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著:佐伯啓思
「ポピュリズム」「ニヒリズム」に象徴される近代の危機を乗り越えられる思想はあるのか。「グローバリズム」と対峙するアフターコロナの価値観とはなにか。西洋近代の限界を縦横無尽に論じ、日本思想の可能性を探る。「当代随一の思想家」による「近代論」の集大成であり、「知の巨人」が新境地を開拓する主著。トランプに象徴されるポピュリズム現象。しかしこれは今に始まったことではない。すでに1930年代のナチス台頭から始まっていたことだ。その原動力となったのは「ニヒリズム」。何も信じられない事態に絶望し、疲れきったため、その時々の状況に身を任せ、流れるように生きるという態度である。これが後にユダヤ人大虐殺の「ホロコースト」につながっていった。現在、先進各国を覆い尽くしているのも、こうした「近代の病」であるニヒリズムである。近代のこのような虚妄≒ニヒリズムを乗り越えることは可能なのか。その可能性として日本思想、とりわけ西田幾多郎「無の思想」などに象徴される京都学派に再び光を当てつつ、西洋近代思想と比較分析。その現代的価値を問い直す。
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