ジハーディ・ジョンの生涯

ジハーディ・ジョンの生涯

著者はかつて、当局にイスラム過激派と疑われたために職も婚約者も失ったと訴える、ムスリムの青年を取材したことがあった。クウェート難民としてロンドンで育ち、大学でITを学んだ礼儀正しい青年、ムハメド・エムワジは数年後、イスラム国の黒覆面の処刑人「ジハーディ・ジョン」となり、湯川遥菜さんや後藤健二さんらを斬首することになる。エムワジはなぜ、凶悪なテロリストになったのか。「ジョン」と会った唯一のジャーナリストによる決定的評伝。彼の足跡を辿ると、欧米社会で育ったムスリムの若者たちが偏見や差別にさらされ、将来に絶望する日々のなかで過激思想に染まっていく状況が見えてくる。テロ対策の名のともにイスラム社会に行っている、抑圧や監視が若者たちの先鋭化につながり、ジハード戦士を生み出す土壌になっている、と著者は指摘する。ジハーディ・ジョンの替えは、いくらでもいるのだ。「クローズアップ現代」でキャスターを務めた、国谷裕子氏の渾身の解説も必読!【目次】序章 わたしは「ジョン」と会っていた第一章 クウェートから来た少年第二章 イスラム過激派のネットワーク第三章 MI5とアフリカの角第四章 素顔のエムワジ第五章 監視対象第六章 シリアへの道第七章 世界を震撼させた斬首第八章 テロリストの逆流最終章 「ゼロ・トレランス」の罠解説 『ジハーディ・ジョンの生涯』を読み、後藤健二さんを想う (国谷裕子)

ジャンル
ノンフィクション
出版社
文藝春秋(文芸)
掲載誌/レーベル
文春e-book
提供開始日
2019/04/15

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