『極楽島(ライサ)』03　コニャックの王-01

北海、オークニー諸島に存在するプライヴェート・アイランド、極楽島。そこには世界最高のバーと呼ばれる名店『ラ・マドレーヌ・オ・ユピテール』が存在する。千客万来の超高級バーだが、その実体は……ちゃらんぽらんな店長ローデヴェイク。しっかり者で店の全てを回してはいるが超がつくマザコンのフロア・マネージャー、オッファ。客商売の要、バーテンダーだが無口で無表情な和泉。おまけに未成年のフロアスタッフ、ハート。店の公認会計士は事故の後遺症で乗りものに乗れなくなった男爵家の跡取り息子ドゥニ……というとんでもない布陣で経営される店であった。極楽島で不自由な生活を送るドゥニだが、彼にはちゃんと夢がある。幻の王のワイン、クロ・ド・ヴージョの復興。よい畑が売りに出されることになり、色めきたって買収に動くが様子がおかしい。同時期にドゥニの面倒をみる目的で極楽島に滞在しているオッファに引き抜き話が。断ったオッファの身の上にとんでもない悲劇が降りかかる──!!酒造業界の裏側からワイン醸造の真実に迫る意欲作。本作では著者の持つもう一つのシリーズ『奇跡の知性』との関連も示唆される。シリーズが本格的に動き出す物語を見逃すな！

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