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くらもとえいる
桐木(きりき)由美は28歳から不妊治療を始めてもう6年、今年で35歳になろうとしていたが、相変わらず妊娠することは叶わなかった。頻繁にやってくる姑は悪気はないのだろうが、その一言一言が子供のできない自分を責めているような気がして仕方がない。一方、夫の拓也はやさしく、不妊治療でつらい目にあっている由美に対して「自分は子供はいなくてもいいんだから」「由美の気のすむように」と言ってくれるのだが、それが逆に自分との強烈な温度差を感じさせて、言いようもなくイラつきが募ってしまうのだった。そうこうするうちに夫婦仲はどんどんギクシャクしていき、由美の心はますます沈殿していき…とうとううつ病を発症し、なんと手首を切って自殺を図ってしまう。もう限界だった。二人は離婚し、由美は実家に戻った。そして2年後、ようやく心の平穏を取り戻した由美の前に現れたのは意外な人物だった――。(※本コンテンツは合冊版「私の人生を変えた女の難病Vol.2-2~特集/女をやめたいと思った瞬間」の内容と重複しています。ご注意ください)
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