他者の原トポス 存在と他者をめぐるヘブライ・教父・中世の思索から

他者の原トポス 存在と他者をめぐるヘブライ・教父・中世の思索から

宮本久雄

9,570円(税込)
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【内容紹介・目次・著者略歴】哲学とは自己を探求することであり、自己は他者との出会いを契機に、はじめて成立する。アウシュヴィッツに象徴される他者の抹殺と崩壊(ショアー)という20世紀の負の遺産は、われわれに「他者とは何か」という痛切な問を投げかける。著者は今日に至るまでヨーロッパ思想の基底に流れる“存在‐神‐論”の視点から、他者への思索の生成と展開の原トポスともいうべき聖書や哲学、神学など広範なテキストに聴従し、他者概念の真相を見極める。存在、神、そしてロゴスとは何か。これら思想基盤を支える概念が、他者論といかに関わってきたのか、自己と他者との共生は可能か。現代における他者忘却の意味とそれを克服する方向性を示して、現代の思想的課題に正面から答えた問題作。【目次より】序論 他者と存在-神-論本論 存在と他者のトポスへ第一部 原トポスの哲学 教父・中世哲学と他者第一章 ニュッサのグレゴリオス(三三〇頃-三九四頃)I 一期一会 『雅歌講話』に即してII 出会いの解釈学第二章 アウグスティヌス(三五四-四三〇)I ロゴスの転位と他者の拓け 『告白』に即してII 汝の近みゆえに我在り第三章 トマス・アクイナス(一二二五--七四)I 他者のトポス・存在判断II 「存在-神-論」の彼方第四章 マイスター・エックハルト(一二六〇-一三二八)第二部 原トポスの神学 ヘブライ・新約思潮第五章 他者の誕生と喪失 『創世記』に即して第六章 ハーヤー存在論と他者のエチカ 『ルカ』の「善きサマリア人の譬え」より第七章 死と甦り 『マルコ』の空虚の墓の物語より第八章 プネウマ言語と他者の記憶 『ヨハネ』十三-十七章むすびとひらきあとがき初出一覧註文献表※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。宮本 久雄1945年生まれ。神学者、哲学者。東京大学名誉教授。専門は、古代・中世のキリスト教思想。東京大学文学部哲学科卒、同大学院修士課程修了。東京大学博士(学術)。和辻哲郎文化賞受賞。著書に、『教父と愛智』『宗教言語の可能性』『「関わる」ということ』『福音書の言語宇宙』『他者の原トポス』『存在の季節』『愛の言語の誕生』『恨と十字架』『「ヨブ記」物語の今日的問いかけ』『いのちの記憶』『他者の甦り』『身体を張って生きた愚かしいパウロ』『旅人の脱在論』『ヘブライ的脱在論』『他者の風来』『出会いの他者性』『隠れキリシタン』など、訳書に、V.ロースキィ『キリスト教東方の神秘思想』など多数ある。

ジャンル
学術・学芸
出版社
講談社/文芸
掲載誌/レーベル
創文社オンデマンド叢書
提供開始日
2022/02/25
ページ数
585ページ

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