蛇を踏む

蛇を踏む

川上弘美

468円(税込)
212

藪の中で踏んでしまった蛇が女になり、わたしの部屋に棲みついた。夜うちに帰ると「あなたのお母さんよ」と料理を作り、ビールを冷やして待っている――「蛇を踏む」。うちの家族はよく消えるが、上の兄が縁組した家族はよく縮む――「消える」。背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった――「惜夜記(あたらよき)」。神話の骨太な想像力とおとぎ話のあどけない官能性を持った川上弘美の魅力を、初期作ならではの濃さで堪能できる、極上の「うそばなし」3篇。

ジャンル
文芸
出版社
文藝春秋(文芸)
掲載誌/レーベル
文春文庫
提供開始日
2019/04/15

この作品をシェアする

Xでポスト
閉じる
開く