<あらすじ>極道からも世間からも慕われる本気(マジ)は、男の中の男!! 男の純情を謳いあげる入魂の名作。
<書店員のおすすめコメント>本作は全50巻という壮大なスケールによって描かれた長編作品です。主人公の白銀本気(しろがね・まじ)は渚組の準構成員としてヤクザとしてのキャリアをスタートさせ、その後正式な組員となり、やがて広域組織の幹部へと登りつめていきます。しかし本作は単純な出世物語ではありません。ヤクザであることに負い目を感じながらも、運命の皮肉から図らずも裏街道の階段を昇っていかがざるを得ない本気の苦悩が哀愁たっぷりに描かれているのです。
<あらすじ>全国にまたがる大組織風組総長・風岡翔。その若き日の伝説と風組誕生秘話を収録!
<書店員のおすすめコメント>タイトルでは番外編となっていますが、『本気!』本編のストーリーを補完し、その世界観に深みを与えるとても重要な作品です。それぞれの巻で独立した話しが描かれており、1巻では風組総長・風岡翔の若き日の姿や、どのように風組が成立したのかが描かれています。2巻は本編ラストシーンの後日談となっています。病に侵された身でありながら風組との抗争のさなかに重傷を負った本気が、どうやって命を保ったのかが詳細に記されています。
<あらすじ>大ヒット作「本気!」の第2部。本気組組長となった本気をめぐる感動極道ロマン!!
<書店員のおすすめコメント>『本気!』全50巻の続編にあたります。日本中のヤクザを巻き込むような巨大な抗争を経て地元へと帰ってきた本気でしたが、安息の日々はなかなか訪れません。次なる敵は警察組織でした。渚橋署の副署長として赴任したキャリア官僚の西辻は本気の検挙を自身の手柄にするべく、さまざまな策略をしかけてきますが、本気はそれにじっと耐えるのでした。『本気!』シリーズの舞台である渚橋のモデルとなった船橋の味わい深い風景とともに、ペーソスの漂う物語が描かれています。
<あらすじ>白銀本気(しろがね・マジ)を刺した男、火田五郎が刑期を終え出所する。ざわつく本気を慕う者達の心。そしてそれを利用せんとする暗い心…。「オレはここで君を待つ…。君がオレを刺した場所だ。君とオレは、ここから始まる!!」
<書店員のおすすめコメント>本作は2002年から2005年にかけて「ヤングチャンピオン」で連載されました。物語では『本気!』全50巻の終盤で描かれた抗争の火種が再燃します。本作は組織のなかの争いをとても緻密に描いているように思います。主人公の本気自身が所属する組織とほかの組織、そして警察。この3者の思惑が複雑に絡み合ったストーリーには始まりから終わりまでとても緊張感があります。そして『本気!』序盤から本気に仕えてきた子分・次郎にも転機が訪れます。立原先生。どうか続編を……。
<あらすじ>狙うは頂上!生きるも死ぬも仁義一体、酷薄非情な修羅の道をゆく、燃えたぎる極道の生き様を目撃せよ!!ヤクザの鉄砲玉・仁と学生テロリスト・義郎。2匹の狼が出会い、頂点を目ざす熾烈な戦いが始まった――。食うか食われるかの息づまる頭脳戦に、殺るか殺られるかの流血抗争……。仁義のために死ねるか!?極道の世界で火花を散らす、仁と義郎の熱い野望!!
<書店員のおすすめコメント>組織のチンピラだった神林仁と元東大生にして過激派テロリストの八崎義郎。本作はひょんなことから出会った二人が極道の世界をのし上がっていくという物語です。『本気!』シリーズでは物語全体を通して哀愁が漂っていましたが、本作は出世欲や色欲といった人間の本質的な部分がドライに描かれています。ある意味で実社会にも通じる部分があるような気がします。誰を信用すればいいのか、誰が組織を背負うのか、誰が裏切るのか。計算高い男たちが織りなす物語です。
<あらすじ>大ヒットアウトローコミック「仁義」の正統なる続編!!隅田川を舞台に、若きチンピラたち…「仁義たち」の命が弾け、ぶつかる!!
<書店員のおすすめコメント>2006年から2012年にかけて「ヤングチャンピオン」で連載された本作に登場するのはアキラと大内という新しい“仁義”コンビ。前作の『JINGI 仁義』同様、登場人物たちの思惑が入り乱れ、組織のなかでの火花を散らす模様が描かれていきます。物語の1話目から墨田川会が二つに割れてしまうという大波乱の展開。しかしそれは干渉しようとするほかの組織の行ないをあぶり出すための大いなる芝居だったのでした。緊迫感みなぎるストーリーは健在です。
<あらすじ>東京、下町、墨田川の泪橋。義兄弟の契りを交わした鉄砲玉・神林仁と元テロリスト・八崎義郎は、連戦連勝でやくざ街道を駆け上り、極道の頂点を目の前にするが!?『仁』と『義』の物語が再び動き出す!!
<書店員のおすすめコメント>なにやら意味深な「零(ゼロ)」というサブタイトル。これが何を意味するのか。本作でもスリルのあるかけひきが随所に見られます。策謀が渦巻くなかでの人間ドラマはとても読みごたえがあります。しかし物語を読み進めていくと今までの『仁義』シリーズにはなかった儚さがなんとなく感じられるような気がします。本作をもって『仁義』シリーズは完結します。立原あゆみの別作品のキャラが物語の随所に登場し、フィナーレを盛り上げているような気がしました。
<あらすじ>「心ひかれた女に弱虫とよばれました。弱虫だからチンピラになったと、心の中で答えました……。弱虫とかいてチンピラとよみます」。下っ端やくざの修は、兄貴分たちが探していた女・景子を、一時の気まぐれで一晩自宅に匿った。朝、目を覚ますと景子の姿は既に無かったが、事務所に行くと驚くべき事実が判明する。景子はあろうことか組長が熱を上げている女だったのだ。その後、結局捕まってしまった景子から助けを求められた修は……?
<書店員のおすすめコメント>本作は『本気!』シリーズから派生した物語です。上部組織の思惑に翻弄される小組織内部の揺れ動きを描いています。本作は千葉県松戸市を舞台にしています。松戸・北松戸・馬橋・新松戸といった街の風景のなかで物語は進んでいきます。いちばん好きな漫画家さんが自分の地元を舞台にした作品を描いている。ひとりのファンとしてこんなにうれしいことはありません。ほかの立原あゆみ作品と同様に別作品のキャラがところどころに登場するのも見どころのひとつです。
<あらすじ>刑務所に入っている兄貴分に代わり、シマを守るヤクザ・ジミー。そのシマとは、ラブホテル街……。ホテル内で起こる素人さんの情愛の縺れ、ホテル周辺で客を引く立ちんぼの女たちの相談相手、それらを一手に引き受けるジミーは、近くにあるバー「いたずら」で今日もマスターと雑談を交わす……。今日もまた男と女が、“恋愛”を隠れ蓑に、騙し騙され“いたずら”の情事を重ねる――。
<書店員のおすすめコメント>立原あゆみ作品のなかでも異質の極道ものです。主人公の地見(ジミー)は刑務所に入っている兄貴分シマを預かり、バーの用心棒をしています。ある日、出所してきた兄貴分が組織内のトラブルから殺害されてしまいます。本作はその仇討をめぐる物語です。各話のタイトルがそのエピソードにちなんだ歌謡曲のタイトルになっており、最後はその歌詞によって締めくくられます。どれもしみじみとした味わいがあり、そして哀しく切ないものばかりです。
<あらすじ>特攻隊に志願した若き命たちの心は、生死を巡って揺れ動く…。涙なくしては読めない衝撃の問題作!!
<書店員のおすすめコメント>立原あゆみ作品のなかでは珍しい歴史ものです。太平洋戦争の末期、特攻隊の一員として飛行機に乗り、海に散っていった若者たちの姿が描かれています。主人公は特攻隊として飛び立ちながらも、航空機の不調により、基地に引き返すこととなります。やがてまた飛び立つことになるのですが、その間にさまざまな人間ドラマが繰り広げられます。各話のすべてが主人公のモノローグで終わります。そのほとんどが自分のお母さんに語りかける形になっており、胸が締め付けられる思いです。