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トーマス・S・マラニー 著/比護遥 訳
本書の主軸をなすのは、西洋のラテン・アルファベットを基にして作られた「近代」の象徴としてのタイプライターと、中国語との間にある距離感である。その隔たりゆえに中国語そのものに「問題」があるとみなされ、それを克服するための「パズル」が形作られることになる。常に西洋の「本物」のタイプライターを意識しつつ、この「パズル」を解こうとしていく人々の群像を描いていくなかで、漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源に至るまで、さまざまな話題が展開されている。タイプライターというモノを起点としつつ、それの単なる発明史をはるかに超える射程を持った本であり、関心や専門を問わず広く読まれるべき一冊である。目次謝辞序論そこにアルファベットはない第1章近代との不適合第2章中国語のパズル化第3章ラディカル・マシン第4章キーのないタイプライターをどう呼ぶか?第5章漢字圏の支配第6章QWERTYは死せり!QWERTY万歳!第7章タイピングの反乱結論中国語コンピューターの歴史と入力の時代へ訳者解説注索引
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