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『永井豪のヴィンテージ漫画館』リリース記念 作者自らが明かす作品誕生秘話
石ノ森章太郎先生のアシスタントを経て、1967年漫画家デビューし、2017年、画業50周年を迎えた永井豪先生。漫画家になろうと思ったきっかけや『ハレンチ学園』『オモライくん』『けっこう仮面』などのギャグ漫画、『デビルマン』『マジンガーZ』『キューティーハニー』など現在でも多くのフォロワーを生み続けている作品、アントニオ猪木氏との交流、自らがプロデュースした2人のプロレスラー、ビッグバン・ベイダー、獣神サンダーライガーのデビューに至るまでの過程を明かした『永井豪のヴィンテージ漫画館』をいよいよ12月29日リリースいたします。本書に収録された作者コメントを抜粋しながら、永井先生の作品をご紹介いたします。

作品制作の舞台裏を作者自らが明かす!!
本邦初公開となる描き下ろしイラスト&インタビュー収録

漫画家になったいきさつや作品にまつわるエピソードを漫画家本人が明かす!!
永井豪のヴィンテージ漫画館
永井豪のヴィンテージ漫画館
2017年、画業50周年を迎えた永井豪。生み出してきた作品数は180作品を超えます(雑誌連載、雑誌読み切り、描き下ろし単行本を含む)。そんな50年の歩みを振り返ったのが本書です。デビュー間もないころの『目明しポリ吉』『夕日の剣マン』などの初期作品から『ハレンチ学園』『あばしり一家』『デビルマン』『マジンガーZ』『バイオレンスジャック』『キューティーハニー』などの代表作、自身が大好きだという格闘技への思い入れ、現在「ビッグコミック」(小学館刊)で連載中の最新作『デビルマンサーガ』へのコメントまで、作者本人による作品紹介、本邦初公開となる描き下ろしイラスト、画業50周年記念インタビュー、作品年表を収録した、まさにファン必携の1冊です。
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『永井豪のヴィンテージ漫画館』
収録コメントから一部抜粋

日本中が大騒ぎした漫画家デビュー1年目の大ヒット作
ハレンチ学園 (1)
ハレンチ学園
ヒゲゴジラのハレンチな魔の手が女の子たちに忍び寄る。山岸は十兵衛たちを守れるのか!?ちょっとHなスラップスティック学園コメディー!

叩かれれば叩かれるほどファイトが湧いてきた

『ハレンチ学園』の連載が、「少年ジャンプ」で1968年から始まって、やっぱり当時としては内容が過激すぎたのか、徹底的に攻撃されましたね。逃げても逃げてもマスコミが追いかけてくる。ほとんどのワイドショーに出演しましたよ。出ると必ず“吊るし上げ大会”。「アンタは変態だ! 欲求不満だ!」と、まわりは“アンチ・ハレンチ学園派”。デビューしたての和田アキ子さんにも番組でイジメられましたよ。
でも、読者の若い子たちは応援してくれました。「親が『見るな!』といってマンガを取りあげるんです。もつとスゴいのを見ているくせに……」ってね。読者はなかなかクールですよ。だから、叩かれれば叩かれるほどファイトが湧いてきました。「もっと過激にやってやる!」と。

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登場人物が全員悪人!? その後の作品のプロトタイプ的要素も
あばしり一家 (1)
あばしり一家
あばしり一家の紅一点、菊の助が番外地警察にさらわれた!菊の助を助けるために、駄ヱ門、五ヱ門、直次郎、吉三はうるわしの要塞へと向かうが、全員捕らわれてしまい…

描きながら思いついたアイデアを漫画に

『あばしり一家』ではホントにデタラメをやらせてもらいました。父親の駄エ門は「エスパー」、長男の五エ門は「根っからのスケベ人間」、次男の直次郎は「破壊兵器のようなサイボーグ」、三男の吉三は「爆破の天才」、そして紅一点の菊の助は「ケンカの達人」、と5人の設定はきっちり決めて、この5人が出てれば、もうSFでもアクションでもなんでもOKという作品でした。ところがそれもどんどんエスカレートして、ストーリー中に誰かひとりでも出てくればいいということになっていって……今考えてもムチャクチャですよね(笑)。ボク自身は混沌とした世界を描くのが好きなんです。マンガのなかでなんでもやりたいという願望があるので、どんなことでもできる世界っていうのが便利なんですよ。

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漫画家人生のターニングポイントとなった名作
デビルマン (1)
デビルマン
地球の先住民族、デーモン族の存在を知ってしまった不動明と飛鳥了はデーモン族の侵略に対抗するために、悪魔と合体しようとするが…

自分自身がどんどん作品の世界にハマっていった

『デビルマン』ではやっぱり最終回が一番印象に残っていますね。人類すべてを滅ぼしてしまったんですから。描いているうちにどんどん感情移入してしまって、止まらなくなっちゃったんですよ。
やー、重かったですね、この作品は。体力的にも精神的にも限界ギリギリって感じ。天使が昇天するシーンがあるんですが、それを見た人が「ドラッグをやっているに違いない」と思ったそうなんですよ。モチロン、やっていませんが、そう思わせるものがあったかもしれませんね。かなり“トランス”した状態だったことは事実ですから。

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その力は神にも悪魔にもなれる──スーパーロボットの元祖
マジンガーZ (1)
マジンガーZ
兜甲児は、祖父が遺した驚異のスーパーロボット「マジンガーZ」に乗り込んだ。神にも悪魔にもなれるという「マジンガーZ」でドクターヘルの魔の手から地球を守れ!

ロボット漫画への憧憬と尊敬が生んだ新たなアイデア

「マンガ家になりたい」というボクの夢は、ある部分で『鉄腕アトム』や『鉄人28号』を超えるロボットマンガを描きたいという思いでもありました。ボク自身、ギャグマンガでデビューし、『ハレンチ学園』や『あばしり一家』というヒット作にも恵まれたのですが、心のなかにはいつもロボットのことがあったんです。しかし、これまでにないまったく新しいタイプのロボットを思いつくまでは絶対に描かないと心に決めていました。他の人と同じものを描いても仕方ないし、なによりアトムや鉄人という偉大なロボットたちに対して失礼ではないかと考えていたんです。
「人が乗り込むロボット」のアイデアを思いついたのは、ちょうどそのころのことでした。

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終戦直後に生まれた作者の生い立ちと重なる一大巨編
バイオレンスジャック (1)
バイオレンスジャック
197X年、関東一円にマグニチュード8.9の激震がおそった!日本の首都を一瞬にして地獄へと変えたその地震を人々は関東地獄地震とよぶ・・・現代の一大戦国絵巻がついに幕を開ける!

それまでの自身の作品を彩ったキャラクターを総出演させたライフワーク

ジャックは歴史そして大自然を動かしていく巨大エネルギーの象徴として創り出したキャラクターです。そして人によって、まったく違った人物に見えるという設定にしました。関東スラム街編の逞馬竜にとっては厳しく自分を鍛えてくれる父親像。黄金都市編の早乙女門土にとっては強烈なライバル、関東地獄街編のアイラや奴隷農場編の菊の助にとっては愛の象徴……といったように。こうすることによって、ジャックとは一体誰なのか、なんなのかという謎が深まり、その人間性にも膨らみを持たせられると考えたんです。

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『あばしり一家』の要素を隠し味にした全男子の憧れ
キューティーハニー (1)
キューティーハニー
天才科学者、如月博士の娘として作られた、スーパーアンドロイド、キューティーハニー!女ばかりの犯罪結社「パンサークロー」がハニーを狙って動きだした!

男の子ならだれでもが夢に描く天使のような女の子

『キューティーハニー』の始まりもテレビアニメでした。アニメ界では『デビルマン』で認められ、『マジンガーZ』で大ヒットをとばしていたボクに「これまでと違う新しいものを」という依頼が来たのです。最初のプランは「七変化もの」でした。その昔はやった映画『多羅尾伴内』の少女版といったらいいでしょうか、少女探偵が七つの変装を見せるという企画だったんです。(中略)設定を探偵にするのはなんだか古くさい感じがしたので、SF風の味つけをしてみました。主人公が七変化するなら、“変装”どころか“変身”させてしまえ、と“空中元素固定装置”なるハイテク機械も考え出しました。これなら七変化のために衣装を持ち歩く必要もないし、我ながら、便利なものを考え出したと思います。

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健全なエロティシズムを追求したパロディ作品
けっこう仮面 (1)
けっこう仮面
顔を隠して、体隠さず!たいへんけっこうな怪人少女、けっこう仮面がスパルタ学園にあらわれた!無実の生徒をいじめる、極悪非道な教師たちに全裸で立ち向かう!

『月光仮面』のパロディに隠された深淵なテーマ

先生が最低で生徒の方がしっかりしてる(『ハレンチ学園』)とか、神と悪魔の関係(『デビルマン』)とか、そういう「逆転の発想」というのはボクのよくやる方法なんですが、『けっこう仮面』もそうした「逆転の発想」から生まれた作品のひとつです。といっても、ただ服を着てる部分と着てない部分を逆にしちゃったというだけの話なんですが(笑)。
でもよく考えてみると、顔さえなければ人格がないわけですから、顔を隠せば誰だかわからなくなる。結局、人間にとって一番恥ずかしいのは顔なんじゃないか? というふうに思ったんです。そこで、恥ずかしいはずの「体」を隠さずに、隠さなくてもいい「顔」を隠すとどうなるか? という逆転の物語になりました。結果として人間の持つ羞恥心というものをあざ笑うような作品になったというわけです。

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混沌を極めた著者渾身の傑作
デビルマンレディー (1)
デビルマンレディー
高校教師・不動ジュンとその生徒達は合宿中、突如獣となった人間・獣人に襲われた。その最中、ジュンは謎の女・アスカ蘭の声を聞く。「目覚めよ!」するとジュンの秘められた力が覚醒し、彼女もまた魔物となり獣人達を屠り去る。ここに獣人=デビルビーストと戦う宿命を持つ女、デビルマンレディーが誕生した!

食欲・性欲・闘争本能といった人間の本能的な部分をモチーフにDNAレベルまで設定を広げた

『デビルマンレディー』を「週刊モーニング」誌上で連載開始したのは1997年1月のことです。時は世紀末。世界情勢も雲行きが怪しく、全人類が世界戦争勃発の危機にさらされているように思えていました。ボクは『デビルマン』で反戦をテーマに、人類の未来への警鐘となりうる作品を描いたつもりです。しかし、そこに描かれた未来はあまりに悲しく暗いものでした。もし“デビルマン”となる人物が不動明ではなく女だったら、滅亡に向かう人類の光明になりはしないか? という思いから、新たなデビルマン=デビルマンレディーを生み出したのです。

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原作から受けたイメージが新たな物語を紡ぐ
神州天馬侠 (1)
神州天馬侠
鬼才・永井豪が吉川英治の『神州天馬侠』をもとに、イマジネーション溢れる筆致で描き出したアクション時代劇。天正3年(1575年)5月、長篠の戦いで織田・徳川連合軍に敗れた甲州武田軍は、次第に力を失い追い詰められていた。7年後の天正10年(1582年)3月、天目山の戦いで武田家当主である武田勝頼、信勝が自害し、次期当主は勝頼の側室・楓の子である伊那丸をおいて他にない状況となる。恵林寺に身を隠していた伊那丸は、僧・快川紹喜(かいせんしょうき)より織田・徳川の連合軍が攻め入る前に落ちのびて、武田家の再興を図ることを指示される。六尺を超える加賀見忍剣(かがみにんけん)を旅の供に、再び戦国の世に覇権を握るべく旅立つ!!

原作には描かれていないところを自分なりの解釈で描くおもしろさ

吉川英治先生の原作を読んでみて、さらわれてしまった咲夜子や主人公の伊那丸のその後などインスピレーションが湧いてきて。『神州天馬侠』の全体の流れからすると、おそらく吉川先生は、講談の『真田十勇士』を自分なりの解釈で作りたかったんだろうな、と思いました。
そこで、ボクとしては最初からそういう流れになるように、登場キャラクターを設定していきました。たとえば、忍剣を原作とは異なる青い目の大男に設定したのは、後の三好青海入道を意識してのものですし、呂宋兵衛も実は変装していることにして、霧隠才蔵にもっていきました。

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新たなロボットものに挑戦した野心作
サラーキア─我が白銀のマーメイド─
サラーキア
地球温暖化に端を発したオゾンホールの増大によって、地表に強い紫外線が降り注ぎ人類は地上に住むことができなくなってしまった。北極と南極を覆っていた氷が全て溶け、地上の大半を水没させてしまう。地上に住めなくなった人類は生活圏を海中に求め、かつての地上の環境を作り人間のままの暮らしを行う者と魚類のDNAを取り込んだ新しい人類・水棲半魚人の2つに分かれる。水棲半魚人たちは、広大な海そのものが生活スペースとなるため増え続け、かつ巨大化していった。やがて、海底都市生活者をも襲うようになり、海中の2つの人類はお互いを理解し合うことなく殺し合う。西暦2071年、海底都マリ・ラメールでは、水棲半魚人に対抗するべく海底都市生活者が大型潜航艇・サラーキアの開発に成功する。潜航艇という名を冠してはいるものの、それは巨大ロボット兵器に近かった。ラメール少年隊の水城潮と結木マリンは、実戦訓練を兼ねた初の戦闘に臨むのだが……。永井豪が「新しいロボットもの」として構想した『サラーキア-我が白銀のマーメイド-』がいよいよ電子書籍として登場!!

オファーがあればもっと描きたい作品

『サラーキア』は「新たなロボットものを描いてください」というのが、編集部からのお願いだったんですよ。でも「ロボットものはもうやりつくしたよね」という思いが自分にはあって。仮に描くとしたら地上と宇宙はもう難しいだろうから、海中で描こうと思いました。
海のなかの物語を考えたとき、SF小説に田中光二さんの『我が赴くは蒼き大地』というのがあって。温暖化によって氷河が溶け、陸のほとんどが水没した世界、(陸地が)なくなった世界で人々が生きているという設定なんです。人間は環境に適合するためにエラを創ったり、目も涙がずっと流れているとか。そういう水没した世界でロボット同士の戦いを描けば、いままでとちょっと違う設定になるので、新しいロボットものができるかもしれない、と。

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若かりし遠山金四郎と女目明しの名コンビが江戸の難事件に挑む
金四郎無頼桜 (1)
金四郎無頼桜
心優しき無頼漢であった若き日の「遠山の金さん」が、次々と難事件を解決していく活躍を描いた痛快娯楽時代劇。格式ある武家の生まれでありながら、義理の兄弟に家督を譲るため無頼の徒となった遠山金四郎(とおやま・きんしろう)。美少女目明し・琴音(ことね)を手伝いながら、事件を解決するごとに桜の花びらを一枚彫る金四郎の背中が満開の桜吹雪となるのはいつなのか?

自分なりのオリジナリティをどこに見出すのか

「遠山金四郎(以下、金四郎)が江戸町奉行になって(桜吹雪を)見せるのは規定路線だから、そうなる前の放蕩時代をモチーフに、少しずつ桜の入れ墨を書き足していくのがおもしろいかな、と。実際、(金四郎には)芝居小屋に出入りして遊んでいたり、楽屋でちょっとバイト的なことをしていた、という話が残っています。金四郎が名奉行であったかどうかは定かではないけれど、庶民からの人気を集めたのは、彼は芝居小屋を守ろうとしたからなんです。(中略)『金四郎無頼桜』は、史実を下敷きにしているところはあります。でも、金四郎だけじゃ色気がないので、フィクションとして女の目明かしを登場させたりしました(笑)。

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本書には下記作品の誕生秘話や
描き下ろしイラスト&50周年記念
インタビューを収録!!

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