<あらすじ>地下鉄のホームで撥ねられ死んだはずの玄野、加藤は謎のマンションの一室に一瞬にして転送される。そこに置かれた得体の知れない黒い球の指令により、ねぎ星人の暗殺を命じられた玄野らは、状況を把握できないままねぎ星人の元へと転送される。マンションにいた仲間によってねぎ星人は殺されるが、新たなねぎ星人が現れ…。
<書店員のおすすめコメント>不思議な銃を持ってボンデージっぽいこのスーツを着たキャラ達、どこかで一度は見たことあるんじゃないでしょうか。アニメ化・実写映画化・舞台化にパチンコ化など大ヒットした本作は実は非常にシリアスなSF。話ごとの挿絵の美女(本編と無関係)が癒やし。
奥先生の作品は心理描写が濃く、追い詰められたキャラ達の関係が読んでいてとても面白い。見た目からヤバいユニークな敵宇宙人の前に何が何だかわからないまま放り出されて子供も老人も(重要そうなキャラでも)関係なくバタバタと餌食になる。結構グロいとこもあるので苦手な方はご注意。
ガンツに招集されたメンバーは現実世界では何らかの原因で死んでしまった人たち。そしてただ戦わされるだけではなく、宇宙人と戦うことで得られるポイントを貯めると褒美が選べるルール。これがまた曲者で…後半の流れは胸熱です!そして最後がまたよかった…私は大好物でした。
<あらすじ>『GANTZ』奥浩哉が描く圧倒的最新作! 人生に巨大な奇跡は起こるだろうか。僕たちはそれに気づくだろうか。映画監督志望の高校生・零がある日、町で目にしたのは、大ファンである「女優」パピコを中傷する張り紙だった。深夜、家を飛び出し張り紙をはがしてまわる零に声をかけたひとりの女性。それは―――。まだ誰も目にしたことのない、全く新しいボーイ・ミーツ・ガールが幕を開ける!!
<書店員のおすすめコメント>いつも男の夢を具現化してくれる奥先生。『GIGANT』というタイトルと表紙絵から「乳がタイトルになったか、とうとう振り切ったな」と思ってたんですが実際にはそれどころじゃなかった。このスケールの大きさは正にギガント。
みんなのヒーローであるウル●ラマン(初代)って40mぐらいあるんですが、それでも東京ドー●ホテル(155m)の四分の一ぐらい。そう考えると今回のスケールは…まず2巻のケツまで読んでみてもらってお確かめください。
また、今作は表情やバストのアップカットから横になっているシーン、家族と歩いているシーン、擬音が描かれてる脳内の音声再生表現のコマまで、なんというか"コマに無駄がない"と感じます。説明じみて見えるぐらいに(意図的?)1コマ1コマに要素が凝縮されていて、スマートな映画の進行のように感じられます。マンガの表現はまだまだ広がっていってますよ。
<あらすじ>その男には誰にも言えない秘密がある!58歳サラリーマン2児の父。希望もなければ人望もない冴えない男。しかしある日を境に男のすべては一変する――。『GANTZ』で漫画表現の極地を切り拓いた奥浩哉がおくる、全く新しい世界がここに!
<書店員のおすすめコメント>超不運でかなり老けたリーマン(58)。若者に蔑まれ、家族にまで爪弾きにされながらも長年満員電車に揺られて、ついにマイホームと犬ゲット!
そんな日本のサラリーマンの鑑のような彼ですが、見た目どおり身体もガタガタ。癌が見つかり余命三ヶ月と言われ、家族にも言えず犬のはな子と咽び泣く。まじツラい。
そんな中、自分が何者かになってしまった事を受け入れた彼は自身の存在理由を見つけるのです。
そんなお父さんと相反して理不尽の塊のような獅子神くんは思春期絶頂高校生サイボーグ。モヤモヤの権化って感じで彼の苦悩もとても良いです。
また、今作からドローン写真の加工が背景に多様されていますが画角が素晴らしいんすよ、戦闘シーンや飛行中なんか特に。
ふと連載開始時(?)に何かのインタビューで全7巻想定と仰ってたのを思い出しました。
ラストは犬飼ってる人は感情移入しやすいかと。涙もろい私は割と泣きました。
<あらすじ>ある日突然赤い糸が見えるようになった。一人ずつ足からのびていて自分にしか見えないらしい。この糸を辿っていけばどこかの女の子に辿りつくのかもしれないと赤い糸を辿る総一郎だが…
<書店員のおすすめコメント>私はリアルタイムで読んでいた世代なので奥先生といえばこの『変』の印象が強いのです。
当時は「タイトルどおり変(アブノーマル)なマンガだ」と思ってましたが、平成終わりの2019年現在ではこういう恋愛ケースも(スタンダードではないものの)昔よりはだいぶ"変"ではなくなったように思えますね。
恋愛の自由を許容して文化として受け入れられている時代にこれを初めて読む若者の意見を聞いてみたい気も。
このデビュー作でも既に奥浩哉節(独特な間とかタッチとか)は存在しており、序盤は大友克洋へのリスペクトが感じられる劇画タッチで描かれるトランスセクシュアルフィクション(TSFと言われる性別がチェンジしてしまう話)や、後の『HEN』に繋がる話などが詰まった短編構成。途中からお決まりの佐藤と鈴木の絡みが主軸のいわゆる『変』になります。
ちなみに実写版で主人公の佐藤役は佐藤藍子さんでした(1996年!)
<あらすじ>美人でスタイルも良く成績も運動神経も天才的な女子高校生・吉田ちずるが好きになったのは転校生の少女・山田あずみだった! あずみが好きでたまらないちずるの恋の行方は!?
<書店員のおすすめコメント>デビュー作の『変』からそのまま続編といえる作品で、主役は『変』の序盤に入っていた女子二人。佐藤鈴木が元々女性だったらこうなるのでは?と思ったものの、改めて読むと佐藤と山田さんは結構タイプが違うのでまんまではないですね。
今回は主役が美女達なので中高生の目の保養にはピッタリ。
いきなり最後に触れますが…私個人としては奥先生は風呂敷たたむのがすげー巧いと思ってるんですね。この作品を含めこれ以降はどれも最後は結構スッキリさせてくれることが多くて。
とりあえず『変』でちょっとモヤっとした人には特にいいと思いますよ。
しかしこれ最後の最後をよく考えると…ああ、女って怖い。
<あらすじ>小泉慎太郎・30歳・童貞。ひきこもり歴15年。ネットと少年マンガを生き甲斐に日々を過ごす彼だが長年戦い続けてきた父親が突然の再婚!現れたのは自分よりも“年下”の母親・はるかだった。健気でキュート、でもちょびっとガンコな母親とひきこもりのダメオトコの、3歩進んじゃ2歩下がる長い長~い日々が幕を開ける…!!
<書店員のおすすめコメント>『GANTZ』のシリアスさからは一転、ひきこもりの主人公と若くて美人の義母を描いたコメディに。
主人公の慎太郎はひきこもり歴15年の30歳なのだが、ヒロインのはるか(義母)が彼を頑張って一人前にしようと尽くしていく様は本当に女神のようです…。慎太郎は30歳なんだなと思って見るとヤバいし、謎の自己肯定力があって厄介。でも実際ひきこもりになっちゃったらこうなるのかも。
ちなみに奥作品にはちょいちょい犬が出てくるんですが、アニマルセラピーってほんとに効果あるんですよ。疲れたら犬と戯れたい…本作、心が疲れてしまってる人には「自分より下」の存在が一人前になる様を応援しながら上から目線で読むとより最後スッキリするかもしれませんよ。
<あらすじ>西暦2028年ニュー越谷市。小さな妹弟を連れた石動音露は友人に誘われて初めて街の巨大ゲーセンに入る。流行りのゲームをするお金もない音露。そんな時ゲームに興じる人々の混雑の中で妹が何者かに倒される。音露は犯人をみつけるが逆に叩きのめされてしまう。悔しい思いを胸に復讐を誓う音露だが、思いがけない場所で出会ってしまう。そして…!
<書店員のおすすめコメント>コミック界初のフル3DCGマンガ。サイバーパンク感溢れるトーキョーっぽい世界。キャラの陰影描写や白い面の使い方が大友っぽくてとても良いです。作中では独特な描写の変化、タッチが変わっていくのがわかり、GANTZ以降に繋がる自然な描写までの試行錯誤をされてたのがわかります。そこを意識して読んでみるのもオススメ。
1999年の作品というのもあって、作中に出てくるMBZというゲームで使うディスクもちょっとデカいMO(わかるかな…)のようなものだったりして古き良き時代を感じます。財布はスマホぐらいのサイズのデバイスだったりしてますが。
それにしても最近はゲームセンターを見てもUFOキャッチャーばかりのとこが多いので、格ゲー世代には少し寂しい…MBZはポッドのようなものに入って操作するんですが、本作より10年ほど後に出た某大人気戦場ゲームに似てますし、発想は先取りしてたと言えるんじゃないでしょうか。