クトゥルー短編集 邪神金融街

菊地秀行

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    日本で最も多くのクトゥルー作品を手がけているのは菊地秀行である。極東の島国へ降臨した邪神たちの物語は、数々のダイナミックで陰翳な長編小説に結実した。そして短編にも。語り部さえ意識せず、現実へのひそやかな侵冠を綴った作品群は、偽りの平穏と怠惰な日常にまみれた人々への掲示であり警告である。インスマスを思わせる漁村怪異譚を江戸時代に展開する「切腹」、クトゥルー・ミュトス・ファイルズの記念すべき第一弾『邪神金融道』の原形「サラ金から参りました」、短いが比類なく恐ろしいとひそやかに語られる「出づるもの」、怪獣映画への憧憬にクトゥルーを絡めた「怪獣都市」、加えてラヴクラフトのみならず神話の故郷ともいうべきプロヴィデンス訪問記三篇に、描き下ろし短編「賭博場の紳士」がそっと忍び寄る。恐怖のあまり邪神たちも発狂する傑作短編集!

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