ebook japan

安達哲

安達哲。1986年、『卒業アルバム』で「週刊ヤングマガジン」の新人賞を受賞しデビュー。2003年、『バカ姉妹』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。人間の純粋さとその裏側の汚さ、両面をリアリスティックに描き出す作風が特徴。

(kkkkk/30代/男性)

\お得なキャンペーンは10/25(木)まで/

安達哲先生の全7作品を掲載!

10代男子は閲覧注意
さくらの唄(全2巻)
表紙『さくらの唄(全2巻)』 - 漫画
さくらの唄(全2巻)
【連載誌】ヤングマガジン

<あらすじ>鬱屈(うっくつ)した日々を送っていた高校生・市ノ瀬利彦(いちのせ・としひこ)は、絵画を通し、学校のマドンナ・仲村真理(なかむら・まり)と親しくなる。彼女主演の映画を作り、文化祭で上映するべく、級友達と活動を始める利彦。真理という明るい太陽に照らされて、利彦の青春はようやく煌(きらめ)き出す――はずだった。’90年代、日本中の青少年の脳髄を揺さぶった、青春漫画の金字塔!!

<書店員のおすすめコメント>高校を舞台にして描かれるものといえば、学内のヒエラルキー、家族との関係、恋愛、そして性。いつの時代も高校生の問題や悩みなんてそうそう変わるものではなく、誰もがそうした作品に自分の青春を重ねてノスタルジーに浸ったりするのではないでしょうか。しかし! この作品はそんな安易な共感を許しません! 青春が美しいなどと誰が決めた? と言わんばかりのその内容は、例えるならば闇の中で汚泥に足を奪われて沈んでいくような、重く、暗く、汚れたもの。序盤こそどこにでもいる男子高校生の平穏な日常の話なのですが、ある出来事が起きてからは物語が急転直下。平凡な高校生のささやかな毎日、そして心が、汚れた大人たちによってこれでもかと蹂躙され、文字通りの破滅へ向かって突き進んでいきます。あまりにも救いの無い展開と描写には、戦慄と、そしてやり場のない怒りを覚えます。読後はとてもモヤモヤした気分になるのですが、それでも確実に心に何かを残す作品です。

『さくらの唄(全2巻)』コマ
様々な愛のかたちと高校時代の眩しすぎる煌めき
キラキラ!(全5巻)
表紙『キラキラ!(全5巻)』 - 漫画
キラキラ!(全5巻)
【連載誌】週刊少年マガジン

<あらすじ>高校2年生の慎平(しんぺい)は、刺激を求めて参加したエキストラのバイト先でひょんなことからスカウトされ、タレントなんかになる気もないのにあれよあれよという間に青晶(せいしょう)学園の芸能科に転校してしまい……!?――「すごく楽しいところよって言ってあげるわ」芸能学校のきらびやかな生徒達とフツーの高校生との友情、恋愛、失意。“ここではないどこか”に向かって跳ぶ若者達の青春群像。

<書店員のおすすめコメント>高校の芸能クラスを舞台にした青春群像……と言うとタイトル通りキラキラ感ですが、そこは安達哲ですので、もーう様々な葛藤や煩悶がそこかしこに! いろいろなキャラクターの、高校生であるがゆえの多種多様な恋愛観が描かれ、大人になった今読むといろいろもどかしいんですよねぇ(「あいつは初めてじゃなかったんだ…」etc.)。青年誌ではなく「週刊少年マガジン」連載ということで、高校時代の特権を語るラスト等、青少年に対する真っ当なメッセージを含んだ作品となっています。高校生のころのバカ騒ぎやどうでもいいことが楽しかったあの感じ、そういったものを懐かしく思い出してしまいます。

『キラキラ!(全5巻)』コマ
人間の業を煮詰めたような作品
幸せのひこうき雲(全1巻)
表紙『幸せのひこうき雲(全1巻)』 - 漫画
幸せのひこうき雲(全1巻)
【連載誌】ヤングマガジン

<あらすじ>両親の離婚問題で、田舎の祖母の家に預けられた少年・丸籐竜二(がんどう・りゅうじ)。ひっこみじあんな彼は、転校した学校でも仲間に溶け込めず、孤立していた。ある日、日直で残された教室で、担任の美人教師・西條美津子(さいじょう・みつこ)のスカートを覗(のぞ)いてしまう。「バラされたくなかったら言うことを聞きなさい」それから竜二の、美津子の性奴隷としての日々が始まった――。愛を求める少年の異常な体験を通して、人生の切り開き方を考えさせられる、安達哲の傑作!

<書店員のおすすめコメント>小学生が出来心で担任の女教師・美津子のスカートのなかを覗いてしまったことから始まる背徳の授業。マジで倒錯感が半端じゃねぇです。小学生男子にあんなことやこんなことをさせて悦に入り、自分の虚栄心や支配欲といったグロテスクな欲望を満たす美津子には眩暈を覚えます。こういった、自分よりも力や位が下のものに対して隷属を強いる描写は安達哲作品に多く見られますが、人間の身勝手な、一番醜いところを見せつけられている気分になりますね。正直気は滅入るのですが、退廃的なテーマやエロチシズムな表現等、とても文学的な作品だと思います。

『幸せのひこうき雲(全1巻)』コマ
不道徳だがスペシャルなヒロイン
お天気お姉さん(全8巻)
表紙『お天気お姉さん(全8巻)』 - 漫画
お天気お姉さん(全8巻)
【連載誌】ヤングマガジン

<あらすじ>女神降臨そして昇天! 時代が彼女を求めていたのか!? ニュース本番中、局内大パニックの衝撃映像で時代の寵児(ちょうじ)となったのは、新人アナのお天気お姉さん、仲代桂子(なかだい・けいこ)。人者アナの座を奪われた先輩アナ、河合倫子(かわい・みちこ)のイヤガラセに対しても完璧なまでに復讐を遂げ、ずんずんとゆく桂子。彼女の進む道をさえぎるものは何もない。今日も姉さんがゆく!

<書店員のおすすめコメント>夜のニュースにセクシーな衣装で登場しやりたい放題。性的にも奔放で、人を人とも思わない。主人公・仲代桂子のキャラクターはあまりにも不道徳で、いまではもうこんなキャラは描けないんじゃないでしょうか。自分に対する圧倒的な自信と、そのことに起因する他者の軽視や侮蔑。人によっては嫌悪感を抱くかもしれません。しかしそれでも人気を得ていたのは、その威風堂々としたたたずまいや、無理やりにでも周りを巻き込む行動力、何物にも阿らない発言が、バブル後の閉塞した状況に対するカウンターとなり得ていたからかもしれません。

『お天気お姉さん(全8巻)』コマ
高校生らしい惑い、楽しみ、恋
ホワイトアルバム(全1巻)
表紙『ホワイトアルバム(全1巻)』 - 漫画
ホワイトアルバム(全1巻)
【連載誌】週刊少年マガジン

<あらすじ>「かったりーよなァ、これから懲役3年だぜ」。第一志望の高校に落ちて黒目高校に来た鮎川健一(あゆかわ・けんいち)は、新学期早々、高校生活に絶望していた。人生を狂わした原因、今井亜希子もなんと同じクラス……。評判の美人、藍沢由美と、由美の元彼の臼井宏幸。同じ学校で偶然出合った高校生達が織りなす、それぞれの物語──安達哲鮮烈のデビュー作。

<書店員のおすすめコメント>最初の連載作ということで初々しさに満ち溢れてますね。内容的にも志望校に落ちて下のランクの高校に来た主人公が、変わった同級生と交わり……とある意味王道の高校モノ。しかし、抒情的なモノローグ等のちの作品にも見られる“らしさ”はもうすでにそこかしこにありますね。本作でのテーマをより強く打ち出しているのが次の『キラキラ!』だと思いますが、この2作品はどちらも「青春のきらめき」といった感じで大人には眩しいですね……。

『ホワイトアルバム(全1巻)』コマ
現代の寓話
バカ姉弟(全5巻)
表紙『バカ姉弟(全5巻)』 - 漫画
バカ姉弟(全5巻)
【連載誌】ヤングマガジン
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞

<あらすじ>バカ姉弟(きょうだい):豊島区巣鴨在住。ふたりは3歳(推定)。けがれなき子ら。多忙な両親は留守がちだけど、ご近所のみんなに愛されて、今日も元気に暮らしてる! 読めば読むほど味わい深い、見れば見るほどかわいい。安達哲が贈る現代のおとぎ話、オールカラーコミック26話&描き下ろしイラスト多数収録。

<書店員のおすすめコメント>「おねい」と「僕」の二人姉弟と、まわりの人々が織りなす日常。姉弟ふたりはデフォルメキャラですが、その周囲の人間はリアルな等身で描かれており、安達哲流の寓話といった趣。姉弟は天真爛漫かつ自由で、そもそもそんなにバカじゃないです。むしろ賢いとさえ言えるのでは…? 疲れているときに読むとほっこりしてクスっと笑える良作です。ラストで成長した二人を見たときは結構な衝撃でした。

『バカ姉弟(全5巻)』コマ

関連作品

  • ご注意事項
  • ※本ページに掲載している連載中作品の巻数は、2018年10月時点のものです。