＜あらすじ＞多分ふつうはカノジョと出会ったのは運命だったとか特別な何かを感じたとか、嘘でもそんなふうに言うのかもしれないけど、あの頃の僕は終始不機嫌でやさぐれていて、だから正直今振り返ってみてもカノジョに声を掛けたのはただの気まぐれで、ぶっちゃけ誰だってよかった。カノジョじゃなくても多分よかった――。

＜書店員のおすすめコメント＞このコミックスを本屋さんの棚で見つけた時のことは、今でもよく覚えています。同時発売だった1巻と2巻が並んで平積みされていたのですが、表紙がめちゃくちゃロックで、思わず1巻の上にぶら下がっていた試し読みの小冊子を手に取りました。そして、その30秒くらい後にはもう購入を決めていました。絵や台詞から溢れ出てくるパワーがすごくて、一瞬で圧倒されてしまったのです。そのまま完結まで追いかけ続けましたが、『カノ嘘』と過ごした日々は本当にあっという間でした。この作品には、主人公・理子とアキの恋物語以外にも、魅力的なエピソードがたくさんあります。バンドのメンバー間の確執、夢と現実の葛藤など、彼ら・彼女らが生み出すコントラストに心を奪われずにはいられません。1巻を読みはじめたが最後、ページをめくる手を止めることはできないでしょう。是非一度、『カノ嘘』の世界に足を踏み入れて見てください！

＜あらすじ＞キミは僕の、親友の彼女。「お前、虹のこと好きなんだろ？」アイツにそう言われた時、素直に「うん」と言えば良かった。「好きだ」「絶対、俺の方が好きだ」もしも、あの時そう言ってたら、神様は僕らにもっと違う運命をくれたのかな…？　高３の春、“あの放課後”が僕dらの恋を狂わせた…！　ラブストーリーの名手・青木琴美が描く恋と秘密と…　危険。

＜書店員のおすすめコメント＞第1話を読んで、とてもショックを受けました。読み終わった後、思わず一度本を閉じてしまったほどに。この作品は、これまでの青木先生作品とはどうも様子が違います。「恋と秘密と…　危険。」と紹介文にもあるように、危険な香りがずっと漂い続けているのです。物語は、主人公の虹と、彼女と仲の良い男の子・岳と日和の3人の恋模様を中心に進んでいきます。しかし、それぞれに胸に秘めた思いがあって、3人の関係はどんどん複雑になる一方…。これだけでもかなりハラハラさせられるのに、今作にはさらにミステリー要素も含まれるので、読者もただラブストーリーを楽しんでいるだけではいられません。このコメントを書いている現在はちょうど3巻が刊行されたところですが、正直、この先の展開が怖くて仕方がありません。でも、それゆえにページをめくる手を止めることができない…！　これまでの作品とはまた別の角度から読者の心を揺さぶってくる傑作です！

＜あらすじ＞心臓病で入院している逞（たくま）と逞の主治医の娘・繭（まゆ）はとても仲がよく、いつも逞の病室で遊んでいた。ある日、繭は逞が「二十歳まで生きられない」と両親が話しているのを耳にしてしまう。逞の運命を知った繭は、なんとか逞の病気を治そうとする。そして、逞は自分の運命を知らないまま、繭に「大人になったら結婚してくれる？」と告げるのだが…!?

＜書店員のおすすめコメント＞主人公の逞と幼なじみの繭は、これ以上にないほどのベストカップルです。自分が20歳まで生きられないと知った逞は繭を突き放すようになるのですが、繭は絶対にあきらめません。どうあがいても相手を忘れることができない2人。「運命の恋人」って、きっと逞と繭のような2人を呼ぶんだろうなと思わずにはいられませんでした。この作品は、結末を読者の想像に委ねる形で終わります。そのため、最終話がSho-Comi本誌に掲載された当時はたくさんの物議を醸したものでした。しかし私は、読者が読んだ数だけ、逞と繭の未来があるのではないかと思います。今回私も10年ぶりくらい読み返しましたが、最終話を読んだ後に想像したのは、初めて読んだ時とは違う結末でした。もしかすると、次に読み返す時はさらに別の結末を感じるのかもしれません。また新たな逞と繭の未来と出会うために、これから先の人生も共に歩んでいきたい。心からそう思える作品です。

＜あらすじ＞妹の郁（いく）と兄の頼(より)。幼いころはとっても仲のよい双子だったのに、15歳の今、なんでもできる頼と、なんにもできない郁は似てない双子。そんなとき、頼が郁に突然キスを！「子供のころからずっと、一番大切な女の子だった」と言う頼は、「オレを選ぶなら郁からキスして」と郁に迫るが…!?

＜書店員のおすすめコメント＞「禁断の恋」と一言でも言っても、身分差、教師と生徒、不倫関係…と色々あると思いますが、その中でも「近親相姦」というものは「禁断」の最たるものになるのではないかと思います。その「近親相姦」を描いた作品がこちらです。「第1話の展開でものすごい衝撃を受ける」というのは青木先生作品の特徴ではあるのですが、現在刊行されている青木先生のコミックスを振り返ってみても、やはりこの作品で受けた衝撃が一番大きかったです…。しかし、双子の兄妹とはいえ、2人のお互いを想い合う気持ちは純愛そのもの。とはいえ、やはり兄妹ですから、結ばれることは決してない…。切ないです…。青木先生は、「相手の心に愛情を注いで注いで注いで、零れてしまいそうになったとき、または、壊れてしまいそうになったときのギリギリの状態」の表現が本当に巧みだな…といつも思うのですが、この作品はそれが特に秀逸です。是非ご一読ください。

＜あらすじ＞末次忍はフツーの女子高生…よりかなり男ギライ！昔、男にイタズラされて以来男がダメ。そんな忍の前に現れた横溝（よこみぞ）は、その嫌な記憶の男そっくり。最も近づきたくないタイプなのに、好きだと告白されて!?

＜書店員のおすすめコメント＞この作品で、一番大好きなシーンをご紹介させてください。主人公の忍は、中学生の頃にイタズラをされたことがきっかけで大の男嫌いになってしまいました。しかし、そんな忍を想い続けるクラスメートの横溝くんは、どんなに忍に拒否されても、諦めずに少しずつ忍との距離を縮めていきます。そんなある日、委員会の仕事で帰りが遅くなった忍を横溝くんが家まで送っているときに、突然雨が降り出してきてしまいました。電話BOXを見つけた横溝くんはその中に忍を入れ、そして…。自分はそのまま外に立ち、雨に濡れ続けたのです!!　こんな狭いところに2人で入ったら、きっと忍は怖がるだろうという配慮からの行動なのですが、いやはやなんて男前なんでしょう…!!　ガラス越しに横溝くんの背中に触れる忍の指先を見つめながら、読んでいる私までドキドキしてしまいました。何度でも読み返したくなる名シーンです!!　全力でオススメします!!

＜あらすじ＞まりを助けてくれた男前の彼は、まさにまりの理想そのもの！ついに王子様を見つけたと大興奮のまりだけど、この男・千秋は恐るべき二重人格。親の都合で同居を始めたとたん、イジワルな本性まる出しで、ファーストキスまで奪われちゃった!!

＜書店員のおすすめコメント＞偶然出会った理想の王子様。もう一度会いたいなぁ…なんて考えながら家に帰ったら、なぜか彼が家に…！　しかも同居することになっちゃって!?　いやもう、女子なら一度は夢見るシチュエーションですよね。しかも、めちゃくちゃ外面良いくせに、私だけにはイジワルな本性見せてくるとかね、最高ですよ。ちょっとおバカだけどまっすぐで正直な「まり」と、いつも一枚も二枚も上手を行く千秋くんの関係に、キュンキュンさせられっぱなしです。千秋くんはいつも「まり」をいじめているけれど、「まり」の反応がかわいいからいじめずにはいられないんですよね。わかります。ごちそうさまです。相性バッチリな2人の関係に、思わず微笑んでしまうこと間違い無しです！

＜あらすじ＞引っ越しと同時に失恋した圭（けい）。新しい街で偶然出会った名前も知らない男の子と、忘れられない一夜を過ごしますが、２人は学校で再会し…？

＜書店員のおすすめコメント＞彼氏の浮気にショックを受けてヤケ酒をあおっていたら初対面の男の子が助けてくれて、しかもそのまま朝まで気晴らしに付き合ってくれて…。もうこの時点で新しい恋の始まりじゃない！？と読者的には思ってしまうのですが、主人公・圭はこの出来事を「一晩限り」と割り切り、名乗りもせずに彼の元を去ります。しかし、その数時間後、登校したら同じクラスに彼がいてー…！？ そんなのもう運命でしょ！！早くくっついちゃいなよ！！と読者的には大興奮なのですが、さすがは「禁断の恋」の名手・青木琴美先生。簡単にはハッピーエンドにしてくれません。なんと、再会した彼・幸也には彼女がいたのです…。諦めよう。諦められない。圭の葛藤が切なくて切なくて…。こんな形の「禁断」もあるのかと、胸がギュッと痛くなりました。青木琴美先生が描く「一晩限り」のその先を、是非ご堪能ください。