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長尾謙一郎

長尾謙一郎。愛知県出身。大阪芸術大学在学中の1992年にデビュー。1999年に小学館の週刊ヤングサンデーで『おしゃれ手帖』の連載を開始する。第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で『ギャラクシー銀座』が審査委員会推薦作品に選出され注目を集める。近年は漫画家だけではなく映像作家やアートディレクターとしても活動している。シュールとファンタジーを散りばめた前衛的な作風は一部の漫画ファンから熱狂的な支持を集めている。

(マルヒロ/30代/男)

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長尾謙一郎先生の全6作品を掲載!

膨張する無秩序がたどりつくところ
おしゃれ手帖(全10巻)
表紙『おしゃれ手帖(全10巻)』 - 漫画
おしゃれ手帖(全10巻)
【連載誌】ヤングサンデー

<あらすじ>聖ヤンサン学園一の清純派といわれる小石川セツコ。お嬢様である彼女は、クラスの男子が口にした「ボッキ」という言葉が理解できず、クラスメイトたちにその意味を聞いてしまった。クラスで一番エッチなヤツが下品な笑みを浮かべながら指さす方を見てみると、男子の例の場所にぷっくりと山がそびえているではないか!大ショックを受けたセツコは、それ以来ボッキノイローゼ。戸棚のコケシも母の髪形も、なんでもかんでもボッキしたポコチンに見えてしまう。あまりにもお嬢様すぎて、一般的な常識にちょいと欠けるセツコ。頭のネジが外れまくった両親。ワイセツなことに興味津々の弟・チャック全開くん。この小石川家の4人が繰り広げる騒動を描いた下ネタ中心のギャグコミック。

<書店員のおすすめコメント>連載開始当初はメインキャラクターの小石川セツコを中心に家族や学校を舞台として描かれるギャグ漫画といった趣でしたが、徐々に登場キャラが増えていき、やがてそれらのキャラの独立した話が描かれていくようになると物語は抽象的かつ難解になっていきます。読み進めていくと平衡感覚が狂っていくような気分になります。その瞬間がとても心地よく、その快感をもう一度体験したいという思いからページをめくってしまいます。全10巻に凝縮された星雲のような輝きは最後に一体どんな光を放つのか。ぜひ本編をお楽しみください。

『おしゃれ手帖(全10)』コマ
一人の男が心の迷いを振り切るまで
ギャラクシー銀座(全4巻)
表紙『ギャラクシー銀座(全4巻)』 - 漫画
ギャラクシー銀座(全4巻)
【連載誌】ビッグコミックスピリッツ
第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品

<あらすじ>暗い部屋でひとり身支度を整える、ライブ前の竹之進。幕の外から聞こえてくる観客の声に耳を傾けながら、徐々に自身のボルテージを上げていく。満を持してステージに登場すると、そこには大声援を送る観客の映像が映ったテレビと、イタズラ用の固定電話機があって…。これは現代の神話なのか、それとも単なる古典的ナンセンスユーモア漫画なのか…?奇才・長尾謙一郎が全宇宙へ向けて放つ魂の叫びを聞け!!

<書店員のおすすめコメント>主人公の竹之進は10年以上も自室にこもり、夜ごと「ギグ」と称してイタズラ電話を繰り返しています。国民的シャンソン歌手の父と品行方正な母のもとに暮らす彼は何一つ不自由のない生活を送りつつも将来への不安と狂気じみた家族関係への疑問を感じていました。著者の前作『おしゃれ手帖』よりもストーリーは明解です。ただ宗教や哲学といった精神世界に軸足を置いているので少し難しく感じられます。一つの家族が崩壊していく様子と一人の男が自立を目ざす姿を描いた本作。3回くらい読んだら何かが理解できるかもしれません。

『ギャラクシー銀座(全4)』コマ
相模湾の水面に揺れる切ない恋模様
バンさんと彦一(全1巻)
表紙『バンさんと彦一(全1)』 - 漫画
バンさんと彦一(全1巻)

<あらすじ>Iloveyou...そのひとことが言えなかった。名作『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』の果てに迷い込んだ、純愛ラビリンス。バンさんの心が…ぜんぜんわかんないよ……!!『おしゃれ手帖』に登場したあの名コンビが帰ってきた……!!海を愛する太陽族の大男〈バンさん〉と、彼を慕うナイーヴな小男〈彦一〉が織りなす、切なくも甘い日々――。雑誌『QuickJapan』にて好評を博した連載「バンさんと彦一」オリジナル全11話+未収録1話を収録した、あるクソ暑い夏のメモリー。

<書店員のおすすめコメント>本作は『おしゃれ手帖』からのスピンオフ作品です。はげ頭にがっしりとした体躯が特徴のバンさんと、そんなバンさんに恋心をいだく若者・彦一のかけ合いを描きます。ボートの上、夏の太陽に照らされたバンさんと彦一。二人の恋模様は決して夏の太陽のようにというわけにはいきません。シュールや不条理といった長尾謙一郎ワールドは無論健在なのですが、それ以上に彦一のバンさんに対する一途な気持ちが描かれており読み進めていくと胸が締め付けられます。湘南の海を舞台に紡がれる一方通行のラブストーリー。ハンカチのご用意を。

『バンさんと彦一(全1)』コマ
主人公・長尾謙一郎に明日はあるのか
PUNK(全4巻)
表紙『PUNK(全4)』 - 漫画
PUNK(全4巻)
【連載誌】ヤングアニマル

<あらすじ>2009年、熱帯夜。漫画家・長岡謙一郎のもとに突然ファンを名乗る大柄な外国人女性がやって来た。最もパンクな世直しの旅が始まる!

<書店員のおすすめコメント>本作の主人公は長尾謙一郎本人です。2009年7月10日。謙一郎の自宅を突然訪れた外国人女性のシモーナ。彼女は彼に「革命ヲ起コシマショウ…」と持ちかけます。そして謙一郎の現在の生活が幻想の世界であることを告げるのでした。すべては“奴ら”が操るイリュージョンであると。二人は世直しの旅に出るのでした。本作はロードムービーのように“奴ら”を倒すための旅路を描いていきます。彼らを追う公安警察の蛇森(じゃもり)やシモーナが所属する組織のボスであるセドリックなどクセのあるキャラ達もいい味を出しています。

『PUNK(全4)』コマ
真実の楽園。それはどこかに存在する
クリームソーダシティ(全3巻)※3巻のみ販売中
表紙『クリームソーダシティ(全3)』 - 漫画
クリームソーダシティ(全3巻)
※3巻のみ販売中

<あらすじ>“そこはある。きっとある。そこでは全てが完璧なんだ。”楽園・クリームソーダシティはどこにもないが、どこかにある場所。そこに行く方法は『政治家を殺すこと』…? 元小室ファミリー・DRTのDr.皇とタコ介が都会の片隅で傷つき涙し、楽園を目指す! 今、もっとも過激な物語。君のハートにDOシャイラー!!!!

<書店員のおすすめコメント>本作は2014年に突然打ち切りとなりました。理由について「ある権力による圧力」であると著者本人が言及したことで大きな話題になりました。主人公はDr.皇とTAKO介という二人の若者。二人はドゥ―・ザ・ライト・シング(D・R・T)というJ-POPユニットとして活動していました。彼らはミュージシャンは廃業しながらも、かつてのユニット名よろしく“正しいことを行なう”非営利団体という体裁で便利屋稼業に勤しんでいました。以下、『クリームソーダシティ 完全版』の<書店員のおすすめコメント>に続きます。

『クリームソーダシティ(全3)』コマ
神話は完結する。それは新たなる始まり
クリームソーダシティ 完全版(全1巻)
表紙『クリームソーダシティ 完全版(全1)』 - 漫画
クリームソーダシティ 完全版(全1巻)

<あらすじ>鬼才・長尾謙一郎がおくる渾身の最高傑作、ここに堂々完結! “そこはある。きっとある。そこでは全てが完璧なんだ。”雨の渋谷で政治家を襲撃したDr.皇とTAKO介は、気がつけば一瞬にして楽園「クリームソーダシティ」に立っていた。謎の美少女に導かれ、楽園と日常とを行き来するTAKO介。世界の真理に肉薄するDr.皇。はたしてこれは現実なのか──? 2014年5月に「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)での連載が未完のまま突如終了し、長らくのあいだ漫画読みに語り継がれてきた幻惑の楽園譚『クリームソーダシティ』。本当に描きたかった“結末”がここにある。

<書店員のおすすめコメント>彼らは“正しいことを行なう”という名目で、渋谷駅前で政治家を暗殺します。逃げようとする彼らの前に現れたホームレス風の老人。老人に抱きしめられた二人は気が付くとエメラルドグリーンの波が打ち寄せる砂浜に立っていました。目の前には瀟洒なホテルとおぼしき建物。彼らはそこがクリームソーダシティであると聞かされるのでした。テーマとしては前作の『PUNK』に近いものがあります。しかしより不可解でカルトチックなストーリーとなっています。問題作にして超傑作の本作を完結話となる最終章まで存分に味わってください。

『クリームソーダシティ 完全版(全1)』コマ
  • ご注意事項
  • ※本ページに掲載している連載中作品の巻数は、2018年9月時点のものです。