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矢野善郎
【内容紹介・目次・著者略歴】「私たちは、論争相手の意見についてはもちろん、自分自身の意見についてすら、いやと言うほどしょっちゅう、誤解している。」ヴェーバーはこう述べつつ、我々が「なぜ一致しあえないのか」を認識するために、〈価値討議〉という実践的な討議像を提唱した。本書は、晩年に結実したその〈方法論的合理主義〉を精密に検討し直し、その背景にこうした討議像が置かれていたことを明らかにする。それを通して、「合理化=近代化・脱呪術化」と見る文化的バイアスを乗り越える、〈合理化〉の比較文化・歴史的な方法論としてヴェーバー社会学を再生し、〈合理的であること〉そのものが人間社会に与える影響について理論的に探究する。【目次より】凡例第一章 問い:住会科学・歴史科学と〈合理性〉1・1 ヴェーバー研究と社会科学1・2 歴史科学・比較文化方法論における〈合理性〉問題1・3 社会理論における〈合理性〉問題第二章 方法論的合理主義の分析枠組 予備規定2・1 〈合理的構成〉2・2 多方向的な〈合理〉概念群2・3 二重の方法論的合理主義第三章 方法論的合理主義の内的展開と外的受容3・1 「合理化」・「合理主義」をめぐる解釈の四類型3・2 「合理化」の諸解釈類型の妥当性3・3 〈合理化〉論の内的展開とその未完成性第四章 歴史認識としての方法論的合理主義4・1 方法論的合理主義の分析シェーマの再定式4・2 〈合理的であること〉の諸類型4・3 宗教社会学における〈合理化〉第五章 文化比較のための方法論的合理主義5・1 〈理解的説明〉の方法5・2 ヴェーバーの「科学社会学」5・3 ヴェーバーの「科学像」の展開過程第六章 社会理論としての方法論的合理主義 ヴェーバーの〈価値討議〉論6・1 社会科学の〈成果〉6・2 ヴェーバーの〈価値討議〉論6・3 方法論的合理主義と〈価値討議〉第七章 ヴェーバーの同時代批判 「神々の闘争」論7・1 「近代科学」と「近代人」7・2 「神々の闘争」と「日常」 ヴェーバーの同時代批判7・3 方法論的合理主義と「決断」注あとがき文献一覧※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。矢野 善郎1968年生まれ。社会学者。中央大学教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。専門は、理論社会学、社会学史。著書に、『マックス・ヴェーバーの方法論的合理主義』『マックス・ヴェーバーの新世紀――変容する日本社会と認識の展開』(共著)などがある。
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