私雨 峰蔵捕物歳時記

私雨 峰蔵捕物歳時記

長谷川卓

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毎日おまんまが食べられれば、悩むことなんか何もないんだ―御用聞きの峰蔵と癖者揃いの店子が、捨て子たちの成長を見守る。江戸を正直に生きた多彩な住人が織りなすほろ苦く、心温まる人情長屋噺。柳原の御用聞き峰蔵の計らいで、才槌長屋に六人目の捨て子が引き取られた。長屋には妾斡旋の仲人、隠居の元幕臣、茶屋女など、世を厭う店子が暮らしていた。ある晩、住人で湯灌場買いの又八は、親しい寺男の暗い一面を目撃しやけ酒を呷る。帰途、若者に襲われ心身共にどん底に落とされるが、子供らの心優しい看病を受けた又八は……(「私雨」)。温かさ沁みる傑作!

ジャンル
文芸
出版社
祥伝社
掲載誌/レーベル
祥伝社文庫
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