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西原稔/安生健
古来より科学者にとって、音階や音律の研究は宇宙の真理を探求することでした。古代ギリシャの数学者ピュタゴラスは音程や音階の理論を発明し、ドイツの科学者ヨハネス・ケプラーは、惑星の軌道を天文学と音楽理論によって解明しようとしました。また、ドイツの数学者で博物学者のアタナシウス・キルヒャーは、順列と組み合わせの関係から音階のパターンを導き出そうとしました。 ちなみにキルヒャーは、音楽を「ムジカ・ナトゥラーリス(自然の音楽)」と「ムジカ・アルティフィカーリス(人工の音楽)」に分類したり、「世界の創造の神秘」を表現する楽器を構想したりしています。つまり、古来より「音楽は数からできている」と考えられていたのです。本書は、科学と音楽を横断的に読み解き、音階・音律論から物理学、哲学などを通じて宇宙の真理に迫っていきます。音楽と科学の密接で刺激的な関係を知れば、音楽や科学への向き合い方もきっと変わってくるはずです。〇バッハの曲に隠された「数の秘密」とは?〇森羅万象に通じた博物学者であり作曲家キルヒャーの思想とは?〇ドビュッシーやベートーヴェンは、黄金比を意識して作曲していたのか?〇日本人の美の規範は「黄金比」ではなく「白銀比」にある?〇音階を突き詰めると「宇宙の裂け目」に行き当たる?
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2024/05/31 23:59 まで有効