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読売新聞東京本社編集委員 村田 雅幸 編
日本を代表する文学賞である芥川賞と直木賞。両賞は平成の31年間で、どんな作品を選び、受賞した作家たちはどんな思いで受け止めたのか――。本書は、それらを読売新聞の記事から振り返った「平成の芥川賞・直木賞」シリーズ全3巻を1冊にまとめた「完全版」だ。選考委員の講評や文芸記者の考察記事なども収め、日本文学の最前線に触れられる。男性中心の文壇に、川上弘美さんや高村薫さんら、多くの女性作家が新たな息吹を吹き込んだ平成前期。中期には、綿矢りささん、金原ひとみさんといった若い力の台頭も目立った。後期は西村賢太さん、桜木紫乃さんらが記者会見での発言で注目され、又吉直樹さんの芥川賞受賞は“社会的事件”に。様々な場面を、懸命に追い続けた記事には確かな読み応えがある。また、受賞者が故郷で語った言葉や、受賞者、候補者ゆかりの人々の声といった、両賞の正史には残りにくいものまで記録しているのも魅力だ。新聞紙面をスクラップするように、紙面イメージのまま収録している点も特徴。見出しと写真、記事が一体となり、当時の熱気をよみがえらせる。収録した主なトピック第1巻 躍進する女性作家たち(第100回~119回)・主婦兼作家であることが話題だった時代 芥川賞に小川洋子さん(104回)・なぜ芥川賞・直木賞とも受賞作がなかったのか(112回)第2巻 綿矢、金原……若き作家たちの台頭(第120回~139回)・京大生・平野啓一郎さんの芥川賞受賞に、「三島の再来」の声(120回)・直木賞候補 グーンと若返り平均37歳、初選出6人(133回)第3巻 “事件”になった文学賞(第140回~160回)・「もらっといてやる」と記者会見で語った田中慎弥さん(146回)・お笑い芸人初の快挙 又吉直樹さんが芥川賞受賞。直木賞受賞作の東山彰良さん『流』は、「20年に1度の傑作」
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