とらちゃん的日常

とらちゃん的日常

中島らも

16

おれは猫を飼うに値しない人間だ。いままでやった悪業を考えると、そう思う。とらちゃんは今、オレのベッドで丸くなって眠っている。うっとりと目をとじて。たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい。彼女がおれの罪を洗い流してくれるのかもしれない……。鬼才・中島らもが愛猫に捧げるエッセイ集。カラー・モノクロの写真を全67点も収録!

みんなの感想
ジャンル
エッセイ
出版社
文藝春秋(文芸)
掲載誌/レーベル
文春文庫
閉じる
開く
  • 6回使える70%OFFクーポン(上限・条件あり)