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押切蓮介

押切蓮介。神奈川県川崎市高津区出身。1998年に「週刊ヤングマガジン」(講談社)に掲載された『マサシ!!うしろだ!!』でデビュー。ホラー✕ギャグのような一見相いれないものを融合させたり、猟奇的な表現や、人間の醜い心理描写を描いたりな幅広い作風と、見れば一発で著者だとわかる独特な絵柄で漫画界にオリジナル路線を開拓し続けている。

(六文銭/35歳/♂)

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押切蓮介先生の全23作品を掲載!

そして でんせつが はじまった!
ハイスコアガール(全10巻)
表紙『ハイスコアガール(全10巻)』 - 漫画
ハイスコアガール(全10巻)

<あらすじ>『ポリゴン』って何? 食えんの? そんな2D全盛期だった古き良き格ゲーブーム到来の1991年。ヤンキーとオタクとリーマンが蔓延る場末のゲーセンに、彼女は凜と座していた──。表紙描き下ろし、加筆、修正、16Pの描き下ろし特別読み切り掲載のリニューアル版! ※「ハイスコアガールCONTINUE」1巻は、「ハイスコアガール」1巻からストーリーはそのままに、表紙描き下ろし、加筆、修正、16Pの描き下ろし特別読み切りを掲載したリニューアル版です。

<書店員のおすすめコメント>著者を語る上でこの作品を外すことはできないでしょう、ってことでトップバッターです。
ちなみに自分も本作でヤラれてから、気がづけば「押切ワールド」に引き込まれ、はてはWEBで描いている漫画や、イベント情報までチェックしてしまっている始末。独特の絵柄とギャグ、ホラー、人情話、そして心抉る物語など著者の作風の広さは圧巻ですので、本作しか読んだことないって人は、これを機に是非チェックしてみてください!
さて、本作の魅力なのですが、なんといっても「テレビゲーム」「駄菓子」そして少年時代の「淡い初恋」…といった、私のような30代おっさんをノスタルジックに刺激する要素がモリモリなところでしょう。時代背景を丁寧に切り取ったストーリー展開。ゲームのキャラ達が語りかけてくるというゲーム好きにはたまらない演出。まるで自分の周りにもいたかのような登場人物達が、リアルな存在として眼前にせまり、我々を「あの時代」へと連れて行ってくれるのです!経験に根付くものが多いですが、それゆえに共感した人は、どハマりすること間違いなしでしょう!

『ハイスコアガール(全10巻)』コマ
妖怪は殴る!グーで殴る!
でろでろ(全16巻)
表紙『でろでろ(全16巻)』 - 漫画
でろでろ(全16巻)
【連載誌】ヤングマガジン

<あらすじ>ちょいとワルを気取る日野耳雄(ひの・みみお)、中学3年生。霊感体質のため、怪奇現象に出くわしやすいが、だからといって事件を解決したりはしないのだ。同じくオカルト耐性の強いクールな妹、留渦(るか)がかわいくっていろいろ世話焼きしてるけど、お兄ちゃんの愛は一方通行。とかく世間は生きにくい!?妖怪と耳雄のオモシロコワい日常生活、クセになるホラーギャグ漫画!!

<書店員のおすすめコメント>ホラーにギャグを融合させた快作。主人公は血圧高めの喧嘩っぱやい中学生耳雄。超ド級のシスコンというおまけつき。 重度の霊感体質なせいで、ふとした瞬間に彼の周りには幽霊や妖怪がはびこってます。
が、あまり怖くないので安心してお読みください。殴れます。なんなら、頭突きだってできます。何でもあり。
また本作の妖怪はすべて作者のオリジナルなのですが、どこか滑稽なのが、しょうもなくて面白いです。
例えば、飼い犬に嫉妬して犬小屋を奪う「犬小屋婆」とか、スナック菓子を開けようとすると破裂して飛び散らせる「ビビリダマ」とか…なんとも地味な嫌がらせが多く、それらを腕力(物理)で解決していくというストーリーは爽快の一言です。

『でろでろ(全16巻)』コマ
新境地 肉弾ホラーアクション
ゆうやみ特攻隊(全13巻)
表紙『ゆうやみ特攻隊(全13巻)』 - 漫画
ゆうやみ特攻隊(全13巻)
【連載誌】月刊少年シリウス

<あらすじ>姉の仇は極悪霊!?最愛の姉を目の前で悪霊に殺された翔平(しょうへい)は、復讐を誓い心霊探偵部の扉を叩いた。拝金主義の花岡(はなおか)隊長のパシリ兼霊感犬2号の栄誉あるエサ係という屈辱に耐え、ヘタレ翔平の仇討ちへの長く険しい道のりが始まる。押切蓮介、会心の肉弾ホラーギャグ!!!!!!!!

<書店員のおすすめコメント>都市伝説や心霊事件を扱う部活「心霊探偵部」の活動を描いた本作。『でろでろ』同様、基本殴って解決なのは変わりません。
ただ、『でろでろ』と異なるのは、『でろでろ』が終始ギャグテイストなのですが、本作は中盤~終盤にかけて後述する『ミスミソウ』や『ツバキ』といった作品で出てくる暗い部分が出てきます。徐々にギャグからシリアスに転換していき、結局は幽霊よりも人間の残酷さのほうが怖い…という展開になっていきます。
底抜けに明るい、テンポの良いセリフまわしを活かしたギャグ展開を陽とすれば、こちらの展開は陰と表現できます。そっちの押切節も嫌いじゃないぜ!って人は、陽と陰がほどよく混じった本作は非常に楽しめる1冊だと思います。

  • 『ゆうやみ特攻隊(全13巻)』コマ
  • 『ゆうやみ特攻隊(全13巻)』コマ
本格ホラー漫画 ×物理攻撃 ○精神攻撃
サユリ(全2巻)
表紙『サユリ(全2巻)』 - 漫画
サユリ(全2巻)
【連載誌】バーズ

<あらすじ>この家に住んでた人って…どんな人だったの…?夢の一戸建てマイホームへと引っ越した神木家。しかし、家族7人揃ってのありふれた幸せを満喫する間もなく次々と不幸で不気味な出来事がこの一家にふりかかる…。鬼才・押切蓮介の超絶ホラー、開幕――。

<書店員のおすすめコメント>ホラーと言いながらギャグテイストな今までと一風変わった毛色の本作。押切蓮介による本格ホラー漫画と言ってもいいでしょう。
ここまで読むと、ホラー漫画ってこうだったよねと謎の納得感を得られます。殴っちゃダメだよね、と。そのギャップも相まって、腰を抜かしてしまう1冊。
心機一転で引越した主人公たち。得も言われぬ謎の視線や恐怖をところどころで感じながらも生活を続けていきます。しかし、住めば住むほど家族がまた一人また一人と亡くなっていく怪現象が発生。その謎は何なのか?というお話。基本ゆっくりと進んでいくストーリー展開は、緊張を生み、どこで爆発するかヒヤヒヤしながら読み進められます。
また著者独自の死生観も垣間見られて、今までとちょっと変わった押切蓮介が楽しめます。

  • 『サユリ(全2巻)』コマ
  • 『サユリ(全2巻)』コマ
  • 『サユリ(全2巻)』コマ
感動のラストまで一直線だ!
プピポー!(全3巻)
表紙『プピポー!(全3巻)』 - 漫画
プピポー!(全3巻)
【連載誌】FlexComix ブラッド

<あらすじ>主人公・姫路若葉(ひめじわかば)は、人には見えないモノが見えてしまう体質。そのせいで、周囲と馴染めない日々を過ごしていたが、不思議なイキモノを拾った日から、彼女の日常は変化していき……!? 奇才・押切蓮介が贈る、ちょっと怖いけど心温まる、新感覚のハートフルホラーコメディ!!

<書店員のおすすめコメント>アニメ化もした本作。3巻完結ながら、キレイにまとまっており3巻以内でオススメだったら、私の読書人生で候補にあげたい1冊。足しすぎず端折りすぎず、本当に描ききった作品だと思います。
さてその内容ですが主人公の姫路若葉(ひめじわかば)は霊が視える女の子。その体質のせいで、両親以外に誰にも心を開かず、一人孤独な少女でした。そんなある日ダンボール箱に捨てられていた謎の生物「ポーちゃん」と出会ったことで物語は進みます。一見、へんちくりんなポーちゃんですが、読みすすめていくと謎の愛くるしさをまとうから不思議です。ポーちゃんと一緒に怪奇現象を解決していき、徐々にクラスメイトとも打ち解けていくというハートフルコメディな1冊。このポーちゃんの正体は何なのか?最後まで読めばその答えがわかります。

  • 『プピポー!(全3巻)』コマ
  • 『プピポー!(全3巻)』コマ
時代は代わる 変わらない価値観
ピコピコ少年(1~3巻)
表紙『ピコピコ少年(1~3巻)』 - 漫画
ピコピコ少年(1~3巻)

<あらすじ>あの頃ゲームがなければ、死んでいたかもしれない。今だから語れる、自伝的ゲーム青春グラフィティ!●ファミコン中毒のきっかけとなった少女との淡い出会い「初恋少年」●ユートピアだったあの駄菓子屋は今?「駄菓子屋少年」●FFV発売を待つ列の先頭での恐怖の一夜「行列少年」●俺のBrandNewHeartはどこに?「センチメンタルハート少年」●雨の日に最高に贅沢にプレイする方法「秘密の城少年」……みんな実話です!!

<書店員のおすすめコメント>作者の幼少期を中心に描いた本作。1980年代あたりの人にとっては、あの時代特有のあるあるネタが多すぎて、 フラッシュバックします。とりわけ、子供の頃はファミコンが登場し、ゲームがど真ん中だった時代でした。
タイトルの「ピコピコ」とは、コントローラのボタンを押す様がピコピコしているからなんですが、この表現がもう懐かしい。
親から「ピコピコばっかするな!」とはよく言われたもんです。インターネッツが普及した今の子供たちはどうなんでしょうか?
ECサイトだのダウンロード販売などが勃興して、ゲームを買うのに朝から並ぶとか、カセットをふぅふぅするとかもうわかんないんだろうなぁと読んでいて、ふと切ない気分になれます。便利になって失われてしまった、懐かしくも愛おしい数々が詰まっている作品です。

  • 『ピコピコ少年(1~3巻)』コマ
  • 『ピコピコ少年(1~3巻)』コマ
  • 『ピコピコ少年(1~3巻)』コマ
下ばっか見たってしゃーないんです
猫背を伸ばして 新装版(全1巻)
表紙『猫背を伸ばして 新装版(全1巻)』 - 漫画
猫背を伸ばして 新装版(全1巻)
【連載誌】COMICメテオ

<あらすじ>『ハイスコアガール』『ピコピコ少年』の押切蓮介が、幼少期から現在に至るまでつねに「俺クオリティ」=何をやっても自分ばかりいつも上手くいかないどんくさい日々を独特の虚脱タッチでゆる~く綴った絶品“苦"笑エッセイ。入手困難となっていた旧版(Bbmfマガジン刊)に、押切蓮介史上初となる、自身の恋愛エピソードを赤裸々におっぴろげて語った描き下ろし18Pを追加した 待望の新装版にして、これぞ決定版!!

<書店員のおすすめコメント>自叙伝的な作品。漫画家になる前、バイト先やら私生活やら何やっても報われなかった日々をシニカルたっぷりに描いております。 ここで著者がよく使う「俺クオリティ」という表現が出てきます。ツイていない出来事が自分にだけ起きてしまい 「俺っ!!」「俺っ!!」と心のカンシャクを起こす状態のことをさします。例えば、文化祭の日に限って熱を出すとか 、皆できるのに一人だけできない、とか。なんとなく自分にもそんな状態があるので理解できてしまうのが悲しい。
しかし、そんな陰惨な気持ちをふっとばすのが、他ならぬ母の存在。
容姿こそパンチパーマで気合入ってますが、いざという時、作者の支えになっているの感じがとても暖かい。
タイトルも母の言葉のようで、辛く苦しいことは多いのですが、それを糧に前を向いてシャンとしたくなるそんな1冊です。

  • 『猫背を伸ばして 新装版(全1巻)』コマ
  • 『猫背を伸ばして 新装版(全1巻)』コマ
身近にいる偉大な存在「母」の物語
HaHa(全1巻)
表紙『HaHa(全1巻)』 - 漫画
HaHa(全1巻)
【連載誌】モーニング

<あらすじ>自分をこの世に生んだ人間の半生、必ずそこには物語が存在する。いつか母が死んでしまった時、母のことをもっと聞いておけばと後悔するのは嫌だ。親の半生に関心を持って人生話に耳を傾けるのも一つの孝行だと、僕は思う。

<書店員のおすすめコメント>『猫背を伸ばして』『ピコピコ少年』などで著者の作品にちょいちょい出てくる作者のお母様のお話。 口うるさく破天荒ながらも、時折真理をついてくる金言の数々に胸うたれ、母ファンも多かったと思います。 私もその一人です。
内容は、母の青春時代のお話。意外にも(失礼)母は、旅館の娘というお嬢様?育ちでした。躾に厳しく、それが息子である著者にも口うるさくなっている部分だったのでしょう。ネタバレになるので詳細は控えさせていただきますが、家庭環境など、なかなかの波乱万丈な人生で、結果として何事にも動じない、ほろ苦い人生の味を滲み出すようになったのかと納得できます。
最後の母の手紙(おそらく直筆)は、その人生の過程を想像し涙を誘います。なにはともわれ母は偉大だと痛感しました。

『HaHa(全1巻)』コマ
荒唐無稽と笑うことなかれ出版業界の真実がここに!
狭い世界のアイデンティティー(1~2巻)
表紙『狭い世界のアイデンティティー(1~2巻)』 - 漫画
狭い世界のアイデンティティー(1~2巻)
【連載誌】モーニング・ツー

<あらすじ>この腐りきった漫画業界の中で、漫画家としてのし上がるには、漫画力だけは足りない…暴の力で漫画業界を邁進せよ。

<書店員のおすすめコメント>出版社って独特な雰囲気ありますよね。
歴史に裏打ちされた伝統に、関係者も多くないから漏れ聞こえてくるのは噂ばかりで、さながら伏魔殿と化しているように感じます。本作は、そんな出版社にマンガの持ち込みにいったら、上階から突き落とされ、串刺しにされた兄の敵を討つ主人公のお話。
……ちょっと何言っているかわからないかもしれませんが、出版社にマンガを持ち込みにいったら串刺しにされたようです。恐ろしいですね。
そこで、主人公は兄を殺した編集者が自ら名乗りを上げてくるように、マンガ家としてのし上がることを決意。それも「暴」の力で。ええ、つまりライバルの漫画家を殴り倒すのです!マンガ界も単純な画力やストーリーではなく、腕力も必要なんだと痛感されます。あ、犯罪じゃないの?という野暮はなしでお願いします。当然フィクションなんですが、随所に散りばめられたマンガ業界の「現実」(WEBマンガだとかSNS利用だとか)も垣間見えたり、あながちウソではない感じが興味をそそる1冊です。

  • 『狭い世界のアイデンティティー(1~2巻)』コマ
  • 『狭い世界のアイデンティティー(1~2巻)』コマ
ギャンブラー4人娘の自堕落コメディ
ぎゃんぷりん(1~2巻)
表紙『ぎゃんぷりん(1~2巻)』 - 漫画
ぎゃんぷりん(1~2巻)
【連載誌】漫画アクション

<あらすじ>パチンコ、麻雀、競馬…… 世の中に溢れるギャンブル!! 周りからどんな目で見られようが、どんなに心配されようが、楽しいものは楽しいんだ!! 目は死んでても希望でいっぱい。自堕落プリンセスたちの脳汁でっぱなしギャンブルライフ!! 押切蓮介の実践記事「密着!!押切蓮介の脳汁爆出賭博伝」も収録!!

<書店員のおすすめコメント>女の子4人が主人公。もともと(個人的に)絶妙な可愛さの女の子がたまらないと思っているのですが、今回は色とりどりに4人もいて興奮度MAXですぞ!…んが、しかし全員ギャンブラー(というよりもただの中毒者)で、徹夜で麻雀したのに、その足で朝からパチンコ屋の前に並ぶというシビれるクズっぷりを見せてくれます。みなぎる青春時代をお金とともに溶かしていきます。狂おしいほどおバカ。でも可愛いからいいや。また、CRミスミソウという自身の作品もパロディしてて、著者ファンは楽しめる1作に仕上がっているかと

『ぎゃんぷりん(1~2巻)』コマ
復讐心から鬼と化す少女
ミスミソウ 完全版(全6巻)
表紙『ミスミソウ 完全版(全6巻)』 - 漫画
ミスミソウ 完全版(全6巻)

<あらすじ>「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!

<書店員のおすすめコメント>これまでとは打って変わってギャグテイストが一切ないので、『ハイスコアガール』で入った方は以降の作品は一旦ちょっと落ち着いてから読んで欲しい作品。「陽」から「陰」にモードチェンジです。
暴力シーンの多さ、後味の悪い展開など、何も知らないで読んだらトラウマになるレベルです。自分がそうでした。
ただ、読むのがツライのに読む手が止まらないため、著者のストーリー展開のウマさが際立っている作品でもあります。
さてその内容ですが、主人公は東京から田舎のとある中学校に転校し、そこで閉鎖的な村意識による嫉妬でいじめの対象になってしまいます。だんだんとそれがエスカレートしていき、ついには家族を放火で焼き殺されてしまいます。そこから彼女の血なまぐさい復讐劇がはじまります。全6巻と短いですが、復讐をベースに濃縮されたストーリーとラストの衝撃と相まって心を容赦なく抉ってくる作品です。

  • 『ミスミソウ 完全版(全6巻)』コマ
  • 『ミスミソウ 完全版(全6巻)』コマ
最強格闘家と少女の物語
焔の眼(全6巻)
表紙『焔の眼(全6巻)』 - 漫画
焔の眼(全6巻)
【連載誌】漫画アクション

<あらすじ>1945年、敗戦国、日本。異国の植民地となったこの国において、日本人は奴隷のような生活を強いられていた。死と隣り合わせの日常の中、売春宿の下女として働く少女は出会う、神をも恐れぬ戦慄の拳に……!!暗黒の日本を生き抜く屍山血河のバイオレンスファンタジー、ここに開幕!!

<書店員のおすすめコメント>中央アジアに位置する架空の国「ショルゴール」。その国は、1929年世界50ヶ国に宣戦布告し圧倒的な武力で各国を支配下におき、ついには日本も敗戦してしまう。ただ異なったのは、各国すべて服従の一択であったにも関わらず、日本人は己の腹を切り自決の道を選んだ。敗れてなお、日本人としての誇りと「ショルゴール」に抗う姿勢を見せた日本。本作は、そんな滅びてしまった日本を舞台に、ショルゴールと日本人のハーフである沙羅(さら)と、およそ人間離れした格闘能力をもつ陀大膳黒(だたいぜんくろ:通称クロ)が、軍事国家「ショルゴール」に立ち向かうバトルマンガとなっております。
日本が戦争で負け家畜同様の扱いをうけるIFの世界。えげつないほどの人間の汚さ、胸糞悪い描写に、ギャグ作品と比較して改めて作者の作風の幅の広さを痛感させてくれます。そしてどうか、最終巻までたどり着いて欲しい。圧倒的な軍事力を前に素手で闘い続ける圧倒的なまでのクロの姿と予想できない結末に、正義とは、美しく生きるとは、そんなことを感じさせてくれる渾身の一冊です。

  • 『焔の眼(全6巻)』コマ
  • 『焔の眼(全6巻)』コマ
  • 『焔の眼(全6巻)』コマ
救うものの重責と悲哀
ツバキ(全3巻)
表紙『ツバキ(全3巻)』 - 漫画
ツバキ(全3巻)
【連載誌】ネメシス

<あらすじ>マタギの少女が撃つは、人か魔か――!!山に生まれ棲むマタギの少女・椿鬼(ツバキ)。人間たちの醜い所業が山を穢すたび、彼女は村田銃(シロビレ)を手に彼らの前に姿を現す。その瞳に深い哀しみの色を湛えて――。大自然の狭間に生きる人間の業を描く新シリーズ!

<書店員のおすすめコメント>マタギの少女ツバキが主人公のお話。山奥や閉鎖的な村で繰り広げられる因習の怖さ、そしてそれを作り出す人間の業の深さを見せつけられる本作。ツバキは、そうした環境から一歩引いたところで対峙し、解決へと導いていきます。そして、時には、不条理によって解決できない場合も描いており、ただの勧善懲悪にはない物語の深みを感じさせます。ダークな押切節の魅力ともいえる、この読めない流れは毎度どう転ぶかハラハラします。何モノにもすがれない時、弱さを自覚した時、人は強くなるのです。

  • 『ツバキ(全3巻)』コマ
  • 『ツバキ(全3巻)』コマ
おどろき町 それはおバケと人間が共存する町
おどろ町モノノケ録(1~2巻)
表紙『おどろ町モノノケ録(1~2巻)』 - 漫画
おどろ町モノノケ録(1~2巻)

<あらすじ>ホラーギャグの生みの親、『でろでろ』の押切蓮介先生の最新作。オバケと人間が共存する不思議な町“おどろ町”。ここに住む少年・貝は、大の妖怪ギライだった。だが、貝のまわりでは、妖怪がらみの事件ばかりが起きて…!押切先生らしいシュールな笑いが満載。抱腹絶倒のホラーギャグを見逃すな!

<書店員のおすすめコメント>人間とオバケが共存する町「おどろ町」そこでおりなす人間とオバケのドタバタコメディ。本作は、あくまでオバケと共存なので、犯罪を犯したオバケ専用の刑務所があったりなど、独自の設定が面白い本作。 いつもグーパンするのが押切ホラーなのですが、本作の主人公の貝くんは、むしろ気弱でマザコン。 しかも、最初からヒロインに恋愛感情をもっている(相手にはされない)など、いつもの主人公と少し異なる点が 特筆点です。 オバケも心なしかかわいい存在で、こんな町も悪くはない・・・と思ったり思わなかったりする1冊です。

  • 『おどろ町モノノケ録(1~2巻)』コマ
  • 『おどろ町モノノケ録(1~2巻)』コマ
オバケと住まなくても変わらなそうな二人
ぼくと姉とオバケたち 完全版(全1巻)
表紙『ぼくと姉とオバケたち 完全版(全1巻)』 - 漫画
ぼくと姉とオバケたち 完全版(全1巻)

<あらすじ>姉さん!! この家、前はお墓だったらしいじゃないか!!それだけじゃないわマサル…。墓の前は病院…その前は火葬場…そして墓…さらに前は刑場…で…墓があってさらに前は合戦場…そんな事も知らなかったのバカねぇ…。うわあああああああああ! ! ! オバケが住んでいる家に引っ越してきてしまったオバケが怖くない姉・麗子と怖がりの弟・マサルの物語が完全版として登場! 第1話を連載時のままにカラー収録/「スキスキ!!アクアリウム」収録/描き下ろし特別編つき収録作品:僕と姉とオバケたち(1)(2)/スキスキ!アクアリウム/書き下ろしも追加収録!★単行本カバー下イラスト収録★

<書店員のおすすめコメント>引っ越した先が、元墓場で、その前は病院、その前は火葬場、そしてさらに前は刑場と、もうおばけ出て当たり前みたいな家に引っ越してきた姉弟の話。著者にとっては珍しい4コマ形式。毎回何らかの幽霊が登場し、いたずらしたりされたりします。
姉が凶暴でオバケを平気で足蹴にするのが『でろでろ』の耳雄に通じます。オバケに、ゲームのレベル上げとかさせます。幼稚園の先生なんだから驚きです。巻末には、恒例(?)の自伝的特別描き下ろしもあり、こちらもまた楽しい。
クスクスと笑える1冊なので、肩の力を抜いて楽しんでいただきたいです。

『ぼくと姉とオバケたち 完全版(全1巻)』コマ
おばあちゃん 怒りのメガトン竹槍
ぐらんば(全1巻)
表紙『ぐらんば(全1巻)』 - 漫画
ぐらんば(全1巻)
【連載誌】バーズ

<あらすじ>山路八重・85歳。身寄りなし、生き甲斐もなし。先だった夫を「殺した」疑いをかけられ周囲の村人からは嫌がらせを受ける日々。それでも畑を耕し山菜を摘み、一筋の希望もない毎日を淡々と生きていた。そんなある日、山中で熊に襲われた八重は逃げる途中に崖から転落してしまう。気絶から目覚めた彼女が目にした光景は……!?

<書店員のおすすめコメント>圧倒的なバトルシーンが満載な本作。
主人公は山奥の村でひっそり一人暮らしをする85歳の老婆。夫は亡くなっており、村からはその夫を殺した犯人と噂される始末。そんな中、ある日、山の中で滑落し一人死を覚悟したところに、どこからどうみても凶暴な物の怪が現れます。
そして、その物の怪に食われそうになったが刹那、老婆の中にふつふつとある感情が湧き上がってきます。ここは死に場所じゃない、こんな死に方はイヤだと。そこからみなぎる生命力で、竹槍を武器にバッサバッサとなぎ倒していきます。昔、戦時中にならっただけの竹槍を武器に闘う老婆!なんだこの新ジャンル!さらには、死んだ爺さんまで死霊として現れ、死にたくない一心だった生命力は、死んでたまるかの怒りへと代わり、そこからの怒涛の展開は圧巻。怒りが自分を代える一番の原動力なのだと謎の感心しました。

  • 『ぐらんば(全1巻)』コマ
  • 『ぐらんば(全1巻)』コマ
  • 『ぐらんば(全1巻)』コマ
  • 『ぐらんば(全1巻)』コマ
初期の短編目白押し ファン垂涎1冊
おばけのおやつ(全1巻)
表紙『おばけのおやつ(全1巻)』 - 漫画
おばけのおやつ(全1巻)
【連載誌】OHTA COMICS

<あらすじ>噴火した火山のふもと村に残された、たった1匹の犬の魂の彷徨を描く44P異色感動巨編「Beautiful」。コンパからはぐれた青年たちが一晩じゅう都内ミステリースポットを徘徊すハメになる「東京トワイライトゾーン」。猿の観光名所にて、猿、幽霊、人間3つどもえのハイパーバトルが開始される「やめろ!サルをいじめるな!」。転校生は妖怪だった…!!夜の学校で校長一族の秘密が明かされる「一体何故!校長が私を襲う!!」。……などなど、描き下ろし最新作を多数収録!!

<書店員のおすすめコメント>ここまでくるとファンアイテムの域です。短編集なのですが、全体的な方向性(ホラーよりとかギャグより)とか特になく、 本当に多彩な作品が収録されております。けれど、セリフや描写で随所に感じる「押切ワールド」に、思わずニヤリな1冊。 また、「ギガナイフ」という作品は初期作なのか、ここからの進化の度合いに は純粋に目を見張ります。
ピコピコ少年の番外編もあるのでファンとしては持っていて損はない1冊かと。

『おばけのおやつ(全1巻)』コマ
短編集その2 ややホラー要素高
ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!(全1巻)
表紙『ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!(全1巻)』 - 漫画
ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!(全1巻)
【連載誌】OHTA COMICS

<あらすじ>最新描きおろしから超レア読切まで。コワくて笑えて癒される、ミラクル押切ワールドの万華鏡コレクション!!

<書店員のおすすめコメント>『おばけのおやつ』よりは、ホラーに傾倒した短編集。麻雀漫画も一部ありますが、相手は妖怪なんでご安心ください。
また、シリアステイストな作品もあるので、油断するともってかれますのでご注意を。
巻末にはおばけが嫌いだ標榜していますが、それでも描き続ける理由(実際、この本が出たあと大量に描くことになる)もあって、 とても興味深い1冊となっております。

『ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!(全1巻)』コマ
ギャグなし!完全ホラーの短編集
暗い廊下とうしろの玄関(全1巻)
表紙『暗い廊下とうしろの玄関(全1巻)』 - 漫画
暗い廊下とうしろの玄関(全1巻)
【連載誌】幽COMICS

<あらすじ>はたして、幽霊はいるのか?怪談は不謹慎なものなのか?自身の周辺でおこった怪異譚から、己の怪談観をつまびらかに描く問題作まで、怪談をこよなく愛する押切蓮介が描く怪談実話系コミック。

<書店員のおすすめコメント>表紙からみてわかりますか?今回は一切ギャグがありません。怪談話や自らの体験談など実話をベースに1話あたり10ページ程度で構成され、サクッと読めてドキッとさせてくれます。幽霊を物理で殴る世界がどこか遠く優しい世界のように感じます。 霊という存在するかしないかわからないものに、翻弄される人間をとくとご覧あれ。

  • 『暗い廊下とうしろの玄関(全1巻)』コマ
  • 『暗い廊下とうしろの玄関(全1巻)』コマ

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