【内容紹介・目次・著者略歴】「英米法」と総称されるイングランド法とアメリカ法はきわめて近い関係にありながら、様々な分野で大きく異なる側面を持つ。本書は「比較歴史学」の方法を駆使してアメリカ法のイングランド法からの継受・分離・独立過程を解明、あわせてアメリカ本国およびわが国における「研究史」を調査、整理、評価した初の本格的研究。「アメリカ法制史学不在の現状」を打破すべく書かれた著者二十年の苦闘の成果。第7回天野和夫賞受賞。【目次より】序:わが国におけるアメリカ法制史研究不在の現状第一 法形成の主体 アメリカ型法曹の醸成に関する歴史学的考察第1篇 独立前夜マサチューセッツの法曹制度I はじめに 問題の所在 II 予備的説明 III 「法律家団体」 IV 法学教育 V 「イングランド化」の阻害・限界要因 VI むすびにかえて第2篇 独立前ヴァジニアの法曹制度I はじめに 問題の設定 II 研究史の概略 III ヴァジニアの統治・権力構造における司法機構 IV 法曹資格試験及び法曹関係立法 V 一般管轄裁判所のアトーニ(GCA)の実態及び性格 VI むすび マサチューセッツ法曹との比較におけるヴァジニア法曹の特徴第3篇 連合規約時代における「アメリカ型法曹」醸成過程I 序 アメリカ法制史学不在の現状 II アメリカ法制史学に対するWarrenテーゼの意義 III 独立宣言当時における法曹制度 IV 連合規約時代マサチューセッツの法曹 V 連合規約時代ヴァジニアの法曹 VI 「アメリカ型法曹」醸成過程に関する理論的考察第二 アメリカ的法制度の形成過程断片第4篇 奴隷が行使する I聖職者の特権」 独立前ヴァジニアにおける「イングランド法継受」の一例I 本篇の問題 II 奴隷が行使する聖職者の特権の実例 III 聖職者の特権制度の導入と奴隷への拡大 IV 聖職者の特権の実態と機能 V むすびにかえて第5篇 独立前夜における陪審裁判の歴史的位置 マサチューセッツに見るその実像I 本篇の問題 II 歴史的事実の文脈 独立前夜マサチュ ーセッツにおける「陪審裁判」のある実態 III 法制史上の文脈 IV むすびにかえて第三 アメリカ法制史研究批判第6篇 アメリカ法制史研究の回顧と展望 「アメリカ法制史学不在の現状」の根本問題I 序第1部II アメリカ本国におけるアメリカ法制史研究概観 III わが国におけるアメリカ法制史研究概観第2部IV 本国におけるアメリカ法制史研究の批判的検討 V わが国におけるアメリカ法制史研究のあり方に関する批判的検討 VI アメリカ法制史研究 VII 跋文献一覧あとがき※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。大内 孝法制史学者。東北大学教授。東北大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士課程修了。著書に、『アメリカ法制史学序説』『西洋法制史学の現在』(編著)などがある。