「日本最凶」の古典怪談、ここに甦る……。ある地方の古着屋が入手した、青海波模様の縮緬布団。以来、その周囲では血塗れの美女が出現する怪現象が続発し、ついに死人まで――読む者を虚実のあわいに引きずり込む、独特の恐怖世界。日本怪談史上屈指の名作として読み継がれる表題作ほか、現代ホラー界の先駆的存在である著者初の怪談ベスト・セレクション全七篇。【目次】 I 蒲団(1937)棚田裁判長の怪死(1953)棺前結婚(1952) II生不動(1937)逗子物語(1937)雨傘の女(1956)帰らぬ子(1958)〈解説〉朝宮運河