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山口瞳
『人殺し』、『血涙十番勝負』、『けっぱり先生』等、1970~1971年に書かれた小説、エッセイ等87作品収録。収録作品は、小説「小説将棋必勝法 八段二上達也」(「小説現代」1970月1月号)から、「どこ吹く風 19(完)長い道」(「小説新潮」1971年12月号)まで、1970~1971年に発表された小説、エッセイ等87作品を初出掲載順に収録。1970年から1971年にかけての山口瞳は、「男性自身」シリーズの週刊誌連載のほかに、長篇小説『人殺し』の文芸誌連載と『けっぱり先生』の新聞連載、紀行エッセイの『なんじゃもんじゃ』、『血涙十番勝負』の連載、短篇小説『どこ吹く風』に連作連載のほか対談や座談会、さらに、年2回の「小説現代」新人賞の選考委員会という壮絶な流行作家の生活を送っている。この時期の重要な作品の一つ『人殺し』は、安穏な生活を望む、中年の作家・井崎と、精神的な病を持つその妻・道子、そして、美貌ゆえに当たり前の女の生き方ができないホステス・瑛子という三人の主な登場人物を巡っての心理劇というような物語。1969年11~12月にかけての京都入院中に構想が練られ、「文學界」に15回にわたって掲載された山口瞳にとって、はじめての純文学誌での連載であった。さらに、プロ棋士との対局の自戦記を小説として描いた異色のシリーズ『山口瞳血涙十番勝負』は、作家が書いた将棋本の最高峰ともいえる作品。第15回巻では第一番から第八番までの“名勝負”が収録されている。付録として、電子全集の総監修を務める、山口瞳の長男・山口正介が回想録「草臥山房通信」(15)を寄稿。
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