうとしている。圧倒的な画力とハイセンスな世界観、どこを切ってもど真ん中の王道を貫く作風に、この作家は絶対くるぞ! と、当時の私は大いに期待したのです。しかし、全然こなかった。王道はそれゆえに競争が激しいのか、逆にひねりがなく退屈なのか、勝手に悶々として過ごした。それでも、自分の数少ない好きな作家として、連載・読み切りはかかさず読んでいた。
作品の発表周期が年々遅くなるごとに一抹の不安を抱え、軽く諦めていた矢先、2019年『SPY×FAMILY』がヒット。膝から崩れ落ちた。嬉しいを通りこして、ただただ震えた。ここまでの年月の重さを妄想でドラマにし、諦めなければいつか報われるという月並みの表現を魂レベルで理解ができた。
そんな1作家ファンとして言えることは、どうか他の作品も知って欲しいということだけです。
この短編集は、その後続く作品たちの「魅力の原点」が詰まっております。他の作品で作家を気に入った方はこちらを読んでも損はありません。初期作にしてこの完成度
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暗殺少女の苦悩を描く悲しくも勇気あふれる作品
【掲載誌】「ジャンプSQ.」
【あらすじ】
事件が絶えぬ街ニューヨークシティ。この街で“シスターミリティア”と呼ばれる暗殺者がいた。姿を晒さず標的を仕留めるその正体は、悲運な宿命を背負う一人の少女。彼女は銃弾を放つ、贖罪の祈りを捧げながら…。
【書店員のおすすめコメント】
2巻完結と短いながらも一本の映画みたいな読後感を与える内容になっております。
犯罪が横行するニューヨークシティを舞台に暗殺を生業とする少女の物語。平素は普通の少女「ティスタ」として過ごしているが、依頼があれば死神「シスターミリティア」として街にはびこる悪人どもを暗殺していくという内容。普段の生活で出会う人々とのふれあいと、闇社会で罪を犯していることへの苦悩と葛藤、その喜怒哀楽を丁寧に描いていてひきこまれます。全体的にシリアスで暗い内容なのですが、圧巻の銃撃アクションや、町並みの描きこまれた背景などは、物語とよくマッチしています。暗殺しかない、彼女に救いはあるのか?最後まで一直線にきれいにまとまって読み応え抜群の内容になっております。痛々しいまでの心理描写
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竹取物語をモチーフに月の命運を背負った少女の物語
【掲載誌】「ジャンプSQ.」
【あらすじ】
月の統治者・銀后の娘として育てられた竹之内カグヤ。厳しい稽古事を抜け出し、我が侭し放題のカグヤだが、皇太子に元服する日が迫っていた! そんな中、銀后であり母のフジヤが突然の病で倒れて!?
【書店員のおすすめコメント】
短編集にもあった『月華美刃』が装いも新たに再登場した作品。
竹取物語を題材としているので日本は平安時代のようだが、月では宇宙船とか機関銃とかハイテクになっているという、ファンタジー兼近未来SFでもある内容となっております。
ストーリーとしては、月の世界で皇女だった主人公カグヤが、成女の儀(成人式のようなもの)の式典中に敵対勢力である分家のクーデターにあう。母でもある時の女王から皇位の象徴である宝剣を託され、地球へと落ち延びていくという流れ。心身ともに未熟だったカグヤが、月からの刺客と戦ったり、地球では貴族社会の圧政に苦しむ民との交流を通して成長していく姿は、胸アツな王道少年マンガそのもの。一方で、描きこまれた細かな衣服や装飾と「いとウザし」などの言葉選びがハイセンスで、王道ながらも作家らしさが垣間見え、他にはない唯一無二の感性をビンビンに感じます。SF和風バトル的な作品をお探しの方は是非おすすめします。試練を乗り越え成長していくカグヤ
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アクション、ギャグ、ホームドラマが見事に一体となった快作
- このマンガがすごい!2020オトコ編1位
- 次にくるマンガ大賞Webマンガ部門1位
【掲載誌】「少年ジャンプ+」
【あらすじ】
名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
【書店員のおすすめコメント】
2019年各賞を受賞し、今一番アツイんじゃないかという本作。
スパイ(父)✕殺し屋(母)✕超能力者(娘)の3人が、それぞれの目的をもとに擬似家族を演じるという話。ホームドラマでありながら裏でスパイ活動を演じている内容はまるで、これまで魅せてきた『TISTA』の暗躍アクション、『月華美刃』の母と娘の家族の絆、それらを更に磨き上げ昇華した内容となっております。随所に散りばめられたギャグも良いエッセンス。スパイの父、暗殺者の母、裏社会で生きる両親の間で娘のアーニャが、まるで二人の救いになっているよう。子はかすがいとはよく言ったものです。別々の目的で集まった3人が「家族」をどうつくっていくのか? 2020年も、ますます目が離せない作品です。それぞれの目的のもと家族をつくっていく
【ご注意事項】
- ※本ページに掲載している連載中作品の巻数は、2020年3月時点のものです。
1980年茨城県生まれ。「週刊少年ジャンプ」主催のストーリーキング第5回マンガ部門にて準キングを受賞。同作「西部遊戯 」が赤マルジャンプにて掲載されデビュー。数作の読み切りを週刊少年ジャンプに掲載後、2007年「ジャンプSQ」で『TISTA』を連載開始。続く『月華美刃』を同誌で連載するも2012年に完結。その後長らく連載がなかったが、2019年3月『SPY×FAMILY』を「ジャンプ+」にて開始し、100万部を超える大ヒットを記録。「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門で1位、「このマンガがすごい!」2020オトコ編で1位など、数々の賞を受賞し今一番アツイ作家である。
(書店員:六文銭/30代/男性)