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柳川順子
【内容紹介・目次・著者略歴】従来、古詩を中心とする漢代五言詩の成立は、建安文壇に隣接する後漢時代後期と目されてきたが、本書はこれまで見過ごされてきた資料や、文献上に現れている微細な徴候に目を留め、新たな説を導き出す。数ある古詩の中に埋もれた特別な一群の存在を指摘して、その特定の古詩の成立年代を後漢初頭以前と推定するとともに、古詩の生まれた場を考察、さらにはその後の古詩の展開経緯を、近接ジャンルである古楽府との関連性も含めて明らかにする。漢代五言詩歌の清華である古詩という作品群の生成展開の経緯を解明し、研究史に新たな一頁を加える画期的業績。著者の明快で細やかな論述により、読者は自ずと古詩誕生の場面へと引きこまれるであろう。【目次より】序章一 本書の目指すところと基本姿勢 二 考察の概要 三 各章の要点と初出一覧第一章 古詩の成立年代はじめに第一節 第一古詩群の存在第二節 第一古詩群の成立時期第三節 五言詩の成立時期に関する先行研究結び第二章 原初的古詩の成立はじめに第一節 第一古詩群の成り立ち第二節 古詩誕生の場第三節 古詩の始原的性格結び第三章 原初的古詩の展開はじめに第一節 前漢宴席文化の広がりと古詩の流布第二節 宴席に言及する古詩の成立第三節 古詩の展開と死後の世界結び第四章 後漢時代における古詩の伝播とその展開はじめに第一節 第一古詩群の編成時期に関する仮説第二節 後漢前期における五言詩の文学的位置 班固の傅毅に対する対抗意識を通して第三節 後漢中期における古詩流伝の一系譜 古詩「凛凛歳云暮」を手がかりとして第四節 漢代五言詩史上に占める蘇李詩の位置第五節 後漢中期以降における五言詩の展開結び第五章 古詩と古楽府との関係性はじめに第一節 『宋書』楽志と『楽府詩集』 古楽府研究において拠るべき資料第二節 古楽府の歴史的性格第三節 古楽府と古詩との交渉結び第六章 建安文壇の歴史的位置はじめに第一節 曹操の楽府詩を通して見る漢末士人社会の一側面第二節 貴族制の萌芽と建安文壇結び第七章 呉の文学風土と陸機の「擬古詩」 呉人から見た五言詩歌史はじめに第一節 呉の文学風土第二節 cにおける「擬古詩」制作の動機第三節 「擬古詩」に読み取れる陸機の思い 古詩との狭間に見えるもの結び終章 結びにかえて 遊戯的宴席文芸から個人的詠懐詩へあとがき※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。柳川 順子1959年生まれ。中国文学者。県立広島大学教授。九州大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科(中国学専攻)博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。著書に、『漢代五言詩歌研究』などがある。
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