<あらすじ>5人の中学生が、昇段試験で黒帯をとった。粉川巧、同じ北中の杉、南中の斉藤、それに東中の三溝と宮崎だ。かつてのライバル同士が、意外な形で再会したのは、高校の入学式。しかも同じクラス。でも、この浜名湖高校には、柔道部がなかった。そこで彼らは、柔道部を自分たちで創部する。全員一年生の新生・浜名湖高柔道部がスタート!!
<みどころ>通称「帯ギュ!」。1年生だけの5人でスタートした浜高柔道部の大躍進に、ページをめくる手が止まりません。 リアルな試合シーンは手に汗握り、また、5人それぞれに用意された「魅せ場」は読んでて高揚感がすさまじい! 特に、巧が勝ちまくって会場中が魅了されるシーンとか鳥肌モノ。あのとき私は会場の観衆と一体になりました…! さらに、巧たちと並行し同時進行で描かれる天才少女・来留間麻理(いいキャラでしたね!)たち女子柔道部員の活躍にも胸が躍りますし、大人気キャラ・桜子の「伝説の柔道着ブルマ」のフェティッシュな1シーンとか、見どころが尽きない…! 一気に読んじゃうパワーがある作品です。読み終わる頃には「柔道サイコー!」「柔道しようぜ!!」って叫びたくなっているはず! 柔道モノといえば熱血スポ根が定番だった当時、このスタイリッシュなキャラ造形とストーリーで柔道漫画の新機軸を打ち出したと言われるのが本作ですが、柔道という題材に限らず、後の作品でも見られるように、登場人物たちが己と向き合い打ち克っていく場面をひとつひとつ丁寧に描くことで、読者を納得させ作品の世界に引き込んでいくことこそが河合先生作品の真骨頂なのではないでしょうか。「部活って、いいなあ~」と思わずにはいられなくなりますよね!
<あらすじ>波多野憲二はちょっとそそっかしいが、負けん気の強い度胸のある17歳。幼いころからの夢であるプロ野球選手になることを断念した憲二の今の夢は、競艇選手になること。そのきっかけは担任教師・筒井の勧めで…!? ボートレーサーを目指し、本栖研修所の試験を受けた憲二。友情と闘争心の中で大きく育っていく若者を描いた、青春スポーツ漫画の傑作!!
<みどころ>"水上の格闘技"競艇の世界を描いた、希少という意味で異色の作品。本作も全30巻と長きに渡って、主人公の成長をじっくりと丁寧に描き、読者を引き込みます。 競艇については綿密な取材に基づいて描かれていて、非常に本格的な内容。とあるレースでは主人公がアッサリと失格になったりと、誰が勝つか分からない、勝負のリアルさを表現する見事な演出が随所にあって、先が読めない展開に毎回ドキドキさせられます。レース中の選手たちの心理戦は、まさに迫真で、こんなに壮絶な駆け引きが繰り広げられているのかと、衝撃を受けた読者も多いはず! そして、後半…! あの恋愛模様を、みなさんはどう受け止め、どう処理するでしょう…!? 読者の間で意見が分かれるところだと思います。ほかにも、見るのも辛いケガのシーン(トラウマです)とか…これぞまさにボートレース、波乱万丈の大長編ですね! いちばんの見どころは、登場する選手たちのセリフだと思います。勝負の世界に生きる者たちの矜持ある言葉が熱いっ! 心を奮わす名言にきっと出会うことと思います!
<あらすじ>脅されて書道部に入部した大江縁と、だまされて書道部に入部した望月結希。一風変わった先輩たちに翻弄されて、これでいいのかと思う日々。それでも、ダイナミックでデリケートな書の世界は、かなり魅力的で… 文化系青春コメディー、It’s 書(SHOW)TIME !!
<みどころ>監修を書道家・武田双雲氏が務め、作中の「書」はすべて実際の書道部生や指導者が書いたものを使用するなど、書の世界を誠実に再現しようとする徹底的な試みがうかがえる本作。 まず初めに「書道を漫画に!?」と驚いた読者も多いのではないでしょうか。スポーツと違い明確な勝ち負けのない「書」の世界をテーマに、どう漫画として表現し盛り上げていくのか? 想像がつかなくても読み進めていけば「なるほど~!」と思うこと請け合いの作品です。 書道と柔道の「文武両道」を体現しようとするヒロインと、彼女に一目惚れした生真面目帰国子女のボーイミーツガールで幕を開ける本作もまた、やはり彼らの成長っぷりが私たちの心を奮わせる感動大作となっていきます。作品作りに励み、己の才能と向き合い、「書の甲子園」へ向けそれぞれの歩みを進めていく──まったくの初心者として書道を始めた縁と望月のたゆまない内省と努力が、最終巻に結実します! 感動の軌跡を、ぜひご一読ください!