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松田毅
【内容紹介・目次・著者略歴】「自由意志」と「連続体合成」を哲学の二つの「迷宮」と表現したライプニッツは、実はそのさらに奥に広がる第三の迷宮、「知識の迷宮」を探索していた。かれは「懐疑主義の危機」の時代を生き、今日でも懐疑主義との対話を真剣な問題とする人々の共通する友人たる資格をもつ哲学者である。しかし、懐疑主義をめぐるライプニッツの考察のドキュメントとロジック、そしてその認識論上の意義が十分に解明されてきたとは言い難い。本書はこの点に注目し、ライプニッツが旅した知識の迷宮の冒険に光を当てるだろう。読者は、この冒険旅行に登場する「懐疑主義者たち」の多様な広がりに驚かされるに違いない。こうして見いだされたライプニッツの認識論は、時としてわたしたちを陥れる抗し難い力をもつ、懐疑の渦、知識の迷宮からの脱出のための「アリアドネの糸」なのである。【目次より】凡例序 ライプニッツの哲学を認識論として読む第一章 懐疑主義と認識論 ライプニッツ読解の一視角第一節 「物体論」批判 ホッブズと若いライプニッツ第二節 デカルト以後の懐疑主義「観念」から「表現」へ第三節 「自由意志」の認識問題 スピノザとライプニッツ第二章 論理と認識 論理主義的ライプニッツ解釈の批判第四節 概念分析的真理論と認識論的問題第五節 内属の論理学の問題構成 計算と「述語」の分析観点からの伝統論理学の構成 5 述語としての「存在」第六節 内属論理の「臨界」としての「関係命題」第三章 認識と言語 構造的類比の「意味論」第七節 反省行為と言語「ライプニッツのコギト」へ第八節 自然言語の「意味論」 ライプニッツの自然言語論と認識論第九節 直観と論理 デカルトとライプニッツ第四章 認識と方法 類比・発見・最適第十節 現象と実在 発見のための構成第十一節 発見法としての「真の論理学」 ライプニッツの見果てぬ夢第十二節 「最善」の認識可能性「弁神論」の方法論第五章 認識論とモナドロジー第十三節 ピュロニズムとモナドロジー第十四節 モナドロジックな「心の哲学」の可能性第十五節 モナドロジックな「実在論」註あとがき文献表※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。松田 毅1956年、岡山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。哲学博士(ドイツ連邦共和国オスナアブリュック大学)。九州芸術工科大学助教授を経て、現在、神戸大学大学院教授。専門は、西洋近現代哲学。著書に、『ライプニッツの認識論』『哲学の歴史』第五巻(共著)『ライプニッツ読本』(共著)『部分と全体の哲学』(編著)『世界哲学史6』(共著)など、訳書に、R・フィンスター+G・ファン・デン・ホイフェル『ライプニッツ』(共訳)クリスティン・シュレーダー=フレチェット『環境リスクと合理的意思決定』(監訳)『ライプニッツ著作集』第II期第3巻(共訳)など。
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