アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

東秀紀

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英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ1841年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、66作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。

ジャンル
ミステリー
出版社
筑摩書房
掲載誌/レーベル
筑摩選書
提供開始日
2018/11/16

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