山岸凉子先生の8作品を掲載!
-
その「聖徳太子」像は少女漫画界に衝撃をもたらした。大傑作にして金字塔!
- 第7回講談社漫画賞受賞
【掲載誌】「LaLa」(白泉社)1980~1984
【あらすじ】
ときは飛鳥時代前夜、権勢を誇る蘇我氏の後継者たる毛人は14歳。父に連れられて出仕した朝廷で、10歳の少年、厩戸王子と出会う。毛人と厩戸、ふたりの激動の物語が、いま始まる。数多くの貴重なカラー原稿、トビライラスト、予告カットなどを完全再現。日本の漫画界を代表する山岸凉子の最高傑作「完全版」!
【書店員のおすすめコメント】
「聖徳太子(厩戸皇子)」を、大胆な発想で描き出した少女漫画の金字塔。推古天皇のもと、「冠位十二階」や「十七条憲法」を定めた等で名高い聖徳太子は、「10人の話を聞き分けた」といった逸話も多く残されています。その伝説的な部分を、人間を超越した能力を持ち、その能力がゆえ孤独で、蘇我毛人を愛した同性愛者として描いています。10代の若き厩戸皇子は、歴史の教科書のイメージと全く違う魅力に溢れていて、いつ読み返してもそのキャラクターに圧倒されます。不思議な能力を持つ厩戸皇子は、神のように描かれる一方、毛人への叶わぬ恋に苦悩し続けている美しい美少年でもある。毛人やその他の登場人物と同じように、読者を魅了する、こんなに魅力的な聖徳太子は、この作品が最初で最後、今後も出会えないと確信します!
厩戸皇子に惹かれる毛人は、彼の見る魑魅魍魎の世界が見えてしまう──。
-
山岸凉子の初期代表作にして、バレエ漫画の元祖的名作!
【掲載誌】第一部:「りぼん」(集英社)1971~1973、第二部:「花とゆめ」(白泉社)1974~1975
【あらすじ】
現在のロシア連邦がソビエト連邦であった時代、キエフ・シエフチェンコバレエ学校6年生ノンナ・ペトロワは平凡な一生徒であったが、ある出会いで運命の扉が開きはじめた。バレリーナを目指すノンナの挑戦が始まる。完全再現された、数多くの貴重なカラー原稿と2色原稿を収録。バレエ漫画の名作の「完全版」!
【書店員のおすすめコメント】
1971年「りぼん」で連載開始。少女漫画黎明期にバレエ漫画は多数存在していましたが、少女たちの夢や憧れ、バレリーナファッションを描くための作品が主流でした。当時すでに前時代的、と思われていたバレエを題材にした作品の企画を通すため、山岸凉子は「バレエ漫画ではない、スポ根漫画だ」と企画を通し、全3回の予定だった連載は、1回目で人気投票1位となって長期連載化、大ヒットになったという伝説的作品! 舞台は冷戦時代のソビエト連邦。主人公のノンナは、舞踏家ユーリにその才能を見出され、レニングラード・バレエ学校へ編入。劣等生だったノンナは、ユーリの指導の元、才能を開花させます。ライバル、特訓、恋、友情、成長、成功。全てのスポ根要素が込められ、美しく正確なバレエポーズが描かれた記念碑的作品です!
モスクワバレエコンクールへ挑戦するノンナは、緊張感の中、舞台に上がるが──!?
-
フランスを救った伝説的な女性ジャンヌ・ダルクを山岸凉子が描く!
【掲載誌】「モーニング」(講談社)2014~2020
【あらすじ】
「私は解放される。疑ってはならない。信じています」魔女の罪を被せられ、処刑を宣告されたジャンヌ・ダルク。刑場に連行されながら彼女は、運命を変えた13歳の「あの日」のことを思い出していた。その時、彼女は何を聞き、何を見たのか?
【書店員のおすすめコメント】
15世紀、フランスで農夫の娘として生まれたジャンヌ・ダルクは、神の啓示を受けフランス軍に従軍。重要な戦いに参戦して勝利を収め、王太子の戴冠式を行うが、その後異端審問にかけられ、19才の若さで火刑となる。フランスに実在した伝説的ヒロイン、存在は知っていましたが、農夫の娘が従軍し、男装して戦ってフランスを救うって、正に漫画のようなストーリーで、少しはフィクションなのかな?くらいの知識しかありませんでした。そのジャンヌ・ダルクを山岸凉子が描くなんて、面白いに決まっています! 果たして、彼女を突き動かした「神の声」とは何だったのか。神がかった筆力で描き出される「山岸凉子版ジャンヌ・ダルク」、現代のヒロインにも通じるそのカッコ良さに魅了されます!
「魔女」の罪で、死刑宣告を受けたジャンヌ・ダルクは、「あの日」を思い出す──。
-
日本史上最大の謎「卑弥呼」。波乱に満ちた古代倭国ロマン!
【掲載誌】「COMICトムプラス」(潮出版社)1998~2000
【あらすじ】
山岸凉子が描く古代日本の世界! 南の島で正気を失った祖母(ばばさま)の面倒を見る少女。厄介者として虐待されていた二人だが、ある日、海の向こうから一人の男が現れて……。海の向こうの国とは? 少女とばばさまの運命は? 古代日本史最大のミステリーに挑んだ傑作歴史物語!
【書店員のおすすめコメント】
「魏志倭人伝」に残された「卑弥呼」には、正確な文献が無く、様々な学説があります。山岸凉子が描く新しい卑弥呼像と日本の古代倭国の物語。本作は、史実では卑弥呼の跡を13歳で継いだとされる少女・壱与が主人公。南の島に流れついて育った壱与とばばさまは、村人たちの迫害を受けて暮らしていますが、ある日使者がやってきます。使者は、ばばさまは「聞こえさま(日女子=卑弥呼)の姉、照日女」だと言い、壱与とばばさまを伊都国へ連れて行きます。そこには国家を統治する巫女王・日女子と熾烈な権力争いが待ち受けていました。「聞こえさま」の地位を守るため、国さえ売る日女子は美しくて怖ろしく、斬新です。そして、神秘的な能力を持つ壱与はどう抗うのか。古代日本の歴史上の人物たちが生き生きと蘇ります!
南の島の少女・壱与のもとに、大和伊都国の使者が現れ、壱与は旅立つことを決意する。
こちらもオススメ
【ご注意事項】
- ※本ページに掲載している連載中作品の巻数は、2021年10月時点のものです。
山岸凉子(やまぎし りょうこ)1947年北海道生まれ。1969年『レフトアンドライト』でデビュー。1971年に連載開始した『アラベスク』は、少女漫画界初の本格バレエ漫画として大人気となる。『日出処の天子』で1983年講談社漫画賞受賞。『舞姫 テレプシコーラ』で2007年手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。萩尾望都、大島弓子、竹宮惠子らと共に「24年組」と称される。
(ayuko/40代/女性)