メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。千葉雅也氏推薦!「何かが残る。残らないものもある。忘れられたものが回帰する。歴史とは、「どのように保存するかの歴史」だとも言えるし、文学もそのメディアのひとつだ。長嶋有の新作は、情報とモノの置き場が劇的に変わっていったこの約半世紀、すなわち「パソコン以後の世界」の本質を、静かに描き出そうとする。」
閉じる