百年の散歩(新潮文庫)

百年の散歩(新潮文庫)

多和田葉子

14

豆のスープをかき混ぜてもの思いに遊ぶ黒い〈奇異茶店〉。サングラスの表面が湖の碧さで世界を映す眼鏡屋。看板文字の「白薔薇」が導くレジスタンス劇。カント、マルクス、マヤコフスキー。ベルリンを幾筋も走る、偉人の名をもつ通りを、あの人に会うため異邦人のわたしは歩く。多言語の不思議な響きと、歴史の暗がりから届く声に耳を澄ましながら。うつろう景色に夢想を重ね、街を漂う物語。(解説・松永美穂)

みんなの感想
ジャンル
文芸
出版社
新潮社
掲載誌/レーベル
新潮文庫
閉じる
開く
  • 6回使える70%OFFクーポン(上限・条件あり)