<あらすじ>春見順子、31歳。親の期待に添い、中学高校では成績トップだった彼女だが、大学受験に失敗してからは自信を失い就職活動もパッとせず、今に至るまでぼんやり生きてきた。そんな順子が出会ったのは厳しい父親にろくでなしの烙印を押された不良の高校生。彼との出会いは順子をどう変えていくのか?
<書店員のおすすめコメント>順子は、今まで持田あき作品に登場したヒロインとはちょっと違うような気がします。とにかくパワフルです! 受験も仕事も恋愛もダメで、過去にたくさんの挫折を経験してきたけど、31歳になってようやく夢中になれるものを見つけた順子。他のものなんて目に入らないくらい、ひたむきに、まっすぐに、目標へと突き進んでいきます。今まで出会ったヒロインの中で、順子が一番かっこいいです!! 余談ですが、1巻ではタバコを吸えなかった順子が3巻ではナチュラルにタバコを吸っていたことにちょっと感動しました。「やってみれば何でもできるようになるんだよ」と言われているような気がして。
<あらすじ>カレンは日本人の父とドイツ人の母を持つ、ハーフの女の子。ずっとドイツで過ごしてきたけど、16歳の誕生日プレゼントに憧れの日本に行くことに。運命の相手に出会うことを期待するカレンだけど――!? 持田あき、初の連載作品です!
<書店員のおすすめコメント>主人公のカレンはいつも前向きです。好きな男の子から拒絶されても、彼の元カノからきつい言葉を浴びせられても、うつむいたりせずに立ち向かっていきます。連載当時、私は高校生だったのですが、いつか恋をするならカレンみたいにまっすぐな恋をしてみたいなぁとしみじみ思ったものでした。ちなみに、同時収録されている読み切り作品『お砂糖づけのミス・ハニー』は、『ブルー・リボン』の小夏の友達・梨々と洋ちゃんのラブストーリーです。とってもかわいいお話なので、こちらも要チェックです!
<あらすじ>映画監督を目指し勉強中の小夏は有名俳優の葵くんに片想い中。忙しい彼に対し、小夏の気持ちは増すばかり。仲間に後押しされ、告白を決心するけれど…? 小夏と葵くんの出会いを描いた読み切り作品『ラストブルー』も収録。
<書店員のおすすめコメント>初めて『ラストブルー』を読んだときの衝撃は、今でも覚えています。映画のように美しいストーリーに心を打たれ、自分の頭に「持田あき」という名前を刻み込んだものでした。だから、『ブルー・リボン』の連載予告を目にしたときはとてもとても嬉しかったです。秘密基地、ガラス玉、青いリボン――。小夏と葵をつなぐキーワードが綺麗で、印象的でした。夢を、恋を、まっすぐに追いかける小夏は、本当に素敵な女の子です。小夏と葵、ふたりの明るい未来を、今でも祈り続けています。
<あらすじ>すごく人見知りのゆきは、友達をたくさん作ろうと張り切って入学した中学校で、同じ名前の男の子・雪と出会う。親友の慈雨や雪に助けられながら何とか中学生活が始まるが、いざ人前出ると緊張してしまい…。中学生の甘酸っぱい恋模様を描いた、センチメンタル・ラブストーリー!
<書店員のおすすめコメント>センチメンタルな雰囲気や個性豊かなキャラクターが『ルーズリーフ』の魅力として上げられるだろうとは思うのですが、私はあえて、至る所に散りばめられた小ネタの数々を作品のみどころとしてご紹介したいと思います。お好み焼き屋さんの壁に貼られたポップが「恥じらい \620」だったり、数学の教科書の名前が「ふぞろいな数学」だったり、廊下に貼ってあるポスターが「天パ・うねり嘆くことなかれ」だったり…。初めて見つけたときは、持田先生…サービス精神旺盛すぎるのでは…!?と感動してしまいました。『ルーズリーフ』の世界には、面白い看板やポスターがたくさんあります。是非探してみてください!
<あらすじ>ののは平凡な高校1年生。父を亡くし、家を守るため頑張っていたけど、ある日突然、お母さんが大金持ちの社長と再婚して大豪邸のお嬢様になってしまう! 状況を受け止めたののは、史上最高のレディになることを宣言。修行の日々が始まった…!
<書店員のおすすめコメント>一流のレディになるべくがむしゃらに努力を重ねる「のの」の根性にも胸を打たれますが、私がこの作品の見どころとして推したいのは、「のの」の義父・一条隼人と使用人・落合のエピソード。元々F1レーサーだった落合は、事故で怪我をして選手生命を絶たれてしまう。その時に隼人がかけた言葉がとても素敵で、今でも忘れられません。『真夜中にKiss』は、今後の人生を支えてくれるような希望に満ちた言葉が溢れる、力強い作品です。ちなみに、同時収録されている『130cmからメリークリスマス』には『ロイヤルストレート』の真琴の弟・まどかが、『さよならマリーゴールド』には『ルーズリーフ』の三矢くんが登場します。合わせてお楽しみください♪
<あらすじ>坂道の多い街で暮らす亜由は、いとこ兄弟と暮らす高校1年生。ある日、転校生の男の子がやってくる。彼の名前は工藤千治。徐々に千治に惹かれていく亜由だったが、想いを叶えるためには越えなければならない壁があった――。りぼん本誌で抜群人気だった恋愛作品です!!
<書店員のおすすめコメント>『君は坂道の途中で』の見どころは、主人公の亜由と千治だけでなく、ふたりを取り巻く人々の心の揺れ動きまで細かく描かれているところです。特に目を引いたのは、亜由の親友である梨杏のエピソード。梨杏が好きなのは、亜由のいとこの大介。でも、大介は亜由のことが好きで…。胸が裂けるような思いをしながらも大介をまっすぐに見つめる梨杏が切なくて、亜由の物語を読み進めながらもついつい梨杏のことが気になってしまいました。第3巻には、梨杏が主人公の番外編『ベツサカ』が収録されています。こちらも必見です!
<あらすじ>ひとつぶ食べれば不思議な力で過去へと誘ってくれる金平糖。その夕焼け色の金平糖をそっと口に含めば、遠き日の優しい夢が見られるかもしれません――。あなたの心のまんなかを揺さぶる物語がここにあります。大反響! 時をかける感涙のファンタジー!!
<書店員のおすすめコメント>もし、過去に戻ることができたとしたら──。ひとりぼっちだった頃の自分を抱きしめてあげたい。今はもう会えなくなってしまったあの人に会いたい。「おもいで金平糖」が起こす奇跡は、そんな願いを叶えるチャンスを与えてくれます。時間だけでは癒せないような傷を、誰もがきっと抱えているでしょう。叶わなかった夢や、届かなかった想いがあるでしょう。そんな孤独や寂しさを感じながら、それでも前を向いて生きる強さを与えてくれる一冊です。
<あらすじ>明治35年、春──。穂積きょうは、田舎に暮らす元気いっぱいの13歳。目の見えないお母さんを治せる薬があると聞き、村を出て東京に奉公に出ることになりました。見るもの、聞くこと、全てが初めてだらけ…きょうの新しい生活が始まります。明治時代を駆け抜ける、ドラマチック・ラブ!
<書店員のおすすめコメント>持田あき先生が描く風景は、いつも写真のように美しいです。中でも、『花めぐりあわせ』で描かれた明治時代の東京の景色は圧巻でした。まるで本当に明治時代にタイムスリップしてしまったかのように、読者をまんがの中に引き込む迫力があります。しかし、この作品で描かれるのは明治時代の美しい部分だけではありません。貧しい生活による一家離散や身分差で叶わない恋など、時代ゆえに胸を締めつけられる場面もたくさんあります。ラブストーリーとしてだけではなく歴史ものとしても楽しめる、盛りだくさんな内容の一冊です。
<あらすじ>「伝言」にまつわる甘く切ない願いや想いを描いた、胸に迫るオムニバス連作。岡山のある街を舞台に、それぞれの人間ドラマが重なり合う。20代の葛藤、焦り、悩みを正面から描いた、オトナ女子必読のいまイチバン泣けるストーリーです!
<書店員のおすすめコメント>『スイートソロウ』という言葉は、日本語の「切ない」に近しい意味を持っています。失敗したり、挫折をしたり、でももう子どもじゃないからいつまでも夢だけを見ているわけにはいかない。そんな切ない気持ちをほんの少し癒してくれる「伝言」をテーマとしたのがこの作品。「会いたい」と伝える代わりに青いリボンを結んだり、「了解」というたった二文字が「愛している」の証だったり…。たくさんの気持ちの伝え方が描かれていました。少年・少女を主人公とした物語を多く描いてきた持田あきでしたが、今回は大人のための物語です。寂しさを抱えた不器用な大人たちの生き方を、是非ご一読ください。
<あらすじ>大好きな貴方はいつもキラキラキラキラ輝いている。1年前から全てが完璧な伊臣先輩に片思いしている、ゆかこ。これまで何の接点もなかったのに、ある日紹介してもらえることになり…!? (表題作) 自分の力で幸せをつかんでいく4人のヒロインが登場! キラキラ光る青春ラブストーリーが詰まった読み切り集!!
<書店員のおすすめコメント>まさに青春!というような、少女まんがらしい少女まんが。憧れの先輩の言葉に影響を受けて新しいことを始めてみた女の子。わき目も振らずに自分の好きなものを追求する女の子。好きな人の夢が叶うように祈り続ける女の子。どんなことも楽しみ、どんな時も笑っている女の子。どの女の子もとっても魅力的です。キラキラしてまぶしい物語たちは、きっとあなたの心を明るくしてくれることでしょう。
<あらすじ>恋は、必ず叶うわけではなく、楽しいことだけでもない。ここは私立・小野寺高等学校。完璧じゃない僕たちは不器用に、でも一生懸命恋をした。1ストーリーにつき1人の偉人の言葉をテーマとしている、珠玉の青春オムニバスストーリー!
<書店員のおすすめコメント>アインシュタイン、チャップリン、マリリン・モンロー、アンネ・フランク。物語の最後には、それぞれ偉人の言葉が添えられています。特に印象的だったのは、クリスマスの朝につらい思い出を持つ女の子・みぞれが主人公の『バイマイミスター』。最後の1ページの添えられていたのは、クリスマスの朝に生涯を閉じたチャップリンの言葉。その言葉が、まるでみぞれのこれからの未来を照らしてくれているようで胸があたたかくなり、思わず涙がこぼれました。たくさんの希望とやさしさが詰まった4つの物語。是非読んでみてください。