紛争地の看護師

白川優子

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    「イスラム国首都」で医療活動をした看護師。「国境なき医師団」看護師として過去7年間でイラク、シリア、イエメン、スーダンなど17カ所の紛争地に派遣された。彼女を過酷な医療現場に駆り立てるものは何か。そこで何を見たのか。―――一般市民を盾にして抗戦する「イスラム国」(IS)戦闘員たち。2017年、筆者が派遣されたイラク・モスルでも、彼らが自らに楯突いたものに非道の限りを尽くしていた。ある日、そのIS戦闘員の子供が負傷して、病院に運ばれてきた。両親は自爆テロで亡くなっていた。〈当然、市民にとって憎い相手であるに違いない。その憎き相手であろうISの子供の世話に、市民が一生懸命になっている〉子供はうわごとのように、ある言葉を繰り返し、泣き続けていた。それは「お母さん」という意味だった。〈お母さんはもうこの世に存在していないのだと誰が説明し、彼女はどのように理解していくのだろう。(略)これからどんな人生を送ることになろうとも、いつかこの病院で受けたイラク人たちの優しさと愛を知る時が来て欲しい〉―――悲しみ、憎しみ、裏切り。それでも信じたい人間の強さ。現場にいたからこそ書くことができた生と死のドキュメント。※この作品は一部カラー写真が含まれます。

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