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高屋奈月

高屋奈月(たかや なつき)。7月7日生まれ。東京都出身。1992年「花とゆめプラネット増刊」にて『Born Free』でデビュー。代表作である『フルーツバスケット』は2001年に第25回講談社漫画賞受賞、2007年に「もっとも売れている少女マンガ」としてギネスブックに認定された。心に闇やトラウマを抱えたキャラクターたちが、それを克服し救われていく繊細な物語を多く描く。

(あんちゃん/20代/女)

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高屋奈月先生の全7作品を掲載!

さあ、宴会のはじまりです! 大ヒット名作少女マンガ
フルーツバスケット(全23巻)
表紙『フルーツバスケット(全23巻)』 - 漫画
フルーツバスケット(全23巻)
【連載誌】花とゆめコミックス
第25回講談社漫画賞少女部門

<あらすじ>テントで暮らす女子高生・透(とおる)。家事の腕を買われ草摩由希(そうまゆき)の家で暮らすことに。だが、草摩家には異性にふれると動物に変身してしまうという秘密が――。

<書店員のおすすめコメント>2019年に全編TVアニメ化が決定した、高屋奈月先生の代表作ともいえる本作は、異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまう体質のある草摩家の人々が、両親を亡くし天涯孤独の少女・透くん(あえてこう呼ばせていただきます)と出会うことで変わっていく物語です。
十二支の物の怪憑きである草摩家の人々だけでなく、本作は主人公を含むさまざまなキャラクターが心に闇を抱えています。彼らがその闇から救われていくひとつひとつのエピソードに胸を打たれて、何度読んでもぽろぽろ泣いてしまうんです。中でも筆者が特に印象に残っているのが「人の素敵というものがオニギリの梅ぼしのようなものだとしたら その梅ぼしは背中についているのかもしれない」というエピソードです。(2巻収録)他人の梅ぼしはよく見えるからうらやましくもなるけれど、ちゃんとあなたの背中にも梅ぼしが付いているんだよ、誰にでも素敵なところはあるんだよ、というメッセージに勇気づけられたのが今でも忘れられません。自分に自信が持てないとき、他人の長所がうらやましく感じるとき、このエピソードを思い出しては「私は私の梅ぼしを生かしてがんばろう!」と自分を奮い立たせています。「フルバ」は宝物のように大事にしまって時々開けて見たくなる、そんな言葉ばかりなので、あなたの心に響く言葉もきっとあります。
こうして書くと少し暗いお話なのかな…?と思われてしまうかもしれませんが、決してそんなことはないんです! 十二支のみんなは個性豊かでにぎやかですし、ラブコメ要素も満載です。あなたも「フルバ」の世界にちょっと立ち寄ってみてはいかがですか?

  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
「フルバ」の数十年後を舞台に描かれる、懐かしくも新しい物語
フルーツバスケット another(全3巻)
表紙『フルーツバスケットanother(全3巻)』 - 漫画
フルーツバスケットanother(全3巻)

<あらすじ>高校入学早々、遅刻を先生に見つかってしまった三苫彩葉。困っているところを助けてくれたのは不思議な美少年で…!?大ヒットまんが「フルーツバスケット」の透たちが海原高校を卒業した数十年後を舞台に描かれる、懐かしくも新しい物語のはじまりです。

<書店員のおすすめコメント>『フルーツバスケット』から数十年後、透くんや由希や夾たちが通っていた海原高校を舞台に新たな物語が紡がれる本作は、「フルバ」ファン必見の作品です。
海原高校に通う三苫彩葉(みとま さわ)は、幼いころのトラウマや母親との確執などから、周りに迷惑をかけないよう人との関わりを極力避けていました。ところがひょんなことから生徒会メンバーに任命されてしまい、生徒会役員の草摩睦月や草摩はじめと関わるようになります。その後も学校で有名な草摩家の人々と親しくなり、生徒会の仕事をすることで少しずつ変わっていきます。一人の女の子の成長や恋が描かれており、「フルバ」を読んでいなくても楽しめるストーリーではあるのですが、読んでいたらさらに楽しめる内容であることは間違いないです!
なぜなら、本作に登場する草摩家の人々は皆、「フルバ」のキャラクターたちの子どもだからです。ただ、作中で透くんや由希や夾の姿がはっきり出てくるわけではありません。それでも確かに睦月やはじめが彼らの子どもであることは伝わりますし、他の人も「きっとあの人の子どもだ」と分かるんです。「あの人の子どもだな~」と感じる子もいれば、「え、あの2人からこの子が!?」と意外な子もいたり…(笑)。そういう「フルバ」のエッセンスを感じることが、作品ファンとしてとても楽しいのです。「フルバ」の世界が地続きになって、「フルバナ」(本作の略称)の物語が紡がれているんだと思うと、うれしくてしょうがないのです。
三苫ちゃんが初対面の旻(そら)に対して、その言動から「この人絶対草摩の人だ……」って思ったくだりがあるのですが、子ども世代になっても草摩の人達は個性豊かで楽しいキャラクターばかりです。「フルバ」から「フルバナ」を読んでいただくのはもちろん、「フルバナ」から「フルバ」に入る人も、どっちも楽しめる作品です!

  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
  • 『フルーツバスケット(全23巻)』コマ
自分が生きて存在する証を見つけたい
翼を持つ者(全3巻)
表紙『翼を持つ者(全3巻)』 - 漫画
翼を持つ者(全3巻)
【連載誌】花とゆめ

<あらすじ>感動の最終回を迎えた“フルバ”の高屋奈月の傑作が白泉社文庫に登場!! 舞台は荒廃した22世紀の地球。元女盗賊の寿は、元エリート軍人の擂文と放浪の旅に出るが!? 近未来LOVEチェイス開始。

<書店員のおすすめコメント>たくさんの戦争が起こったことで、大地は荒廃し海は汚染され、貧富の差が激しくなった22世紀末の地球。そこで盗賊として生きる寿は、軍人である擂文と出会いそして惹かれ合い、共に旅をすることになります。旅をする中で擂文のある問題を知った寿は、それを解決するために“翼”を見つけようと決心します。“翼”というのは、手に入れるとどんな願いも叶うものとして語られているこの時代の伝説。はたして寿は“翼”を見つけることができるのか? そして“翼”の正体とは――?
筆者個人的には、実はこの「翼」が高屋奈月先生の作品で一番好きです。互いが「生きていく証」と言える強い絆を持つ寿と擂文など、荒廃した世界でも強く生きるキャラクターたちに会いたくなって読み返すことが多いのですが、いつ読んでも感動できます。
「翼」の世界では孤児を国民として認めない証に名字を持たないため、身寄りがない人たちは「名無し」と呼ばれ冷酷な仕打ちを受けているのですが、寿も孤児院出身の「名無し」です。それでも彼女はいつも前向きで、一生懸命に毎日を生きている女の子です。旅の道中に出会う人々が、そんな寿の言葉に勇気をもらうように、我々読者も勇気をもらえるんです。かつての擂文もまた、寿に生きる希望をもらった一人で、擂文の過去を描くエピソード(電子配信中の文庫版3巻収録)は何度読んでも号泣せずにはいられません…。「初めから生きる理由を持って生まれてくる人間はいない」「自分の力でみつけださなきゃダメなんだ」――。人生とは「翼」の世界の人々のように“生きてく証”を見つける旅路なのだと、「翼」を読んで感じました。

『翼を持つ者(全3巻)』コマ
星が瞬くのは歌っているから。孤独な星たちが紡ぐ切ない片想い
星は歌う(全11巻)
表紙『星は歌う(全11巻)』 - 漫画
星は歌う(全11巻)
【連載誌】花とゆめ

<あらすじ>従兄弟で親代わりの奏と2人で暮らす椎名サクヤ。辛いときや哀しいときはいつも星を見上げ励まされてきた。そんなサクヤの誕生日に突然現れた不思議な少年チヒロ。優しい言葉を残し去っていった彼は一体、誰――!? はぐれ星たちの片恋ダイアリー、待望の第1巻!

<書店員のおすすめコメント>これは、長く切ない恋の話です。そして、一度はくじけてしまった人たちが人生を再生していく物語です。
父親から捨てられたも同然のサクヤは、現在は従兄弟の奏と倖せに暮らしています。サクヤの誕生日、家に帰ると見知らぬ男の子・千広がいて一緒に誕生日を祝ってくれました。その後サクヤのクラスに転校してきた千広は、だんだんとサクヤや友人の聖、ユーリたちとも打ち解けていくのですが、千広にはある秘密があって…。
この物語に出てくる人々は、みんな一度は何かしらの“間違い”をおかしています。でも、一度も何の間違いもおかさず生きている人間なんていないですよね。間違ったとしても、そのことに気づくことができればその後の自分を変えていくことはできるのだと、この物語は教えてくれます。
また高屋先生は、本作に限らずですがさまざまな親子関係を描く方でもあります。それは決して円満な家庭ばかりではなく、本作のサクヤや千広や奏の親のように子を見捨てたり過度な期待を背負わせたりと子どもの負担となる親も登場します。「親は子を愛して当たり前」「子は親を愛して当たり前」というような考えは、それを得られなかった立場からすれば暴力でしかないです。つらかったら逃げてもいいし、たとえ実の親子じゃなくても本当の家族になれる。そう伝えてくれているような気がするんです。

  • 『星は歌う(全11巻)』コマ
  • 『星は歌う(全11巻)』コマ
宿命のもと生きる人々の戦いや愛を描くファンタジックロマン
幻影夢想(全3巻)
表紙『幻影夢想(全3巻)』 - 漫画
幻影夢想(全3巻)
【連載誌】花とゆめ

<あらすじ>邪心にとらわれた人間の魂を護る力をもつ守護師・乙矢環。その宿命に苦悩しながらも幼なじみの旭に支えられている。だが思わぬ運命が2人の前に…。高屋奈月のファンタジックロマン!

<書店員のおすすめコメント>高校生の乙矢環は“邪鬼”の邪心を払うことができる“守護師”のたった一人の継承者。邪鬼とは、嫌疑や憎悪など人間の心の底にある邪心につかまり奇異な力を身につけてしまった者のことで、月華一族の力によって生み出されています。環は自らの宿命に葛藤しながらも幼なじみで恋人の旭に支えられて少しずつ守護師として成長を続けていたのですが、千年以上対立している乙矢一族と月華一族の運命に翻弄され、旭もまた巻き込まれていきます。
ファンタジー要素が強く、邪鬼や守護師との戦い、一族の陰謀や思惑が色濃く描かれているのですが、本作を通して描かれているのは、様々な人の“想い”でした。人の想いは月日を経ると変化していくものですが、変わらない想いだって確かにあるんです。環自身も乙矢や月華の一族の人々と出会い、接することで様々なことを感じ、成長し変化していくのですが、旭への想いだけは変わることはありません。
渦巻く宿命の中で環や旭がどんな決断を下すのか、ぜひ見届けてください。

  • 『幻影夢想(全3巻)』コマ
  • 『幻影夢想(全3巻)』コマ
君が笑ってくれるなら ノドが嗄れるまで唄うから
僕が唄うと君は笑うから(全1巻)
表紙『僕が唄うと君は笑うから(全1巻)』 - 漫画
僕が唄うと君は笑うから(全1巻)
【連載誌】花とゆめ

<あらすじ>無愛想な厚士に笑いかけてくれた杏。だが、イジメが原因でうつむきがちになってしまい…。得意の唄で杏を励まそうとする厚士だが? 表題作他4編を収録。

<書店員のおすすめコメント>高校1年生の厚士は、無口で生まれつき目つきが怖いために女子に泣かれたり先生に呼び出されたりすることが多いですが、唄は得意な男の子。厚士の友人の従姉妹で同級生の杏は、中学の時にイジメにあったことから俯きがちになってしまっています。厚士は彼女に笑顔になってもらうためにバンドの新曲を彼女のために作詞をするのですが…。恋に積極的ではない男の子が、好きな人のために頑張る姿が愛おしいラブストーリーです。
表題作他4編を収録した短編集となっており、その中には『翼を持つ者』お楽しみ番外編「暗黒姫」もあるので、「翼」ファンも必見の1冊です!

『僕が唄うと君は笑うから(全1巻)』コマ

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