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里見トン 著
よい友とは、何をしてもよい。絶交してさえもよい。――衝突と復縁を繰り返しながら、生涯にわたる友情を育んだ二人の作家。表題作は、幼少期の出会いから「白樺」での文学修業に至る青春期までを辿った、里見トン幻の代表作。〈白樺派の青春群像を描いた重要文献〉にして、のちの『暗夜行路』成立にも多大な影響を与えた作品でありながら、連載原稿の紛失事件により未完に。これまで全集等でしか読むことはできず、文庫化は今回が初となる。その他、「城の崎にて」で知られる志賀の山手線事故の顛末を記した「善心悪心」、鳥取・松江旅行の回想「世界一」「或る年の初夏に」など、若き志賀との交友に関する小説・随筆の主要作品を初めて一冊に。二大文豪の出発点をあらためて見直す文庫オリジナル。【目次】[小説]君と私(1913)善心悪心(1916)世界一(1920)或る年の初夏に(1917)幸福人(1917)失われた原稿(1916)[随筆等]春の水ぬるむが如くに(1924)志賀君との交友記(1935)弔辞(1971)志賀君との間柄(1974)あとがきより解説=麻井朝里見トン・収録作品関連年譜
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