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森田信吾
高校を中退したのち単身でアメリカに渡り、帰国後はトヨタの専属ドライバーとなった破天荒レーサー、浮谷東次郎。1964年、当時まだ珍しかった本格カーレース「第2回日本グランプリT-Vクラス」に出場することになる。しかし彼のために用意されていたのは、性能の低さが問題視されていたトヨタ・コロナだった。圧倒的に不利と思われていた状況の中、持ち前の腕で同車種では最速の11位でゴールし、華々しくデビュー戦を飾ることになる。こうして東次郎は、レーサーとしての頭角を表していくのだった。翌1965年、日本レース界の頂点を決める一大イベントの序盤戦「第2回鈴鹿レースミーティング」が開催された。東次郎はサーキット場で出会った仲間の林が改良を加えた車、“カラス”で出場する。観衆の注目を一挙に集め、オンボロな見た目からは想像できないようなスピードで、次々にライバルを抜かしていく。彼の快進撃はここから始まろうとしていた…… 後世に残る偉業を成し遂げながらも、不遇の人生を送った“栄光なき”天才たち。彼らの人生は、如何なるものだったのだろうか――森田信吾による異色の偉人伝!
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