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本村凌二
地中海を中心に興亡を繰り返したさまざまな古代文明の世界、すなわち「地中海世界」の歴史を、古代ローマ史研究の第一人者、本村凌二氏が描きつくす。講談社選書メチエ創刊30周年を記念して堂々刊行する、全8巻。第1回配本は、1・2巻の同時発売。「地中海世界」といえば、従来は「古代ギリシア・ローマ世界」と同義と思われてきたが、近年の研究ではもっと広く、古い時代からとらえられるようになったきた。それは、文明の発祥地メソポタミア、エジプトから、ペルシア帝国、ギリシアの都市国家を経て、ローマ帝国の誕生と崩壊にいたる、約4000年の歴史世界である。文字・貨幣・一神教の誕生、独裁制と民主主義、哲学と科学による真理の探究など、現代に続く人類の営みは、この「地中海世界」で始まっている。第1巻は、地中海世界が共有する神話の世界から説き起こす。メソポタミアに文明を興したシュメール人の神々は、人間に何を語りかけたのか。古代エジプトの異形の王が断行した宗教改革とは。弱小勢力が興亡するパレスティナに起こった人類史的変動とは何か――。1000年に一度の「文明の転換期」とも言われる現在、「1000年単位の歴史の変動」とはどんなものなのか、人類の歴史と現在を考える全ての読者にお送りする必読のシリーズ。目次 序章 地中海世界とは何か 第一章 愛の女神イナンナに始まる 1 文字と都市の出現 2 シュメールの王、ギルガメシュ 3 「戦争」と「平和」の風景 4 アッカドからバビロニアへ 第二章 神々の河は地中海にそそぐ 1 聖なるナイルの王権 2 時はピラミッドを怖れる 3 古王国・中王国時代 4 新王国時代 第三章 両翼の狭間で 1 シリア・パレスチナの馬と群雄 2 ヘブライ人の登場 3 海の民とフェニキア人 第四章 神々の声が聞こえる 1 叙事詩のなかの神 2 神の声を聞く人々 3 自然信仰とマアト 4 心性の考古学
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