春風同心十手日記

春風同心十手日記

佐々木裕一

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同心は岡っ引きの過去と向き合わねばならぬ。岡っ引きになる前の五六蔵を手助けしていた伊蔵が浪人の姿をして現れた。かつて仲間であった三治が殺されたので、急ぎ報せに上方から戻ってきたと言う。下手人は五六蔵に底無しの恨みを抱く殺し屋〈雲の翔〉らしい。大昔に関わった事件が今となって蘇り、息を呑む五六蔵。そしてさらなる凶報が届いた。定町廻り同心夏木慎吾の大先輩で、祝言を挙げたばかりの中村広茂お菊夫妻が何者かに襲われたというのだ。いったいなぜ? 己の過去に堅く口を閉ざす五六蔵に、これまで全幅の信頼を寄せていた慎吾はいら立ちを隠せない。下手人捕縛に焦りがつのる中、またもや悪い報せが……。慎吾と五六蔵の仲が試される、疾風勁草の第五弾!●夏木慎吾……江戸北町奉行所定町廻り同心。天真一刀流免許皆伝。父親は北町奉行の榊原主計頭忠之だが、正室の子ではないため母の実家夏木家で育ち、祖父の跡を継いで同心になった。●五六蔵……深川永代寺門前仲町の岡っ引き。慎吾の祖父に恩がある。若い頃のことは今のところ謎で、やくざの親分だったとの噂もある。●国元華山……霊岸島川口町に診療所を構える二代目の町医者で、腑分けに長けた女性。

ジャンル
歴史・時代
出版社
小学館
掲載誌/レーベル
小学館文庫
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