文学賞三賞に輝いた前作『ダブル・ファンタジー』に続く、魂と官能の傑作長編小説。脚本家・高遠奈津は、創作の鬼に導かれるようにして夫との穏やかな暮らしを捨てた。いくつかの恋を経て、現在は物書き志望の恋人・大林一也と暮らしているが、大林もまた奈津の心と身体を寂しくさせる男だった。自分に触れず、遊び歩くばかりの大林に気を遣いプレゼントを捧げ続ける日々の中で、元恋人たちと逢瀬を重ねる奈津だったが-―自由と官能、孤独と愛憎の果てに、奈津がたどり着いた果てとは?「週刊文春」連載中から「面白過ぎる」と多くの読者・執筆者を夢中にさせた強烈な吸引力のある一冊。解説・辻村深月※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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