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関裕二(著)
日本列島は文明の吹きだまりだから、中国から多くの知識や技術が流れ着いた。当然、古代日本の文物のほとんどは中国や朝鮮半島に由来すると信じられてきた。しかし近年、縄文文化が見直され、現代にまでつながる「三つ子の魂」が縄文一万年の時代に形成されていた可能性が指摘されるようになってきた。海の外から新たな文物が流入しても、縄文的な発想で取捨選択し、列島人にとって必要な物だけを選んでいたこと、さらに、工夫を加え、日本の風土に合わせて改良していった様子が見てとれる。そして、無視できないのは、縄文人の残した美意識や知識、技術が今日まで継承され、また、長い歴史の中で何度も文化の揺り戻しが起きていたという事実である。なぜ日本人は、ことあるたびに昔に戻ろうとしたのだろう。ここに、日本人を知るためのヒントが隠されている。中国文明と対比しつつ、日本人とは何かを巡る、壮大なヒストリー。※本書は、2020年3月にPHP新書として刊行されたものに加筆・修正したものです。
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