モリタイシ先生の全8作品を掲載!
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「放射線技師」に焦点を当てた新機軸医療ドラマ
【掲載誌】「グランドジャンプ」
【あらすじ】
診療放射線技師・五十嵐唯織。CTやMRIを撮る腕は超一流だがコミュ障の彼は、憧れの幼馴染・甘春杏が放射線科医として勤める病院に採用される。そこで、彼女を技師として支えようとする唯織だが…!? 視えない病を診つけ出す、画像診断医療コミック開幕!!
【書店員のおすすめコメント】
医師免許を持ちながらも、そのことを隠して放射線技師として勤務する五十嵐唯織。その理由は幼馴染の杏と交わした昔の約束のため——。ふたりは年を経て再会するも、とある理由で杏は昔のことを覚えておらず、唯織のことを「ヘンな放射線技師」としてしか見ていないのが泣けます。そんな唯織と杏の恋愛模様と並行して描かれるのが「放射線技師」という仕事を軸にした患者との医療ドラマ。普段はなかなか意識することの少ない放射線技師について、その業務内容やプロとしての目線など、医師を主役にした物語とは異なる目線の話には思わず唸ってしまいます。2019年には窪田正孝主演でドラマ化もされ、2020年2月現在の最新9巻では遂に杏が過去の唯織とのことを思い出すなど、ますます目が離せない作品です!
それが放射線技師として生きる理由——
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コンドームが繋ぐ恋
【掲載誌】「ゲッサン」
【あらすじ】
気になるあの娘は… コンドームの研究者!? 湘南ゴム工業株式会社で営業担当として働く砂上吾郎くん。彼が密かに想いを寄せるのは、総合開発部のムスブさん。そして、可憐な理系女子・ムスブさんが日夜研究しているのは、なんとあの… 「コンドーム」なんです!!
【書店員のおすすめコメント】
ゴム製品の会社に勤務し、コンドーム開発を行う美人研究者・ムスブさんと、新たにその部署に配属された砂上くんのなかなか進展しないラブコメディ。うーんこの設定! 強い! ふたりのファーストコンタクトはムスブさんが砂上くんにコンドームを渡して「良かったら使ってみてください 感想教えてください」ですからね! くーーー! 惚れてる相手にそんなこと言われちゃったらいろいろ考えちゃいますよね! 「使わない→ガッカリされる」「使う→ああパートナーいらっしゃるんですね」とどちらにせよツラいパラドックス! ムスブさんが仕事に忠実なだけで全然スレておらずピュアっピュアなのがまたいい! 「こんな子いるかーい」というツッコミは野暮というもの、ふたりのゆっくりな関係性の構築をニヤニヤ楽しみましょう。
女性からこんな感じで渡されることがあろうか いやない
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心身ともに健康的な美少女に癒されたい
【掲載誌】「月刊!スピリッツ」
【あらすじ】
京野あすか・中学3年生。「かわいい」じゃ足りない。「天然」ともちょっと違う。小悪魔かと思えば、天使だったり。受け身なようで「攻め系」だったり。——とにかく!彼女の半径5メートルに入ったら、誰もが“キュン”とせずにはいられない。そんな唯一無二の、超ど級な女のコ・あすかちゃん。本人はいたって無自覚だけど、どーしたって周囲はドキドキしてしまう——えろ申し訳ない、美少女観察記。
【書店員のおすすめコメント】
ちょっとゆるめ、かと思いきやはっきり筋は通った不思議な女の子・あすかの(パンチラ多めな)日常。特に物語があるわけでもなんでもなく、あすかの行動と、そこに居合わせた人々のちょっとした1ページを切り取るだけなんですが、なんともほんわかした気持ちに。仕事がうまくいかないなー、とか今日ちょっとイヤなことあったなー、という日に子猫の動画見てちょっと癒されるような、そんな作品。
とても気になる後ろ姿
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特定性癖にドンズバな可能性アリ
【掲載誌】「グランドジャンプ」
【あらすじ】
本格医療ドラマ「ラジエーションハウス」で新境地開拓のモリタイシが放つ、知られざる傑作ちょいエロコメディ! デジタル限定配信!!
【書店員のおすすめコメント】
「彼女にえげつないフラれ方をした帰り道 一人の少女が捨てられていた」「結局拾って帰った」。その後の流れはもうご想像の通りで、このご時世ヤバいですね。「男の妄想乙」「そういう描写が女性を性的消費云々」……もう何の言い逃れもできねーなって感じです。が、最後にちょっとしたどんでん返しが……。38ページの読み切り作品ですが、なかなかに心をかき乱してくれますよ。
アウト!!!!!
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変人だらけのなかで育まれる恋心
【掲載誌】「週刊少年サンデー」
【あらすじ】
県立伊手高柔道部。かつては県大会優勝など輝かしい実績を誇っていたが、今はすっかり衰退している。6月に3年生が引退し、2年生部員は0。残ったのは全員初心者の1年生数人だけだ。この厳しい状況の中、部長に任命された林田は部の再建を目指し燃えるが、残りの部員はロクでもないメンバーばかりで…!? 伊手高柔道部の面々が繰り広げる、学園コメディー!
【書店員のおすすめコメント】
初期は柔道部を舞台にしたギャグマンガで、個性的な面々がわちゃわちゃする系の作風。ありふれた感じかな、なんて思いますが、この作品が持つ他とは決定的に異なるストロングポイント、それが2巻から登場する「チョメジ」です。主要メンバー・藤原のアタマに乗っかっているチョンマゲで、義理人情に厚く、現代日本には珍しいサムライの魂を持つ男、それがチョメジ。無茶苦茶な騒動を起こすキャラたちのなかで、そのマジメさはギャグに必要なギャップとなります。そんなチョメジを含めた各キャラに読者がすっかり慣れてきたあたりから、本作は一気にラブコメ方向へ。マジメな部長・林田とマネージャーの森さんといった二人を軸に、そのほかのメンバーにもほのかなラブが……。最終巻のとある暗闇描写は「あれこれ最初ギャグマンガだったよね…?」となること請け合いの胸キュンシーン。絵もシュっとしてて女子も読みやすいですよ!
佐藤浩市似のちょんまげ・チョメジ
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ド直球なラブコメ、のはずが…?
【掲載誌】「ゲッサン」
【あらすじ】
ごく普通の高校生・薗田波留が初めて恋をしたのは、同じクラスで全男子憧れの完璧な女の子・本田知華子!一度は諦めかけた波留の前に現れたのは、願いを叶えてくれるという招き猫・招木猫太郎!不思議なアイテムで波留の恋をサポートしてくれる猫太郎の出現で、波留の恋の行方は…!?初恋を終わらせない「恋招き」学園ラブコメ!!
【書店員のおすすめコメント】
全然かわいくない招き猫・招木猫太郎が、週に1回、サイコロを転がして出た目の願いを叶えてくれるという、古き良きド〇えもん的居候フォーマットの作品。美貌・知能・運動神経と3拍子揃った憧れのヒロイン・知華子に恋心を寄せる、何も持たない系主人公のハル。しかし知華子にはある秘密があり、ひょんなことからその秘密をハルと共有することでふたりは急接近——!? でもなかなか恋には発展せず……そこへハルに想いを寄せる後輩(しかもこちらも招き猫のアシスト付き)も出てきて——!? とラブコメとしてめっちゃよくできてるんですよー。猫太郎の設定も、「国に帰れば妻子がいる」「ハルがいないときは、親に不審がられないよう部屋は真っ暗」など居候モノをパロディするような描写でニヤリ。そしてそして、丁寧に積み上げてきたものを最後にガシャーンとぶち壊す最終盤の展開は結構な衝撃。初恋とは甘酸っぱいものですね。
居候モノにあるまじき提言
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やがて哀しき恋愛ヒーロー
【掲載誌】「週刊少年サンデー」
【あらすじ】
地球を襲う巨大モンスター、そしてそれに立ち向かう戦隊を率いるナゾの博士…。ひょんなことから「レンジマン」の一員となった錬児の運命は?
【書店員のおすすめコメント】
恋をして人にときめいたその心=ときめきパワーを糧にする変身ヒーロー・RANGEMAN! しかしパワーとして恋心を消費してしまうため、変身後は相手のことを忘れるほどにその恋の熱が冷めてしまうという残酷な宿命を背負っているのだ! 辛すぎるぞRANGEMAN! 主人公・錬児は女性と触れ合うとすぐに「運命の人…!」となる惚れっぽい男子。ゆえにときめきパワーも高く、RANGEMANの期待の星だ! そんな錬児の前に現れるのが国民的アイドルであり、RANGEMANが守らなければならないレンジ星のプリンセス・風香。錬児は目の前の女の子に夢中になるため、世間的に大人気の風香のことは全然知らない。そこで少女マンガなどでもよくある「みんなが大好きな私のことを知らないなんて……ムカつくけど気になる!」が展開されるぞ! 恋をすることで強くなり、しかしRANGEMANである限りその恋は絶対に成就しない……アンビバレンツな戦隊ヒーロー物語!
そんな切ない変身ありますか
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離島の中学・合唱・恋心。キラキラ。
【掲載誌】「ゲッサン」
【あらすじ】
広い海に囲まれた離島の中学校。三年生になった少年少女たちが集うのは——合唱部。それぞれに、それぞれの事情を抱えた彼らは今、一つの「目的」に向け————歩き出す。全国書店員絶賛! 2012年小学館児童出版文化賞を受賞した話題の感動小説を、青く、切なく、鮮やかにコミカライズ!!
【書店員のおすすめコメント】
まだ「自分」があやふやで、何者でもなくて、ささいな出来事に一喜一憂してしまう年頃。その純粋さと危うさが、誰しも経験があるであろう「合唱」を通じ、みずみずしく描かれていてすごいノスタルジックな気分に。作中の合唱コンクール課題曲は「手紙」、ということで作中の登場人物たちが未来の自分に手紙を書くのですが、いま(30代後半)の自分にとってこういう演出は刺さります。「あの頃思い描いていた大人ですか?」という。作中でも、自分宛ゆえにみんなあけすけに書いており、それは友人には言っていない、好きなあの子のことだったり、自らの複雑な家庭のことだったり。彼らが書いた手紙を読むと何とも言えないキューッとした気持ちになるのですが、これはきっとかつての自分(の一部)をそこに見ているんだろうなぁと。ああ、若いって素晴らしい。
合唱あるある
【ご注意事項】
- ※本ページに掲載している連載中作品の巻数は、2020年3月時点のものです。
モリタイシ。1976年生まれ。2000年、「週刊少年サンデー超」掲載の『招福祈願ダルマイト・ガイ』でデビュー。2015年より「グランドジャンプ」で連載中の『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕)が2019年、窪田正孝主演でドラマ化。
(書店員:kkkkk/30代/男性)