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高樹のぶ子
恋愛小説とミステリが融合した傑作長編!京都で和裁士を務めていた堀雅代は、名前を堀田雅代と偽って金沢市大野町にあるモロミ館に住み込んだ。一人息子・圭介の〈死の真相〉を突き止めるためだった。当時、金沢芸術大学の学生だった圭介は、16年前に金沢港の防波堤から海に落ちたのだが、波にさらわれたと警察に処理された。だが、雅代は息子の事故死や自殺を認めるわけにはいかなかった。「息子は殺されたのだ」圭介の大学時代の同級生で親友だった柿沼利夫と、妻になった涼子が何か知っているに違いない。利夫は金沢芸大の准教授になっていた。遠藤美津は金沢の郊外、湯涌温泉にある夢二館に勤める20歳の美しい女性だった。彼女は利夫と不倫関係にあった。金沢芸大の講師・薄井宏之は、古いロッカーの中から布にくるまれた白磁の皿を見つける。この白磁の正体をめぐって陶芸界の重鎮ウダゴーこと羽田(うだ)豪太郎が大学を訪ねてくる。羽田は柿沼利夫の妻・涼子の父親だった。〈息子圭介の死〉と〈謎の朝鮮白磁〉が出合った先に真実はあるのか――。恋愛小説とミステリが融合する、名手・高樹のぶ子のエンタテインメント長篇。
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